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FACE project BLOG

~朝鮮学校と私~

ある参加者の報告

2009年12月24日 22時42分58秒 | 後日談。
12月22日、京都会館で、
「朝鮮学校への攻撃を許さない!12・22緊急集会」が開催されました。
わたしたちFACEのメンバーも複数人参加しました。
会場の参加者から届けられた集会報告がとても上手にまとめられていたので、
転載させていただきます。参加できなかった方と共有したいです。

なお文中の団体名は正しくは、
・「心の教育」はいらない!市民会議
・反排外主義行動ネットワーク・関西
です。




 地下鉄を降りて会場に向かう途中、偶然、主催者の仲尾先生と出会い、いろ
いろお話もさせていただきました。会場につくと、正面に警備の警官が立ち並
び、私服もいるは、もちろん主催者の集会の防衛に当たる方もおられ、外見的
には物々しい状況でした。在特会は、こなかったようです。

 集会は、19時に始まり、まず、主催者(朝鮮学校を支える会・京滋)を代表
して、仲尾宏さんが、差別禁止がなされていない日本社会で、今日の事態が起
こっている、京都で起こった差別事件として、府も市も教委もこの問題に取り
組むべきだ。そして、私たちは日本人の問題として今回の事件を許さない、朝
鮮学校の苦難と栄光の歴史を踏まえ、在日は、地域、とりわけ日本の子どもと
の交流も深めてほしい、私たちはそれを支える。在日外国人や日本のマイノリ
ティの民族教育などの取り組みと連帯し、在特会を許さない闘いの中で、マイ
ノリティと手を取り合い考える機会にしてもらいたいと挨拶された。

集会が、日本人が主体となる団体によって主催されたことの意義は大きいと思
います。


 つぎに、民族教育を少しでも理解するために、「ウリ(私たち)の学校」が上
映され、朝鮮学校の日常が描かれ、生徒たちの明るい笑顔が、印象に残るもの
でした。そして、今回の12.4在特会の襲撃の場面のビデオが5分程度流さ
れましたが、口汚い彼らの怒号、差別発言の連発は、ネット上で何度か観まし
たが、改めてこの会場で観て、怒りがわき、これが子どもたちに浴びせられた
と思うと、悲しくなるものでした。

 そして、京都朝鮮第一初級学校の校長先生が、詳しい事実経過などを話され
た。
 在特会がやってくることは、11/21に朝鮮総連京都府本部に来た際、彼らが来
月行くぞと予告していたため、教員・保護者で体制を取り、警察にも要請し、
地元町内会にも説明していたが、4日に南区の区長に要請に行ったその日にく
るとは思わなかった。生徒がいる中で、あんなことを1時間にわたってされた
ことに怒りでいっぱいだ、自分も対応していて、怒りで手が震えた。しかし、
みんな冷静に対応し、挑発に乗らなかったこと、よく我慢してくれたことに感
謝する。
 これまで、チョゴリの切り裂き事件など相次いであったが、これらは犯人は
、隠れてやっているが、在特会については、白昼、集団で明確な意図を持って
やっていること、そして、大人に対してではなく、子どもに向かって学校へや
ってくきたことが許せない。公園の使用については、町内会と協議し町内会長
の提案もあり、以前から使用させてもらっている、市にも理解を得ている。今
回、高速道路建設工事に伴い、公園遊具の撤去などもあり、狭くなってきて、
地域の子どもの遊び場の確保のことで、町内会とも協議する予定になっていた
矢先に彼らが来た。決して不法占拠ではない。
 在特会は、市公園管理課の使用許可を得て集会をしたというがまったくのウ
ソ。ちょっと電話通告した程度で、マイク使用も許可されていない。
「学校教育法上の学校じゃない」と在特会は言うが、学校教育法上の各種学校
である。(文科省が法第1条の学校と認めないことは重大な問題であり、これが
在特会のような連中に口実を与えているが。)
 不安は、子どもたちの心の問題だ。少し時間も経過し落ち着いてきているが
。今回の事件後、無関係の人が学校をのぞきに来る、これも不安なことだ。
 来年また来ると在特会は予告している。これに対処することが課題だ。警察
への要請、子どもの安全対策、保護者による警備等々。今回の事件で刑事告訴
し、昨日受理された。弁護士会への人権救済の要請、国連への訴えなどやって
いきたい。激励の手紙が毎日何通も、世界から来ている。これを子どもに見せ
気持ちを伝えていきたい。
 民族教育は、在日の子どもが、朝鮮人としてアイデンティティを持って生き
ていくために欠かせないものだ。今後のしっかり民族教育を続けていきたい。

