え~はなし

いらっしゃい!コメントしてね!

清宮克幸・春口廣対論 指導力

2006年05月26日 | 読んだぜ!
本当に久しぶりに読書感想文。
この本は早稲田のラグビー部の監督だった清宮氏と関東学院大学の春口監督との対論を収録したもの。

清宮氏の本は以前に読んだことがあったのだが、ライバル・関東学院の春口氏との対談ということで思わず手に取った。

というのも競技は違えど、やっぱりチームを作るうえ必ず得るものがあるだろうと思ったからなのだが・・・いや~あっという間に読んだね~。

正直いって私はラグビーはさっぱり分からないので途中、技術的な話は飛ばして読んだんだけど、途中凄く共感した部分が幾つかあってね・・・

例えば、「チーム作りは人作りなんだ」と二人が口を揃えていうあたり。
あと本当にビックリしたし共感したんだけど、高校生をどうやって選ぶか?という話題のところで『身体能力』だとか『身体の柔らかさ』とかって互いにいうんだけどさ、清宮氏は「最後は人間の持っている空気」で決めるってんだよね。

この一言、スッゴク共感しました。

競技もレベルも違うけど、凄~くよく分かるんだよね。
数字で測れるものや目に見えるものも私たちスタッフは大事にするんだけど、結局その選手が持ってる「空気」に信頼を寄せることってあるんだよね~。
例えば、アメフト界ではよく言われるんだけど「QB顔」ってあるんだよ。絶対。何故か分からないけど「こいつQBムキだよな~。顔が」みたいなことってあるんだって。マジで。

で、本は全体的にやっぱり清宮氏が中心なんだけど、私としては春口氏の「俺たちは所詮、早慶明のエリートとは違うんだ」という観点の方が共感できるね。だから頑張らなくてはいけない、みたいなところがウチのチームと境遇が似てるな、と。

それとこの本を読んで、実はラグビー界はアメフト界と似た悩みがあるんだけど、一歩組織として向こうの方が進んでいると感じた。
「アイシールド効果」で喜んでいるだけでは数年後にラグビーに選手を持っていかれていると思う。

アメフト関係者に読んで欲しい本。


ついに終わりましたな

2006年01月31日 | 読んだぜ!
ついに終わりました

「愛の流刑地」

結局・・・懲役8年の実刑を女性を「快くしすぎた」(本文の表現)罪と観念して刑を受け容れるという終わり方だったね~

っていっても・・・

な~に言っちゃってんの?

結局身勝手な男の惚気話かよっ!

と。

もう一月も終わりだということにおののきつつも朝っぱらから毒づく私であった。

ちなみに最近私は「中年太り」と表現なさる方がたまにいらっしゃいますが、私は単に「食べすぎ」ですのでその辺り間違えないよ~に。


残虐記/アンボス・ムンドフ 桐野夏生

2005年12月08日 | 読んだぜ!
本はよく読む方だと思うが、廻りまわって数ヶ月に一回は桐野作品に戻ってくるというのはよほど私の感性に合うのだろうか。

久しぶりの『読んだぜ!』だが、じつはこれまでの間に桐野夏生と同じくやはり大学の先輩にあたる小池真理子の本も読もうとしたが、ダメだった・・・

『残虐記』

いや~。賛否あるだろうな~。
実際に起きた事件を元にしているのだろうけど、この解釈はな~。

一年間監禁された小学生の女の子。
犯人との交流、そして救出されたあとの世間からの不条理な侮蔑をテーマに書いている。
主人公の夢と現実が入り混じり真相・深層に迫るあたりは『柔らかな頬』と同じような手法だよね。

『アンボス・ムンドフ』

短編集。
なんだか昔のソ連の書記長みたいな題名なので憶えられない。
キューバのホテルの名前らしい。

ま、それはともかく。

なんだかバーンと宝石箱を放り投げたような印象。
つまり、短編それぞれが全く違った味を持っていて方向性もバラバラなんだけど、確かに桐野作品であることを感じさせる。

本の題名になっているアンド・・・アンドロ・・・えっと。
アンドロ・ポロヌフ?
あ。
「アンボス・ムンドフ」が桐野らしさを一番発揮した内容では?

