本日、「トウキョウソナタ」を鑑賞してきました。
現代日本の社会問題、家族問題を凝縮したような作品でした。
父親のリストラにより、家族関係が崩壊していきます。
崩壊していくというより、すでにその状態にあったものが顕在化していくといった方が正しいかも知れません。
それぞれに秘密を持った家族が奏でるのは、不協和音でしかありません。
それでも、家族生活という演奏は続けていかなくてはなりません、何事もなかったように。
父親と息子達の関係、いや、家族関係全体が、昔の自分を見ているようで何か辛いものを感じました。
懸命に家族のことを考えているつもりでも、ただの独りよがりで、すべてが空回りしているような、何ひとつ最愛の家族に自分の思いが伝わらないようなもどかしさ。
家族のことは何でも知っているつもりでも、何ひとつ知らなかったとに気づいた時の悔しさ。
そんな思いをしたことが何度もありました。
そんな訳で、一見ハチャメチャなストーリー展開ですが、私は妙にリアリティーを感じました。
コメディータッチの作品ですが、手放しの笑いではなく、時に共感したり笑えなかったり、シニカルな笑いだったり。
私のような年代、生き方をしてきた人間にとっては、面白いというより、ちょっと身につまされるような作品でした。
良い作品で、鑑賞して良かったです。
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