『悪魔たち、天使たち』
(Steal Big, Steal Little アンドリュー・デイビス監督 1995 アメリカ)
*ネタバレ、ややあり、かも・・・
「馬の耳に粘土!」と叫ぶタカさんの声が耳に残る・・・(笑)ブラボー、タカ!!
『メジャーリーグ2』でハリウッドデビューを果たした石橋貴明が、監督直々のご指名を受けて(とビデオパッケージには書いてあった)出演した作品です。
当時、たしか生ダラで、撮影現場の密着をしていたのを見たおぼえがあります。
終盤のパーティのシーンだったかな?英語のセリフに苦労するタカさんの姿とか、がんばっていっぱいしゃべったのに、シーンが本編ではカットされていた…とか。
ところで、この作品は劇場公開されたのかな?もしそうだとしたら、それはひとえにタカさん出演のおかげでしょう。それがなければ、ここまでアメリカ的な内容は、おそらく日本ではビデオ発売どまりだったと思います。
それに、『メジャーリーグ2』のノリを期待して観た日本のお客さんは、失望したかもしれません。
が、しかし。
これは、おもしろい作品です。
タカさん目当て、特に期待もなく見始めたわたしの思惑は、いい意味で裏切られました。
ルーベンとロビーの双子を、アンディ・ガルシアがひとり二役で演じています。
幼い頃、大富豪のモナに拾われた孤児のルーベンとロビー。モナの離婚によってふたりは別々に育つ。弟ルーベンはモナの性格を継ぎ、心優しく自由で寛容。一方兄のロビーは傲慢で見栄っ張り、成金趣味のイヤな奴。
ある日、モナが死んでしまう。彼女の遺言により、莫大な財産がルーベンひとりに残される。兄に財産を半分ずつ分けようと提案するが、強欲な兄はそれを拒否。ひとりじめするため、あらゆる手をつかってルーベンを破滅させようとする。そこへシカゴの元警官で中古車ディーラーのアラン・アーキンや、弁護士のジョー・パントリアーノらも入り乱れ、ロビーとの知能合戦が始まる・・・
・・・という物語。
法律の悪用、判事や保安官の買収、国税局の介入、最後には家族愛の大切さを訴える---とならべてしまうと、アメリカ映画にありがちといえばありがちな話に聞こえます。
それが、ありがちに陥っていない理由は、まず役者たちのすばらしさ。
アラン・アーキンが真面目な顔で演じるコメディ演技がとてもいいです。彼にはほんと笑わせられました。
また、優柔不断な弁護士エディ役のジョー・パントリアーノはすばらしい!途中で髪の毛を全部剃っちゃう理由がよーわからんのだけど、マーロン・ブランド風にしたかったのでしょうか。彼は同じアンドリュー・デイビス監督の『逃亡者』にも出ているみたい。そう言われればいましたね、トミー・リー・ジョーンズの部下の中に。いや~いいわ、この人。
その他脇役たちも、名前がわからないけどよく見る名優ぞろい、女優陣も熟女たちのシブイ演技が冴える。
主演のアンディ・ガルシアは、あまり好きな俳優ではなかったのだけど、この作品でちょっと見直しました。いつ見ても表情がなくて、すましちゃって、つまらないなあ~と思っていたら、本作ではとてものびのびと二役を演じています。
いや~しかし映像技術の進歩って、すごいねえ(いまさら?)。『燃えよドラゴン』の鏡の間意識か?と思わせるような場面も、良いし。
そりゃま、辛いことを言えば、結局(白人の)あんたが英雄で終わるのかい?とつっこめなくもないけれども、まあそうカタイこと言わんと。
アンディ・ガルシアはキューバ音楽への造詣が深いらしく、そういう素の面を映画で出せたのが楽しかったのかもしれません。
ラテンといえば、この映画のもうひとつの見どころは、舞台がカリフォルニアのサンタバーバラであること。リゾート地として有名なサンタバーバラのもうひとつの顔、移民や貧困の問題を中心にすえながら、ラテン音楽が全編に流れ、政治色を適度にうすめて、明るい娯楽作品になっています。CinemaScapeでレビュアーが書いているように、最後まで血が流れないのも良かったと思います。ラストの気球アクションも、なかなかみごたえあり。
さて、われらがタカさんは、「ヨシ・タカムラ」という高村興業のドラ息子、という役。冒頭にいきなり出てくるので、ドッキリします(笑)。しかもふつうに日本語しゃべってるので、またまた拍手です!
『メジャーリーグ2』を劇場で観た時は、「タカちゃん、やってくれた!さすが、エライよ!!」と拍手喝采でしたからねえ。どうせなら『悪魔たち、天使たち』も全部日本語でやってもらいたかったな。デイビス監督、指名したんなら、その辺も工夫してほしかったっすよ~!
しかし、ハリウッドの名優たちに囲まれても、画的にぜんぜん負けてないのは、すごい。背が高いというアドバンテージもあるけど、やっぱりタカさんのルックスが、従来の日本人のステレオタイプにはまってないのが、ポイント高いでしょう!
