前回、「高学年障がい児保育」について、「学童保育はそもそも誰のためにあるのか」、原点に
立ち返って制度を再構築することで、今の予算規模、人員規模で高学年障がい児保育の導入
は短時間で実施可能という私なりの考えを掲載したところ、数多くの反響を得ました。今の学童
保育制度を触らず、そのまま高学年保育を行う場合、予算も人員も施設も足りなくなるのは当
たり前です。単純に加算するわけですから。しかし、今の制度の中をゼロベースで見直す真にこ
とで、学童保育を必要としている児童は誰かをしっかり定義付けられれば、新たな制度構築
はそんなに難しいものではありません。あとは市のやる気です。
Q12 吹田の学童保育は安価な託児所として北摂だけでなく大阪中に知れ渡っているそうです。
簡単に入室できる、審査が緩い、保育料が安い・・・。おかげで育成室は定員をはるかに超えた児
童であふれ、雨天時はラッシュアワーの電車内並みです。環境が悪く、子どもが学童に行きたがり
ません。先生方も職場環境としていいとは言えず毎日大変で、ただただ頭が下がります。
毎日4時5時前に親が学童に迎えに来る児童、ほとんど毎日習い事や塾で早退あるいは欠席す
る児童、学童保育の時間帯に仕事しているはずの親が駅前で他の親とお茶している、買い物して
いる姿をよく見かける児童などなど、子どもを学童に預けて親はフィットネスやエステに行ってい
る・・・等々、このような学童保育は果たして適切なのでしょうか?藤木さんは吹田の学童保育をど
うしていったらいいとお考えですか?
藤木 これからの吹田の学童保育は、①両親とも自宅の外でフルタイム(母子家庭、父子家庭の
場合、片親がフルタイム)の仕事(帰宅が6時を過ぎる)を持っている場合、②障がい児家庭、が
最優先で入室とし、障がい児については特に希望する場合、6年生まで入室可能とする、のような
イメージを考えています。もちろん「安価な託児所」的な利用は全廃し、入室審査を厳しくし、さら
に在室中審査も厳格に行うようにします。親が自宅で仕事している、親の帰宅が5時くらい、親は
毎日仕事に行かない、放課後週3日以上習い事や塾の予定が入っている児童、などは学童保育
は少なくとも①②の家庭と比べると入室の必要度があるとは言えず、学童保育の対象から外して
いくべきです。むしろ、現在入室が許されていない育児休業中の家庭の児童を入室させるべきで
す。今の、月2,500円という保育料、北摂で最も安い保育料は適正な水準となるよう改定すべきで
す。適正な受益者負担を考えると、保育料の値上げが必要です。学童保育の運営には市民の税
金が投入されています。大半の市民は学童保育に縁がありません。それでも負担をしていただい
ています。ですから学童保育を利用する家庭は、行政サービスの直接の受益者として適正な負担
が必要です。よいサービスにはお金がかかります。経済原則から考えると、無料のサービスなど
ありません。誰かがコストを負担しているのです。私は今の吹田の学童保育水準であれば、他市
並みの月5000円でも高いとは思いません。延長保育が実現すれば、それを利用される方にはさ
らに割増料金をいただく、オヤツや軽食サービスを希望すればそれも割増でいただく、のようなこ
とはあって当然です。もちろん生活保護世帯や低所得世帯などには他の政策と同様、保育料の
減免制度も必要です。しかし基準となる保育料は適正な水準であるべきです。今の保育料はあま
りに安く、また入室基準も甘いため、安易な利用を助長しており、その結果、育成室が混雑し、児
童や指導員の環境悪化を招いています。本当に学童保育を必要としている家庭が損害を受けて
いる、これが吹田の学童保育の実情です。入室要件と基準の見直し、保育料の見直しがぜひとも
必要です(続く)。
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