今日の料理(こだわりがないのがこだわり)

フードリテラシーに沿いつつも、なるべく夢のある料理や飲食をジャンル・国境・時代・時間をボーダレスに越えて書いています。

おでん

2010年01月13日 | 飲食業
以前、おでん屋をやっていたことがある。
昔、実家で店をやっていた時、両親が交互に入院して、
父の再度の入院の時、母が「焼き鳥を辞めおでんをやりたい」と言い出した。
母がイメージしていたのは家で作るグツグツとしたおでんだった。

とにかく食べ歩いて、プロの味を理解した後、
おでんルポライターの新井○己などのおでんに関する本を自腹で6冊揃えた。素材を揃え試作を作る前日なって母が「無理」と言い出した。[m:78]
自分は、徹夜で本6冊を読んで、共通して書かれている事を抜粋していったり、使えそうなネタに線を引いた。

で、そこで得た一番の事は

「薩摩揚げなどの練り物系は、ぐつぐつ煮立たせると、スープに油が出てきてしまい、練り物もブカブカになってしまう」という事だった。
では、どうしたらいいのだろうか?と考えたところ、きっと煮立つか煮立たないかの火加減で、「炊く」というイメージではないだろうかと考えた。

更に2日目の徹夜をして、ダシの比率やスープを決め、「炊く」イメージで火を入れてみたら、結果、それが正解だった。
因みに卵やこんにゃくなど、味の染み辛い食材は別鍋に入れ強火で煮て、炊いてる寸胴と同じ時間帯に仕上がる様した。

結果出来上がった試作は、銀座の○平をほんの少しだけ下回るくらいの味になった。(材料も、帆立や骨付き鳥モモなど、良い物を入れたからだ、有名なラーメン店の食べ歩き百軒以上やっていたことも、スープを決める時に役立った。)

ここ4・5年は、ブイヤベース風やスープ風のおでんが虎ノ門・西新橋辺りでも出てきているがその2・3年前だった。

*「巾着」も、自分独特のもの凄い味が染み込む方法にした。

しかし自分達には10年近く続けた「焼き鳥」を辞める勇気がなかった。
結局、焼き鳥の仕込みにおでんの仕込みが増えてお客様の選択肢が増え注文がバラツイテしまった。
その日残ったりすると、翌日スープは濁るし、壊れ易い大根、ブカブカになった薩摩揚げ系、翌々日の味のコントロールが凄く難しかった。
(それはプロの人みんなが言っいることだ。)

今だったら、こうやるんだけれどなって案はあるが。


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