 続いて、アボジ会会長が、60年前の阪神教育闘争当時と変わらない排外主
義に怒りがわく、子どもを学校に通わすという当たり前のことに、大変なエネ
ルギーを費やす。こんなことされたら転校させようかという思いが出てきそう
だが、普通にこれからも通わせる。「在日でもがんばったら認められる」とい
うが、これは、生まれながらに、スタートラインが後ろにあるようなものだ、
それが当たり前だと錯覚させられる社会だ、しかし、そうではなく、一人ひと
りの尊厳を守り教えてくれるのが学校だ。学校は、尊厳を守れるところだ。ま
た、学校を守ることが、私たちを守ることだ。
 ある日本の方の言葉、「朝鮮人が生きやすい社会が、日本人も生きやすい社
会だ」。そのためにがんばりたい。

 次に、海外に滞在するため参加できなかった同志社大学の教員からの、「私
の友人に手を出すな!」というメッセージが紹介された。

 さらに、オモニ会の保護者の発言が続いた。「警備が厳しいこんな集会に子
どもをつれて来れない保護者がいる。学校では、今も保護者らで警備をしてい
る。休み時間に外であそべない状況がある。子どもの学ぶ権利を。」「37年
間生きてきたが、こんな腹立たしいことはない。日本人がこんなことをすると
は教えたくない。ともに地域で暮らしたい。ウリハッキョを守ってください。

 オモニ会会長は、無抵抗な子どもに対する攻撃は許せない、振り上げたこぶ
しは、さらに高く上げるが、子どもには、人に優しい人として育てたいと。

 在日韓国青年同盟京都・副委員長は、自分は日本の学校で学んだ、ウリマル(
母国語=朝鮮語)で話す今の朝鮮学校の子どもたちがうらやましいくらいだ。在
特会は、子どもを攻撃し卑怯だ。「在日特権」を許さないというが、ほんとに
特権のある米軍や日本の支配層などをなぜ問題にしないのか。勇気も正義も理
想もない人たちだ。彼らを暴力でとめることはできない、また、見過ごすこと
もできない。やはり、日本人朝鮮人が手を取り合って理解し合い、学校を守っ
ていく、そこから社会を変えたい。

 そのあと、日本人側からの発言として、
 日朝友好京都ネットの方が、今回のことがあり、自分たちの運動も質的変化
をせざるを得ない。個人的に、京田辺市で「慰安婦」問題について市議会決議
をあげた際も、在特会は来た。ほんとに許せない。第一朝鮮学校の子どもたち
とは、田植えや稲刈りを交流としてやってきているが、今回のことは、ほんと
に許せない。

 東アジアの平和と朝鮮半島の自主的平和統一を目指す京都ヒューマンネット
の方は、在特会は、日本の支配層の別働隊だ、学校を支えていくとともに、在
日の諸々の権利についてともに闘いたい。戦争へ向かう日本社会において闘う
中で、在特会に対する闘いも行なっていく。

 朝鮮学校と交流する学生のネットワークであるFACE projectの方は、一昨年
の朝鮮学校弾圧以後に運動を始めたもので、事件後学校を激励した。今回のこ
とは許せないが、私たちの無関心さなどが、在特会を生み出すのではないかと


 「心の教育」を許さない!市民会議の方は、汚い日本語を聞いて日本語を話
すのがいやになる、在特会の言葉は戦争中の日本軍兵士のようではないか、実
際に聞いたことはないが。日の丸君が代問題などを闘ってきたが、12.4の
事件について、自分たちも何かいうべきだと思い、声明を出した。日本人が日
本社会において生んだ在特会に対して、日本人が行動すべきだ、在特会はもう
一人の私だと思う。

 当日会場防衛に当たっていた、排外主義と闘うネットワーク関西の方は、1
2.4事件は、子どもに対する暴力であり許さない。4月に蕨市においてカル
デロンさんの家に向かってデモした在特会、こんな集団を許してはならない。
京都・大阪でも差別主義・排外主義を扇動するデモをやっている。こんな連中
にデモをやらしてはならない。どのように包囲していくのか、社会的に封じ込
めていく必要がある。

 多くの発言者があったが、最後に、集会決議を大きく長く続く拍手で採択し
、学校を守り抜くぞとシュプレヒコールをして、集会が閉じられた。
 予定は、9時終了だったと思いますが、時間の長さを感じさせず、熱気あふ
れる集会は、9時20分に終了。
なお、参加者は600人で会場満杯、立ち見の方も多かったです。カンパは実
に23万円を超えた。

 私は、一昨年の滋賀朝鮮学校への大阪府警弾圧を思い起こしながら、参加し
ていたが、今回も、在日の差別に対する怒りと、民族教育を守り抜いている闘
いに感動させられ、さらに、日本人が、緊急集会を成功させ、今後の在特会の
攻撃に対する陣形と、日本社会にある排外主義を打ち破る展望が確信できた。
反省するべきは、今回の事態で自分がどれだけ動けたかである。
 また、警察の警備については、彼らの職務として責任ある対応を求めるが、
一方で私たちは、滋賀朝鮮学校であったように、警察権力が在日や私たちを監
視・弾圧する隙を狙っていることも忘れてはならないと感じた。



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