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ハイエクの経済学とは

2013-12-27 | 日記

 

ハイエクの経済学とは

[HRPニュースファイル863]転載

 

◆ハイエクの経済理論について

2013年12月13日に大川隆法総裁先生によって「ハイエク流 自由の哲学を考える」という題名で「ハイエクの霊言」のご収録が行われました。

【ハイエクの霊言「ハイエク流自由の哲学を考える」】
http://info.happy-science.jp/lecture/2013/9055/

ハイエクは自由主義の権化として政治哲学での業績で知られていることが多いのですが、経済学での業績に関してはあまり知られていないので、今回のHRPニュースファイルで説明いたします。

ハイエクの経済学の柱は、大きく「構造論」と「知識論」の二つに分けられ、これが通常大学で習う経済学とハイエクの経済学との大きな違いとなっています。

 ◆ハイエクの経済学の特徴「構造論」

「構造論」とは何かというと、ハイエクはよく「生産構造」「価格構造」などの言葉を使っています。

経済を一つ一つの単位、鉄を例に挙げると、鉄の採掘会社、採掘するための機械を作る会社、鉄を生成する会社、鉄を使い電車を作る会社などブロック単位と捉えます。

そしてそれらの会社の関わり、つまり構造で経済を認識するのです。これは、マクロ経済集計をもとに経済学を構築したケインズと大きく異なる点です。

この「構造論」を語る上で外せないのが、ハイエクが1934年に執筆した『価格と生産』です。『価格と生産』はハイエクが1930年~31年にかけてロンドン大学で四回に分けて行った講義をもとに書かれました。

初期の著作ではありますが、その後のハイエクの経済理論の基礎となっている重要な書籍であると言えるでしょう。

 ◆節約による増産

この『価格と生産』の結論は何かと言うと、「貯蓄以上の投資が銀行の信用創造によって行われると経済は攪乱され恐慌を起こす。一方、銀行の信用創造ではなく国民の自主的な節制による貯蓄の増加によって投資が行われるとき、人々は安価な消費財をより多く消費できる」というものです。

そのメカニズムを説明すると長くなってしまうので省略しますが、要するに「銀行の信用創造による投資は生産構造に影響を与えて景気を変動させてしまうので、それよりは節約して貯蓄し、それを投資しましょう」ということです。

これは、ケインズが、「個人が節約すると景気が悪くなって個人の所得が減り、結局、社会全体の貯蓄は減ってしまう」とした「合成の誤謬」とは真逆の考えであることが分かります。

 ◆経済政策の弊害

ただ、ハイエクは銀行の信用創造による投資を完全に否定しているわけではなく、「銀行の信用創造は経済進歩のためには不可欠であり、そのための景気の変動は仕方がない」という趣旨のことを「貨幣理論と景気循環」の中で述べています。

問題は、政府の恣意的な政策が、景気変動を必要以上に大きくしてしまうということです。

すべてではありませんが、この問題を解決するためにハイエクは後年「貨幣発行自由化論」で政府の貨幣発行の独占権を奪い、実質的に政府の金融政策を無効化する理論を提案しています。

 ◆ハイエクの経済学の特徴「知識論」

次にハイエクの「知識論」の特徴に移ります。

ハイエクは、知識はその時、場所、状況などによって異なるため、社会全体に分散して存在するとしています。

例えば、東京のA社にはA社なりの社風や特性などA社の社員にしかわからないことがありますし、愛知県のB市に住んでいる住人にはその地域に住んでいる人にしかわからない情報などがあるわけです。

これら社会に分散して存在している知識は、市場での競争によって発見され、無意識のうちに統合されていくというのがハイエクの理論です。

この理論のどこが特殊なのかというと、既存の大学で習うような経済学では必要な知識は基本的に前もって知ることができ、人々はそれを合理的に利用することができることが前提となっているのですが、ハイエクは競争があるからこそ、この人々が合理的に動き知識が発見されていくとした点にあります。

ハイエクはこの知識論で「既存の経済学は競争の意味をまったく理解していない」と言いたいのです。

 ◆ハイエクとケインズ経済学の違い

このようにハイエクの経済学では、人々の自発的な行動や、自然発生した市場のような秩序、競争などを重視しているということが分かります。

この経済学は、経済がある程度安定しているときには非常に説明力を持ちます。ただし、一度恐慌になり経済が停滞してしまったときに、人々の自律的な回復や、市場に任せておいたのではどうしても対応が遅れてしまうことがあります。

このような緊急事態に対応するにはハイエクの経済学は不向きであり、どちらかというと恐慌を回避するための理論ということができるでしょう。

つまり医学で言うと、病気をいかに予防するかと言う予防医学がハイエクの経済学であり、病気が起こってしまったので外科手術をするというのがケインズ経済学ということができるでしょう。

幸福実現党では、このハイエクの経済学だけでなくケインズ経済学をうまく使い分け、日本を繁栄に導いてまいります。

(文責・HS政経塾 赤塚一範)
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