読後感が

薄ら寒~・・・

ってね。


沈まぬ太陽/山崎豊子

2005年11月02日 | 読んだぜ!
いや~。読んだ読んだ。

読み応えあったね~。

なんせ全五巻だからね~。
でも夢中で読んじゃったよ。

話題作だし、ま、ほぼ実名に近い形で出てくるからね~。
それについてのコメントは避けたいんだけど。

あらすじは要するに・・・

航空会社の労働組合で活動した主人公が会社に睨まれ左遷されて世界中のアチコチに飛ばされるのが1、2巻。
御巣鷹山の墜落事故の発生するのが3巻。
会社再生のために理想家の会長が就任、主人公がその会長室に呼ばれ奮闘するのが4、5巻。

ま、山崎豊子氏が8年かけて取材しただけあって凄くリアルだし、実在している会社や人物を描いているので・・・んん、やっぱ何てコメントしていいか分からない。

一言だけ言うとしたら・・・やっぱりリアルな人間が一番怖いな~ってことかな

その日のまえに

2005年09月17日 | 読んだぜ!
その日の前に/重松清

私が人目をはばからず涙を流すことは有名。

以前、原作に不満を持っていた私がその映画化された作品を見て一人涙を劇場で流すといった異常事態が起きたことがある。
ま、ちなみにそれは『世界の中心で、愛をさけぶ』だが。

あの時も「んなもの泣くわけねーだろ」と世間の評判を嘲笑せんと観に行ったのだが見事に返り討ち。結果、カップルだらけの劇場内で一人ハラハラと涙を流すキモイオッサン化していたのだ。

で。

今回の「その日のまえに」である。
映画と小説という差異はあるものの・・・

やはりテレビでの「これは泣く」という評判を聞きつけ、また重松清作ということもあって読んでみた。

「小説で泣くわけねーだろ」と思いつつ。

が。

敢えなく。落ちました。

ええ。

泣きましたとも。
電車の中でグシュグシュと。人目をはばからず。

いやぁ。泣いたよ。

日常の中での死がテーマなんだよね。
誰もが必ず家族と死別するのだけど、それって結婚と同じように当事者にとっては凄く特別なこと。
でも、世間からしてみたら家族との死別というのは日常のこと、なわけだ。

うん。

泣きましたよ。あたしゃ。

そうそう。ちなみに。

「こりゃぁ、おかしい・・・あの時は精神的にきっと不安定だったのでは?」と思い、後から泣いた部分を読み返してみた。

やっぱり泣いた。

家族がいる方、お奨め。

龍宮

2005年09月12日 | 読んだぜ!
龍宮/川上弘美

これは好き嫌い別れるだろうな~

八つの物語の短編集。

何かね、不思議な世界。

「この著者日本語ダイスキなんだな~」って読みながら思ったよ。

例えば「かかわった」を「かかずらわった」と書いてみたり。
日本語の広がりってものを感じさせるよね~。

内容は擬人化されたタコやモグラが普通に人間社会に生きていたり、幾世代も前の先祖に恋したり、とスッゴイ不思議なんだけどなにか心にジワリと色んな感覚を思い起こさせてくれるんだよね。

読んでいて夏目漱石の「夢十夜」を思い出した。
「こんな夢をみた」で始まるやつ。
中学くらいに国語で読んだ記憶があるんだけど、やっぱり何となくつかみ所がないけど心に残るものだったでしょ?

そう、この「龍宮」まさにその現代版。
読みようによっては風刺にも取れるけどね。

私はこの世界をどっぷり楽しめた。
たまには夢でも・・・という人にお薦め。

ちなみに写真は単行本だが、今書店には文庫本が並んでいる。


「愛の流刑地」その後

2005年09月01日 | 読んだぜ!
「愛の流刑地」のことを書くと結構反響がある。

読んでるんだよね~。みんな。

で、話題の中心は今後の展開だ。

みんな勝手なことを言っている。

が。

一致しているのは「菊治も死ぬ」ということだ。

そりゃそうだろう。
まさか三人の子持ちの人妻を死に至らしめてノホホンと生きる男の話が続くとは思えない。

じゃあ、どうなるのか?
みなさんの意見を集めてみました。

まず会社の「K」さんの予想
「菊治は自らの罪を悔やみ、自首する。そして法に裁かれ刑務所で命を絶つ」

ん~まさに「愛の流刑地」・・・

でもさ。
刑務所じゃね。『流刑』ってんだから。

私の妻の予想
「生きる望みを失った菊治は思い出の地、芦ノ湖で冬香ともに身を投げる」

なるほど!こっちのほうが「流刑」っぽいな~!
「流」のあたりが合ってる感じする~!

でもさ。自殺でなくてもいいよね。

というわけで私の予想
「冬香の夫が登場。怒りに我を失った夫は菊治を殴り殺す。そして冬香と菊治の遺体を別々に芦ノ湖に沈める」

うーん。いいね~!まさに「愛の流刑地」!

