ネット長屋の内弁慶

当ブログへようこそ。実生活では小心者の私ですが、ネットの上では少しだけ強気にコメントしています。どうぞよろしく。

アジサイのメッセージ

2005-06-17 23:44:43 | 漫画アニメ独り言

※今日の一枚:雨模様の夕方、磐越西線咲花駅に進入するSLばんえつ物語号。今や磐西のスターとして欠かせない存在である。近所の住民や温泉宿の客もSLを見ようとホームに集まる。SLのヘッドマークは数年前から月ごとにデザインを変えるようになった。6月はアジサイがSLの先頭を彩る。



 今年は例年に比べ梅雨入りが遅れているようですが、それでもここ一週間ほどで九州から東北南部までが順次梅雨に入りました。といっても西日本を中心に「空梅雨」模様で、まとまった降雨を期待できないという予報もあります。その一方で沖縄では記録的な大雨が続き、農作物や交通機関への被害が懸念されています。
 梅雨は湿度が高くなり不快感が増すだけでなく、カビや食中毒の対策に追われる厄介な時期でもありますが、適度な雨のおかげで農作物が成長し、さらに水源地が潤うという一面もあります。梅雨は生活を支え、季節にアクセントを添える大事な時期とも言えそうですが、度を過ぎた大雨は勘弁してほしいものです。

 梅雨を迎え、各地でアジサイの花便りが聞かれるようになりました。今日の新聞にもアジサイに関する記事が載っていました。アジサイの花に含まれているアントシアニンという色素は本来赤い色だそうですが、アルミニウムと結びついて青く変化するそうです。アジサイが植えられた土壌が酸性だと、土中に含まれるアルミニウムが溶け出して根から吸収されやすくなり、花の色素と結びついて青い花になるといいます。カリウムや硫酸アルミニウムといった肥料は花を青く色づかせ、窒素肥料は赤く色づかせると、新聞に書いてありました。

 過去に「アジサイの色変化」を殺人事件の謎解きに使った漫画がありました。今から十年前、週刊少年ジャンプに連載されていた「人形(からくり)草子 あやつり左近(原作・写楽麿(シャラクマーロー)、作画・小畑健)」の一つのエピソードで、花の色をヒントに被害者の遺体を土中から発見するという話でした。
(WOWOWでアニメ化されていたとは知らなかった。「信州百狐血雨地獄」にアジサイが種明かしで登場)

 若き天才的人形遣い・橘左近は招待先の旧家・秋月家で事件に巻き込まれます。前年に家宝の名刀「村正(百狐)」を持ち出して家出したまま行方不明の長男・恭一、恭一の失踪直後から村で頻発する辻斬り、そして左近が来訪した晩に殺された秋月家当主・宗史郎。村では「辻斬りは恭一の仕業」と噂され、秋月家には恭一を名乗り「親父を斬った」と打ち明ける電話もかかってきました(この電話、実は真犯人が携帯電話を使って仕掛けた巧妙なトリック)。しかし宗史郎の遺体が発見された状況や、恭一犯人説に疑問を抱いた左近は、兄の無実を信じて疑わない秋月家の末娘・四帆に「必ず真犯人を見つける」と約束します。
 左近は「村正」の焼入れで犠牲となった百匹の狐を供養する「百狐(びゃっこ)神社」の境内で、血の色のごとく咲き誇るアジサイの中に青い花を見つけます。「今まで青い花は見たことがない」という村人の証言から、左近はアジサイの近くの土壌が何らかの理由で変化したと考え、真犯人をおびき出すべく芝居を打ちます。

 ある晩、左近は秋月家の一室で、家族全員と長女の婚約者、古美術商で秋月家と親しい沖克己、そして村の巡査が見守る中、あやつり人形の「右近」に宗史郎と恭一の霊を憑依させました。
(実際には憑依などなく、声色を使った左近の腹話術である。左近は来訪初日に宗史郎と実際に言葉を交わしており、恭一の声は四帆が見ていた過去の恭一のビデオから覚えた)
 この時点で左近は、恭一が既に殺されたと断定し「右近に憑依した恭一」に「ここはどこだ、暗くて冷たい、花の香りがする」と「告白」させます(これも左近の芝居)。しかし周囲は芝居だと思わず、ある者は狼狽し、ある者は「くだらん、インチキだ!」と怒り出します。左近は「この中に真犯人がいれば、アジサイの根元に埋められた恭一の遺体を別の場所へ移すはず」と睨み、四帆と共に神社へ先回りします。左近の目論見どおり真犯人は神社に現れ、アジサイの根元を掘り返したところへ左近が声をかけ、謎を解き明かします。

 アジサイの根元にはアルミニウム製のトランクが埋められており、その中には変わり果てた恭一の姿がありました。恭一は真犯人に唆され、村正を持ち出した直後に口封じのため殺されていたのです。そして遺体が詰められたトランクを神社の境内に埋めたのですが、土壌が酸性だったためかアルミニウムが溶け出し、赤いアジサイの色が青く変わったようです。どんな悪事もお天道様、いやアジサイ様はお見通しでした。

最新の画像もっと見る