ちなみにIMDb(The Internet Movie Datebase)ではタカさん、「ヒデオ・ノモの友だち」と紹介されているんですね(笑)
(Steal Big, Steal Little アンドリュー・デイビス監督 1995 アメリカ)
*ネタバレ、ややあり、かも・・・
「馬の耳に粘土!」と叫ぶタカさんの声が耳に残る・・・(笑)ブラボー、タカ!!
『メジャーリーグ2』でハリウッドデビューを果たした石橋貴明が、監督直々のご指名を受けて(とビデオパッケージには書いてあった)出演した作品です。
当時、たしか生ダラで、撮影現場の密着をしていたのを見たおぼえがあります。
終盤のパーティのシーンだったかな?英語のセリフに苦労するタカさんの姿とか、がんばっていっぱいしゃべったのに、シーンが本編ではカットされていた…とか。
ところで、この作品は劇場公開されたのかな?もしそうだとしたら、それはひとえにタカさん出演のおかげでしょう。それがなければ、ここまでアメリカ的な内容は、おそらく日本ではビデオ発売どまりだったと思います。
それに、『メジャーリーグ2』のノリを期待して観た日本のお客さんは、失望したかもしれません。
が、しかし。
これは、おもしろい作品です。
タカさん目当て、特に期待もなく見始めたわたしの思惑は、いい意味で裏切られました。
ルーベンとロビーの双子を、アンディ・ガルシアがひとり二役で演じています。
幼い頃、大富豪のモナに拾われた孤児のルーベンとロビー。モナの離婚によってふたりは別々に育つ。弟ルーベンはモナの性格を継ぎ、心優しく自由で寛容。一方兄のロビーは傲慢で見栄っ張り、成金趣味のイヤな奴。
ある日、モナが死んでしまう。彼女の遺言により、莫大な財産がルーベンひとりに残される。兄に財産を半分ずつ分けようと提案するが、強欲な兄はそれを拒否。ひとりじめするため、あらゆる手をつかってルーベンを破滅させようとする。そこへシカゴの元警官で中古車ディーラーのアラン・アーキンや、弁護士のジョー・パントリアーノらも入り乱れ、ロビーとの知能合戦が始まる・・・
・・・という物語。
法律の悪用、判事や保安官の買収、国税局の介入、最後には家族愛の大切さを訴える---とならべてしまうと、アメリカ映画にありがちといえばありがちな話に聞こえます。
それが、ありがちに陥っていない理由は、まず役者たちのすばらしさ。
アラン・アーキンが真面目な顔で演じるコメディ演技がとてもいいです。彼にはほんと笑わせられました。
また、優柔不断な弁護士エディ役のジョー・パントリアーノはすばらしい!途中で髪の毛を全部剃っちゃう理由がよーわからんのだけど、マーロン・ブランド風にしたかったのでしょうか。彼は同じアンドリュー・デイビス監督の『逃亡者』にも出ているみたい。そう言われればいましたね、トミー・リー・ジョーンズの部下の中に。いや~いいわ、この人。
その他脇役たちも、名前がわからないけどよく見る名優ぞろい、女優陣も熟女たちのシブイ演技が冴える。
主演のアンディ・ガルシアは、あまり好きな俳優ではなかったのだけど、この作品でちょっと見直しました。いつ見ても表情がなくて、すましちゃって、つまらないなあ~と思っていたら、本作ではとてものびのびと二役を演じています。
いや~しかし映像技術の進歩って、すごいねえ(いまさら?)。『燃えよドラゴン』の鏡の間意識か?と思わせるような場面も、良いし。
そりゃま、辛いことを言えば、結局(白人の)あんたが英雄で終わるのかい?とつっこめなくもないけれども、まあそうカタイこと言わんと。
アンディ・ガルシアはキューバ音楽への造詣が深いらしく、そういう素の面を映画で出せたのが楽しかったのかもしれません。
ラテンといえば、この映画のもうひとつの見どころは、舞台がカリフォルニアのサンタバーバラであること。リゾート地として有名なサンタバーバラのもうひとつの顔、移民や貧困の問題を中心にすえながら、ラテン音楽が全編に流れ、政治色を適度にうすめて、明るい娯楽作品になっています。CinemaScapeでレビュアーが書いているように、最後まで血が流れないのも良かったと思います。ラストの気球アクションも、なかなかみごたえあり。
さて、われらがタカさんは、「ヨシ・タカムラ」という高村興業のドラ息子、という役。冒頭にいきなり出てくるので、ドッキリします(笑)。しかもふつうに日本語しゃべってるので、またまた拍手です!
『メジャーリーグ2』を劇場で観た時は、「タカちゃん、やってくれた!さすが、エライよ!!」と拍手喝采でしたからねえ。どうせなら『悪魔たち、天使たち』も全部日本語でやってもらいたかったな。デイビス監督、指名したんなら、その辺も工夫してほしかったっすよ~!
しかし、ハリウッドの名優たちに囲まれても、画的にぜんぜん負けてないのは、すごい。背が高いというアドバンテージもあるけど、やっぱりタカさんのルックスが、従来の日本人のステレオタイプにはまってないのが、ポイント高いでしょう!
ちなみにIMDb(The Internet Movie Datebase)ではタカさん、「ヒデオ・ノモの友だち」と紹介されているんですね(笑)
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