えんたんと読書

2015年開設。メーカー営業女子の日頃読んだ本や読書に関係したコラムなど日々綴っています。

スタンフォードの自分を変える教室 ケリーマクゴニガル

2017-10-23 06:12:08 | 自然科学


ダイエットしたいけどつい誘惑に負けて食べてしまう、
明日テストがあるけどなかなか手をつけられない。
そんなときに何が起こっているのか?について述べている本です。

本書はそれらを「意思力」という言葉を使い、
「やる力」「やらない力」に分けて誘惑に負けるメカニズムを解明していく本です。

とりわけ面白かったのは、【人は未来の実力を課題評価する】
というものでした。
例えば、今忙しくても、一週間後は時間に余裕があるだろうと見積もってしまうことがある。実際一週間経ったら依然忙しいままだった、ということがある。
今日仕事が終わらないけど明日の朝早起きしてやろう、と思っても実際次の日早起き出来なかった、ということもそうだろう。
じぶんが思っているより未来の自分は有能ではないと思って行動すると、先延ばし癖が少し良くなるかもしれない。


この本はメカニズムを紹介しているので、解決策に対しては述べていない様に感じましたが
そこは自分で解決しなければならないのかもしれませんね。

とはいえ、自分に何が起こっているのかを認識することは
誘惑に負けないことへの一歩になるのかもしれません。

水滸伝 九 嵐水の章 北方謙三

2017-10-09 20:20:39 | 水滸伝
強がりより、正直さの方が、よほど強く兵の心を掴む。

雇家荘での戦闘が終わり、梁山泊と官軍の最終決戦がスタートし始めるのが本章。
本巻の見どころは2つ。

水滸伝随一の女武将である顧三娘がついに梁山泊軍へ合流!

戦闘を放棄して妻の元へ向かった林冲の処断はいかに!?



林冲の処断は何とも難しい話ですよね。
本来なら死罪に処するべき行動を起こしているけど
組織にとっては居なくてはならない人間。
切らないと軍律が乱れてしまうし。

結局、林冲は軽い刑を科されて終わりました。

官軍が林冲暗殺のために奥さんを囮におびき出したので
そのまま死罪にしてしまうと敵の思惑とおりになってしまうと考えたんでしょうね。

人が、人を裁くって難しいですね~。

「はたらき方改革」まるわかり 北岡大介

2017-10-01 23:19:35 | 書評
2017年秋、臨時国会にて
「働き方改革実行計画」の議決がなされることになっています。

それに先駆けて、労働基準監督署出身の著者が、
現在の労働基準がどうなっているか?どうなっていくのか?問題点として何が挙がってくるのか?
を解説してくれている本です。

たとえばフレックスタイム制は最近メジャーなものになりましたが
細かい規制は、われわれ労働者は知らないのではないでしょうか。

・過不足分をいつまで保持できるのか?
→現在1か月が最長だが、3か月に伸ばす法案がが出ている
・どんな人が取れるのか?
→誰でも取れるわけではなく、時間の裁量権があるかを会社が判断しなければならない
・怠惰な勤務を助長する可能性があるのではないか?
→それぞれの会社で取り決めをつくらなければならない

などなど、簡単なようで制約や問題点が多々あるみたいです。

昨今、過労が問題視されているので、この「はたらき方改革」が未来にどのように効果を発揮していくのか興味津々です。


まぁ、私の見解としては
「過労によるうつ」とされている問題は解決するかどうかは疑問ですけれどね。

昨年の電通の女の子の自殺事件を見る限り
先に規制すべきは「労働時間」ではなく「パワハラ」だと思っています。

「労働時間」を規制した結果「パワハラ」もなくなっていくことを願うばかりです。