とんねるず主義+

クラシック喜劇研究家/バディ映画愛好家/ライターの いいをじゅんこのブログ 

インタビュー「とんねるず的日常」

2006年10月17日 00時35分46秒 | とんねるずの言葉
スペシャルインタビュー「石橋貴明&木梨憲武『とんねるず的日常』」(「宝島」1992年8月9日号)より抜粋(順序が前後している箇所もあります)。
アルバム『がむしゃら』をリリースした頃です。

<石橋貴明的日常>より
石橋貴明31歳。とんねるずのリーダーであり、プロデューサー的存在である。彼はとんねるずの現在の状況をどう考えているのだろうか!?まずはレギュラー番組である『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』(日本テレビ)から聞いてみた。

---『生ダラ』は数字(視聴率)的にはまあまあですけど、まだ自分のやりたい方向で進んではいないですね。単純に俺なんか数字をすごく気にする方だから、やっぱ20%越えてナンボだっていうところがありますから。・・・・・・

---視聴率ってピッチャーでいうと防御率みたいなもんですからね。その数字で来年の契約更改に持ち込むわけですから。たまにタレントさんで、自分の面白いことやってればいいんだみたいなこと言ってる人いるけど、それでいいのかなって。TVってゴールデン・タイムで数字とってナンボという世界だと思うんです。・・・例えば自分達が個人的にやって楽しいからとか、一部の人間が評価するっていうんだったら、深夜とか地方のローカル番組作ればいいってことになりますからね。やっぱ全国ネットでゴールデンだと数字とらなきゃどうしようもないと思いますよ。・・・・・・

石橋はTV番組という枠を考える時、ゴールデンタイムという時間帯にこだわりを持っている。

---やっぱり番組やるんだったら俺はゴールデンタイムで勝負したいね。だって、深夜のカルト的人気の番組でよかったら、すごい面白いのを作れる自信あるもん。いろいろな規制もゆるくなるわけでしょ。たとえば自分と同世代の昭和36年前後に生まれたやつだけを対象にした番組とか。そんなの作ったらすごい面白いと思うよ。それでワンクールならワンクールってキッチリ切って、ワンクールだけ一生懸命やれば。
 でも俺、芸能界って"持続が力"だと思うんだ。・・・ウワーッすごい番組だって言うけど「じゃあそれを何年かやってみて!?」って俺は言いたいよ!!「何年かやって数字出してけよ」って。それで、ずーっとやってたら俺は認めるけど、俺達の仕事ってワンクールじゃないからね。どれだけ持続していけるかだからね。まあ飽きちゃうとやめちゃうんだけどね(笑)。

---でも実は深夜でワンクールだけの番組とかやろうかなって考えているんだ。自分の気もちと、まあ一人じゃできないから、スタッフとか時間枠とかすべてマッチすればやりたいなって。深夜枠とかで30分位だったら、ホントそれなりの面白い番組できると思うもん。

---よく言ってたんだけどさ、TV埼玉で木曜9時にやろうって。「みなさんのおかげです」やってる裏で、TV埼玉を見てる埼玉県人のための番組。その番組で、どれだけ「みなおか」を切りくずせるかって。TV埼玉が映らない人は、埼玉に住んでる友だちに「ビデオとっといてくれ」とかなったら面白いかなって。ヘンな話に絞り込んだら、絶対に負けない番組を作れるって自信があるね。・・・・・・

---今年31になるんだけど、自分が20代前半の時、30歳の人見るとすごく大人に見えたよね。でも実際自分がなってみると、そんなこと全然ないんだよね。まだ23の時に『オールナイトフジ』に初めてレギュラーで出させてもらった時の感覚と全然変わってないんだよ。色んな物を買えるだけのお金をもらうようになったけど、何なのっていう位変わってないんだよ、ホントに。・・・・・・

---今年は夏にライブツアーをやるでしょう。それから、何かスゲェ頭に来ることがあったら、もう一本レギュラー番組を持つと思う。俺、何か新しいことをやる時って、何でもいいから頭にきた時なの。よし、もう一本やってやらあ、バカヤロー!!って。怒りがエネルギーになるんだよ。・・・オリンピックの年だから、これから何かあるかもね。俺達って、オリンピックのある年に必ず何かあるのよ。・・・・・・

---"1990年代にとんねるずあり"って。それで"20世紀最後のタレントだった"って。カッコよく終わるつもりではいるんだけど、見てるやつらはみんな笑ってるみたいな。"こいつらバカだねー"みたいなね。それがいいんじゃないかなあって・・・。



