国産定番万年筆 最弱インプレ

実用上十分、ほとんど最強と考える実売1~2万円の国産万年筆をレポート。カスタムパーツ製作も左下BOOKMARKで紹介中。

[ 022 - パイロット社 カスタム 海外の購入者 ]

2007年07月19日 | 海外サイト勝手に翻訳
■以前に記事 016 でご紹介した米国のサイト [ Stylophiles ] の、パイロット社カスタムを紹介するマイク・スティーブンス氏の記事は、万年筆に対する愛情と理解に溢れ、説得力のあるお話でした。
Stylophiles は人気のあるサイトのようですから、あの記事に感化された方は少なくなかったのではないか、という気がします。実際に、あの記事を読んだ後でカスタム823を手に入れたという投稿を幾つか見つけました。
■その内の1つ、[ The Fountain Pen Network ] に投稿された RyanL27 氏 の記事を、Web 自動翻訳サービスにかけたものを、以下にご紹介します。
http://www.fountainpennetwork.com/forum/index.php?showtopic=12771&st=0
日本製万年筆の評判は、やはりなかなか良いようです。野茂やイチローなど海外で活躍した日本人をアイドルとして崇拝している筆者としては、なんだか嬉しくなってくるような記事です。

----------------------- 以下 RyanL27 氏の記事 ----------------------

僕がこのペンに最初に惹きつけられたのは、Stylophiles マガジンのレビュー記事を読んでからだった。その記事の評論者は、"このペンは、いささか保守的な見た目と大容量の吸入システムを持つ、素晴らしい筆記具だ" と語っていた....そして言うまでもなく、僕はこのペンに興味を持ったよ。で、このペンに関する幾つかの質問をここ 「The Fountain Pen Network 」 と 「 Pentrace 」 に投稿し、このペンについて良い評価をする回答を得た。ある回答者からはカスタム823のB(太字)ニブとF(細字)ニブを持っていてFを気に入っているのでBの方を僕に売っても良いという申し出を受けたので、僕は当然彼のペンを購入することに決めて、今日の午後それが届いたってわけさ。ペンが届いてから徹底的に使ってみた。その結果を以下に記すよ。

[ 見た目と仕上げ:評点5 ]
このペンは、大きくて重いボール箱で届いた。箱の中には素敵な布のクッションが入れてあって、そこにペンと70mlのPilot黒いインク瓶が包まれていた。最初の印象は、なかなか良かった。823が確かに良質なペンだということは、それを最初に手にとって、キャップのスクリューがほんの少しの抵抗もなくどれだけ滑らかに回るかを味わっただけで、もう明らかだと思われたよ。キャップのリングには、" CUSTOM 823 *** PIILOT MADE IN JAPAN *** " と読める文字が、ちょうどリングを一周するように彫られている。クリップは、ボール形状の末端を持ち、"PILOT" という刻印がある、シンプルな外観のもの。 軸の色は半透明の暗灰色。半透明だから、内部の真空式インク吸引機構と、一旦インクを入れた場合には内部のインク残量を、見せてくれる。

[ 寸法/重量/快適さ:評点5 ]
823の寸法とサイズの両方が僕を驚かせた。パイロット社823は、ペリカン社M800よりもおよそ1/4インチほど長くて、そのぶん重いようだけれども、筆記感まで重いというわけではないし、このペンが重すぎるという感じは全くない。僕は尻軸にキャップを挿さない時のこのペンの筆記感と寸法が好きだ。多くのペンとは違って、尻軸に挿したキャップによる余分の長さなしでも、十分な長さがあって、快適なんだ。尻軸にキャップを挿すと、823は僕の好みよりもちょっと重くて長いと感じられる。いずれにしても、尻軸にこすり傷をつけたくないから、僕はもともと机の上にキャップを置いて書くのが好きなんだけどね。

[ パイロット社 823、ペリカン社 M800、ベクスリー社 美しきアメリカ ]
この823の取り回し易さは素晴らしい。これはその部門での最高の評価に値するよ。こいつは、手にとった感じの良さにおいて僕の新しいお気に入りになった。このハンドリングの良さは、以前に僕が評点5を与えたベクスリー社の「美しきアメリカ」を打ち破るほどだ。

