「三嶋神社」という文字を見て、何故か急に 樋口一葉の「たけくらべ」を思い出しました。「たけくらべ」で何となく浮かぶのが水仙の花でしたが、その本は多分中学生になってから関心を持ち、分からない所は適当に飛ばしてよく理解出来ないまま読んでしまったのだと思います。 映画にもなり観に行ったので、(その時の映画は五所平之助監督で美空ひばりと北原隆が主演でした。) もしかすると本の内容より映画の印象で、強く心に残っているのかも知れません。 その頃、「廻れば大門の見返り柳いと長けれど、お齒ぐろ溝に燈火うつる三階の騷ぎも手に取る如く…」と始まる文章の、お歯ぐろ溝に燈火うつるなんてゆう言葉にも興味を持って読み始めたような気もします。 この小説は、吉原遊郭の近くの下町に住む大黒屋の美登利と龍華寺の信如や、そのまわりの正太郎、長吉たち思春期の少年 少女を描いた作品で、知らないことへの興味や美登利の気持ちに自分なりに共感するところもあって読み耽りました。 「或る霜の朝水仙の作り花を格子門の外よりさし入れ置きし者の有けり、誰れの仕業と知るよし無けれど、美登利は何ゆゑとなく懷かしき思ひにて違ひ棚の一輪ざしに入れて淋しく清き姿をめでけるが、聞くともなしに傳へ聞く其明けの日は信如が何がしの學林に袖の色かへぬべき當日なりしとぞ。」 と終わってしまい、妙に気の抜けたような、それでいて切ない気持ちを覚えていて、水仙が浮かんだのでしょう。 改めて、青空文庫で「たけくらべ」を読み直してみる事にしました。 「 たけくらべ」 製作=新芸術プロダクション 配給=新東宝 |
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