<木梨憲武的日常>より

---(「おかげです」を90年にお休み後、再開したことについて)ふたまわりめに入ってるでしょう。・・・"だいたいこんなもの"と、テレビ見てる人も、番組作ってる僕らも、そういう感じになってると思う。ただ、"ふたまわりめ"だからって完全に繰り返しじゃしょうがない。かといって、"ひとまわりめ"でやったことを、もうやったからやらない、というわけではないです。"ひとまわりめ"のいいところだけ…言葉にするとなんか…あんまり話したことないんだけど、面白いものだけをやっていく。レベルを上げていこうと。だけどあまり突拍子もないことをやりすぎて、みんなが追いつけなくなると困るから、こう、様子みながらとかね。

---あんまりね、あんまり考えないんだけど、俺を見る側の人、自分の親友(石橋貴明)とか、フミヤとか、芸能人以外の何でもない普通の友だちの目ね、あの辺、結構厳しいんでね。・・・最近言われた言葉でよくおぼえてるのは、「なんかつまんないことやってくれよ、くだらないことやってくれよ」っていうの。・・・何ていうか、ニュアンスがむずかしいんだけど、見てる側が「これだったら、俺の方が面白いよ」っていうようなことをやってくれよって。それって高度な言い方なんだよね。ホントーにつまんないことやったら、本当につまらなくなっちゃうわけだから。夜中にね、そんな話されて、「いやあ、いいところをつくねえ、キミは」って(笑)。・・・・・・

---今は、頑張ってるんだけど、ガツガツやっちゃうより、少し様子見ながら変なモノを探そうと。・・・そうやってやっていく間に、ヘンな枠がまわりにできちゃったら、ブスブスと穴をあけていくと。そのためには、石橋貴明が大まかなコトを考える担当ですから、そっちを目指しながらブスブスと違う方向へ行くと。・・・別に担当を考えてこうしてるわけじゃないんですけど、でもこのやり方で、ちゃんと正解が出てるんですよ。このシステムが俺らにとってベストだって決めちゃってるわけじゃなく、今まではこうだったけどこれからは、また、どうなっていくかわからないけど。

---石橋貴明は信頼してますよ。全然衰えない。もう長いですからね、友だちとしてつきあってるのか、最高の仕事仲間としてつきあってるのか、うーん、どうなんだろうね。区別が難しいんだよねえ。高校の時から思いきり一緒にいて遊んだわけでもないし。仕事が終わって、スタッフ全員でわいわいがやがやごはん行って、さて、その後どうしようって時に、俺と貴明が「じゃ二人で」って飲みに行ったら、ちょっと気持ち悪いっていうか。「ちょっと事務所の今年のギャラ決めなきゃ」っていう時は話すよ、そりゃあ(笑)。ただ、少なくとも、そろそろ、お互い別れて一人ずつやっていこうなんてのも、ないんですよ。「俺にこういう話が来たんだけど、どうしよう」って言われれば、「あ、やれば」と。気持ちよく乗っかれそうな話が来れば「いって来ます」「行ってらっしゃい」って。本体がある限りは、何やっても、失敗しても、「はい、ただいま」って。・・・・・・

---俺、60歳くらいで、女の格好できたらいいなと思うのね、現役でね。じじいの格好になる時、今はメイクするけど、そのままでよくなる時がくるのかなあ。年とってから高校生の格好した時にさ、見てる側がかわいそうと思っちゃうパターンと、おもしれえってパターンがあるでしょう。かわいそうって思われるならやりたくない気もする。

---でもあれだね、志村けんさんとかさあ、どんな格好したって、かわいそうとは思わないよね。カッコイイよ。・・・それから、植木等さん。もう、あの人しかいない感じがするよね。映画の中じゃなくても、音楽やってる時もね。あんな、笑いながら歌って説得力があって、詞が伝わって、気持ちよくさせることができるのって、あの人しかいないじゃない。あんな歌い方、他のどんなミュージシャンもできないよ。

---あの時もそう思ったなあ、武道館の歌謡大賞の時。俺らはどーでもよくて、なんか賞くれるってから行ったんだけど、植木さんが特別賞もらって、あのでかい武道館で、あの雰囲気で。もう、スマップのファンだろうがなんだろうが、植木さん出てきただけで、みんな喜んじゃってんですよ。あれは、一番いいですよ。俺らもね、そっちの方向に行きたい。非常に近い、行きやすい場所にいながら、なかなか行けないっていう。まだまだですね。たぶんね、あの人もそっちの方向に行きたいと思ってると思うんだ、カールスモーキー石井さんも。俺、会いたいんですよ。

---現役を感じさせる人がいいですね。人として。現役の方がねえ、楽しいですよ、きっと。こんな話あまりしたくないけど、年をとった時の顔でさあ、「まだイッちゃってるねこの人」ってのと「もうダメだねこの人」ってのは、わかっちゃうでしょ、意外にね。「イッてるねえ、このおやじ」っていうのが一番だね。

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