[ ペン先と筆記感:評点5 ]
この823のペン先は、少なくとも僕が読んだ資料によれば、Pilot社最大のペン先である15号ニブのB( 太字 ) のようだ。 みんなも知っているように、日本製万年筆の線太さは、アメリカの基準に較べると、その表示よりも大抵は細めに書ける。更に、このパイロット社823のB( 太字 )は、既に持っていたパイロット社 Vanishing Point のB( 太字 ) よりも細い線なので、最も似た線幅で書けるのは、ペリカン社M800のF( 細字 ) だ。 さて、このペン先は滑らか! それは、僕がこれまでに使ってきた万年筆たちと較べても規格外にベストなペン先の1つであることは疑いない。これまでのところ、その優雅で豊かなインク出は完璧に信頼できて、紙に歯を立てることなど全くない。このペン先は硬めだけれども、豊かな表現力も持っているから、日常の筆記やメモ取りに使うのに完璧だよ。
もし君が万年筆界でも最高の筆記具の1本を探していて、カスタマイズされたスタブペン先やイタリックペン先などを望むわけではないならば、もうそれ以上色々探さないで、Custom 823を注文していい。きっと、書く道具としてこの万年筆に失望することはあり得ないから。

[ インク吸入機構:評点5 ]
吸入機構は、現代の万年筆界の中でも特に独自性があるペンとして823が引き立つポイントだ。このペンは、真空プランジャー機構によってたらふくインクを吸入する。インクを吸入するには、尻軸のネジを外して金属製の棒とピストンを引き出すことによって軸の中のピストンを一旦引っ込める。それから、ペン先をインクに漬けたあとで、軸の後ろに向けてすばやく、尻軸キャップ/金属棒/プランジャーを押し戻す。 尻軸の金属棒が出入りする穴は気密のシールになっていて、なおかつプランジャーが壁に対して封をするので、軸内部のプランジャーを押し戻すと真空が生まれる。 押し戻されるプランジャーがその降下の最終点に達すると、そこでは軸内部の空洞径が大きくなっているのでプランジャーが壁から離れて真空の気密が破れ、それによってインクに浸されたペン先から軸内にインクが吸い込まれる。

これは本当に効率的なシステムで、ずいぶんと多量のインクを吸入できる。ピストン機構の類が軸の内側に無いから、823の場合は軸の内部の全ての空間がインク吸入に使われるわけで、僕は、一回満タンに吸入した万年筆だけで書き上げなくてはならない重大な仕事を引き受ける、なんていう場面を想像した。
そしてこの内部のプランジャーは、スポイト吸入式 Danitrio社 eyedropper万年筆 の機構にも似て、ストッパー弁としても動作する。尻軸のネジが締められると、内部のプランジャーが栓をして軸内からペン先へのインク流を完全に止めてしまう。だから飛行機旅行中に上空で気圧が下がるためにインクがあふれ出したりすることもなく、そういうことを考慮に入れると、素晴らしいオールラウンダーだと言える。そして筆記時に尻軸のネジをわずかに回せば、インクの流れはペン先へと戻され、すぐに1行目から滑らかに豊富なインクで書き始めることができる。

もし君がシェーファー社の古い 真空吸入式万年筆 と接したことがあるならば、既にこのような吸入機構の負の側面を知っているだろう。いつかは、気密部品がすり減って、真空吸入ができなくなってしまう。しかし、Stylophiles の記事で述べてあった通り、823で使われる現代の気密部品材料は、昔の真空吸入式万年筆の気密部品が見せたような故障の発生にはきっと抵抗してくれるだろう。しかしながら依然としてこの点で、823が最高に良いペンであるかどうかに関して僕は判断を保留したい。気密部品がいかれると、インクは尻軸からも漏れだすので、それは上等なシャツを台無しにすることさえできる。気密部品が漏れ始める場合に備えて、予防処置としてほんのちょっとのシリコーン油を尻軸のネジに塗っておくことを僕は検討している。そうしておけば、インクのすべてをシャツに浴びることはないだろうからね。
真空吸入機構の寿命に関する保留はあるものの、今のところこのペンは完璧に動作して、かつ大量のインクを保持でき、将来なにか1つでも問題が発生するという確信も無いので、僕は823に評点5を与えることにする。

[ 結 論 ]
この万年筆はすごいペンだと言えるから、少々価格が高いと思いつつこのペンに手を伸ばした自分の判断をうれしく思っている。このペンは大きくて、ちょっぴり魅力的で、素晴らしい筆記具だ。それにも増して、巨大なインク能力を持っていること、独自性のある真空吸入機構を持つこと、アメリカではまだ直接は購入できないので珍しいこと、が特筆される。 またインク流の停止栓を持っているので、飛行機旅行に携帯するのにも向いている。全般的に見て、これは私のトップ3本の万年筆のうちの1本で、そしてカスタマイズされていないペン先の中では特にお気に入りの1本だと言える。君が、良質で滑らかな日常使いする筆記具を手に入れたいと思っているならば、僕はパイロット823を考慮に入れるように強く勧めるよ。

----------------------- 以上 RyanL27 氏の記事 ----------------------

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