で、やっぱりみんな共通していうのが
「死んだあとに菊治の作品が大ヒット」ということ。

さて。みなさんの勝手な予想募集。

ふゆか、安らかに

2005年08月28日 | 読んだぜ!
ふゆかが死んだ。

私と女房の間で今一番ホットな話題である。

「ふゆか」とは日経新聞朝刊に連載されている、エロ…いやいや、純文学大作「愛の流刑地」のヒロインである。

とにかくダラダラと…いやいや、お互いを求め合うかつての売れっ子作家と三人子持ちの主婦の話だが…

過激なプレーの挙げ句、遂にその冬香が死んだ。

と、思う。

ま、さか。

蘇ったりしないよね?渡辺淳一センセ?

女流棋士

2005年08月19日 | 読んだぜ!
「女流棋士」

筆者は高橋和である。
「たかはし・やまと」と読む。

プロのいわゆる女流棋士だった。
「だった」と記したのは今年の初めに引退したからだ。

彼女は私の高校の後輩である。
つっても六つも下だから当然直接知る由もない。

でも、高橋和という女流棋士がいて彼女が高校の後輩であることは前々から知っていた。
でもそれ以上のことは知らなかった。

この本を読もうと思ったのだって本屋でぱらぱらとページをめくっていたら私の母校のことを書いた章があったからだ。

曰く「鎌倉高校には『鎌ボケ』という言葉がある。優雅でのんびりした風景に体がなじんで、勉強どころではなくなってしまうのだ」

はーい!典型例でーっす!

「誰が言ったか知らないが『日本一の二浪校』と呼ばれていた」

やったー!日本一に貢献できたーっ!
(ちなみにこれは10年以上前の話で今では二浪は皆無らしい)

「県立であるにもかかわらず、禁止されることや先生に注意されることはほとんどない」
「私たちは本当の意味の『自由』を理解し、実行していたように思う」
「そんな、いい加減さと真面目さを兼ね備えたのが、鎌倉高校だった」

どうやら彼女は鎌高生活を楽しんだ口らしい・・・
こりゃあ読むべぇ・・・

と思って読んだのだが、なんのなんの・・・どうしてどうして・・・

高校の話などとは別に私は何度も目頭が熱くなる思いをした。

自伝的エッセーというがこれは母娘の壮絶な愛情の跡である。

彼女は4歳の時にトラックに轢かれ左足に障害を抱えている。
4歳といえば私の娘と同じ年だ。
長引く入院生活・・・繰り返される手術・・・

克明な記憶に驚かされるが、彼女の記憶を呼び起こしたお母さんの日記が本文中に記載されている。

その壮絶なこと。

事故にあったのを自分のせいだと責めて責めて責めまくる。
まさに悔恨が書き連ねてある。
そして娘の将来に対する不安も赤裸々に書いている。

「4歳、4歳なんですよ。私達のかわいいかわいい娘は。私は生命なんてちっともおしくはないのに。どうぞ私の命と引きかえに、和のかわいい足をおすくい下さい」

そして勝負の世界に身を投じながら感じる戸惑いを彼女は本書の中で告白する。

うん。

一人の女性の成長記であり、勝負師としての勝負録である。

魂、揺さぶられました。

変身/東野圭吾

2005年07月31日 | 読んだぜ!
二日続けての読書感想文。

私は二冊同時に読むような器用な人間ではありません。
昨日の「流星ワゴン」は実は二週間前に読み終えていたのであった。

さて。

今日は東野圭吾『変身』です

■あらすじ
凶悪犯罪に巻き込まれた平凡な青年。彼の頭に世界初の部分脳移植手術が施された。それまでの自分が「変身」していくのに気付く主人公。やがて主人公はもとの脳の持ち主を突き止める・・・

■感想
自分の脳が実は自分のものではないとしたら、今考えていることってのは誰の考えになるんだろうね?な~んて考えてしまう。アマゾンの書評なんかみても、結構評価は二分されてるね。私は個人的には面白かった。文章が細切れなのでテンポが良くて読みやすい。設定やストーリーも意外性があって興味をそそられるが、何か物足りないんだよな~。結局、最後は純愛ストーリーっぽいオチなのが私は気に入らないのかも。
何だか映画化されるらしい。

前に書いた『深紅』『疾走』も映画化されるとのこと。
私が読む本は映画化されるのだ。
と思ったが、実は本屋で平積みになっている本を読んでいるだけなのだ。

つまり、話題の本しか読んでないってことよ。