エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

「スマートグリッド革命」:インターネット登場のとき以上の革命が到来

2009-12-21 00:02:51 | Weblog
最近私は、「スマートグリッド革命」あるいは「スマートテクノロジー(ST)革命」を提唱しています。その予感がしたのは今年の1月ですが、以下は、NTTの今後の在り方を含め、その時に感動を綴ったものです。
 この12月に時点で、私と同じ感覚をお持ちいただいている方が多くなっていると思いますので、改めてアップします(若干修正しています)。


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、        「スマートグリッド革命」の衝撃

 最近IT・Eネットワークに関する内外の文献、情報を読み込んでいますが、これからは、94年インターネット登場のとき並みの革命が始まるのではないかという強い衝撃、武者震いしたくなるような感動を覚えています。
 是非この衝撃・感動を各位と共有し、今後のアクションにつなげていきたいと思います。この衝撃と感動をとりあえず"形式知化"して流します。

1 94年インターネット登場のときの衝撃と感動
・94年初からシリコンバレーにて「インターネットは世の中を変える」と確信し、NTT米川さん等とシリコンバレー・マルチメディア・フォーラム(SVMF)結成(その成果は『シリコンバレーモデル』という本に結晶し、「シリコンバレーモデル」(インターネット+ベンチャー)という言葉は日本で流行語大賞の一つとなった)
・94年10月日本に一時帰国をした私は、米川さんのサポートもあり、通産省主催のシンポ(800人の聴衆) の前で、「インターネットは世の中を変える」と訴えた。
・シンポでは、まず基調講演でジョン・ヤングが「マルチメディアは生活そのものである」というメッセーを発した。続いてシリコンバレー革命の動向を報告した私は、今後のモデルとして、シリコンバレーでも①Telephony Model②CATV Model③Internet Modelの3つが並立しているが、独断と偏見で「間違いなくInternet Model」だと言い切った。
・その後(因果関係は別として)NTTも交換機からインターネットに舵をきり、インターネットが当たり前となった。
・私は、このこともあり「1995年6月8日をカリフォルニア州のToshiharu Kato Dayとする」との決議を授かり、一生の宝物となった。

2 これと同様のパラダイムシフトが今シリコンバレー、IT・Eネットワークで起きつつある。
・IT・Eネットワークでは、①ネットワークが双方向、自立型(基幹系と分散系のミックス)に進化する、②ネットワークにおいてストーレッジ、オープンスタンダードなどこの15年間ITネットワークが進化したと同方向の進化が起こる、③IT機器・ネットワークではの世界での「ムーアの法則」、「リードの法則」等が当てはまり、太陽光発電等のエネルギープロパー領域においてもラーニングカーブが急速に上昇する(スタンフォード大教授の分析)ことによりスピードの経済が出現する、④オープンソース派とクロズドソース派の戦いが起こる(私の確信:われわれはIT・Eネットワークのいち早くオープンソース派を目指さなくてならない) 、⑤IT・Eネットワークを産業・技術から支えるクリーンテック産業集積の形成が必要となる
  (日本では川崎?。いずれにしても、今やクリーンテック・バレーとなりつつあるシリコンバレーに負けないものが必要)
・アメリカにおける変貌の担い手は、エネルギー業界ではなくIT業界。この点は日本ではどうか(規制の枠内にある日本のエネルギー業界からも変革の担い手が登場することを期待したいい)
・巷間言われている領域とは異なり、「クリーンテック革命」における狙い目として私は、モバイル技術、スマートグリッド、グリーンビル、クリーンウォーターに注目したい。
・うち、モバイル技術については、人間の活動がモービルになり、それをサポートする機器もモバイルになっているのに、電源がモービルになっていない現状はおかしい。ここに大きなビジネスチャンスがある。途上国の遠隔地利用でもこれが必要
・アメリカでは軍事利用もかなり進んでいる。日本の防衛省はこのような感覚はもっていないだろうが、処女地の領域としては面白い。
・スマートグリッドに関しては、NTTと東電が組むまたとないチャンス。モデル地域としての北九州、神奈川横浜など。アメリカのコロラド州ボールダー、ニューメキシコ州に匹敵するものあるいはそれを凌駕するものとすべし。
・グリーンビルについては、家庭もあわせ「ネガワット」というコンセプトが重要。節エネではなく「創エネとしての省エネ」。見える化が第一歩。さらにストーレッジ、スマートグリッドと結びつけば、よりイメージがクリアとなる(=新しく発電所を作ることに相当)。日本では山形県立川町が開始、現在北九州市が取り組もうとしている(「北九州市民節電所」)
・省エネ+新エネによる減CO2分を減CO2ポイント化して、流通させるという社会モデルが作りやすい
・クリーンウォーターについては、「ネガリットル」というコンセプトが重要。日本の自治体の浄水場は老朽化が著しく、そこにビジネスチャンスがある。世界的には、水メジャ-(フランスのスエズ社など)が国や自治体から一括して設備保守・オペレーション・集金を受注するビジネスモデルを展開しており、日本でもメタウォーターなどの新会社が設立されている(横浜市のある浄水場管理を一括受注)
・電気・ガス・水道の一括管理であり、ここでもITの果たす役割が大きい(IT・W(ウォーター)ネットワーク)。NTTももっと関心をもってしかるべき分野

3 IT・Eネットワークに関しては、アメリカより日本のほうがうまく行くかもしれない
・アメリカの弱点:送電網の老朽化、産業基盤の脆弱化、膨大な投資資金が必要となるが、財政出動の制約(米国債はこれからなかなか売れない)、民間資金の枯渇等の問題を抱えている
・日本の弱点:上記の点でアメリカより勝っているが、明確な政治意思がこの国の政治家には期待できない(注:民主党政権になり、変わった感があります)

4 私の理念
・IT・Eネットワークでは物足りない。目指すべきはF(ファンナンス)も加えたIT・E・Fネットワーク
・Fネットワークでは、ケータイ、iDにより国内市場制覇のみならず、アジアなど海外市場制覇
・Fネットワークでは、C(Currency,通貨)のあり方が重要。ここに真の減CO2ポイント、エコマネー2.0を登場させるべし
・IT・E・F・Cネットワークを支える銀行(Bank)設立が重要。これが真の「CO2バンク」
・以上により「グリーンキャピタリズム」を21世紀で創造し、金融危機、環境危機、エネルギー危機・・・・・、安全保障危機(石油に依存しているがゆえに紛争が起きる)最後には思想危機などの危機のない経済社会を構築したい。
・この段階で、人々が新しい価値体系=減CO2ポイント、エコマネー2.0を受け入れるだろう。そうなれば「21世紀の経済学の確立」も絵空事ではなくなる。

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