エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

アムステルダム市のスマートシティ構想

2010-01-11 06:25:59 | Weblog
 アムステルダム市では、EU初のインテリジェントシティを目指して「アムステルダム・スマートシティ・プログラム」およびスマートグリッド関連プロジェクトが進められています。「アムステルダム・スマートシティ・プログラム」は、2025年までにCO2排出量を90年比40%削減するという目標を達成し、EUの気候変動・エネルギーに関する政策パッケージ「EU2020」で設定された目標の実現に貢献するために策定されました。
 事業主体は、アムステルダム市からスピンオフした官民共同出資会社のおよび社を主体とする企業コンソーシアムです。事業予算に関しては、詳細は明らかにされていませんが、プロジェクトの第1段階(2009年から2012年まで)への投資は110億ユーロ(約1441億円、1ユーロ=131円)となる見込みです。
 具体的な対策としては、①持続可能な生活(スマートメーターの導入により消費電力の見える化を行う、市民の環境意識・電力利用利用方法・ライフスタイルの変革の促進)、②持続可能な労働(照明・冷暖房・セキュリティ機能を高めたスマートビルディングへの転換の促進、エネルギー使用量の抑制)、③持続可能な交通(港湾・船舶間の電力充電、電気自動車の普及、充電ポイントの拡充)、④持続可能な公共スペース(ごみ収集における電気自動車の利用、太陽光発電によるごみ圧縮機を店舗に導入)の4つで構成されています。
 第1期の具体的なプロジェクトは以下のとおりです。
①West OrangeプロジェクトとGeuzenveldプロジェクトに、それぞれ500、700住宅にスマートメーターとディスプレイ装置を導入し、市民の環境意識・電力利用利用方法・ライフスタイルの変革の促進のための実験を行う
②アクセンチュア支社が入居しているITO Towerにおけるスマートビルディング技術の実証事業。プログラミング設定とデータの収集、解析。
③商業船舶・河川用クルーザー・はしけの停泊中に送電網に接続し充電を行う。プロジェクトでは約70箇所に充電装置を設置。
④人気ショッピング・レストラン街であるユトレヒト・ストラート(Utrechtstraat)地区の省エネルギー化を進める「気候ストリート」(Klimaatstraat)構想を推進する。太陽光エネルギーにより収集ごみを圧縮・コンパクト化する、路面電車の停留所、街路、ファサードにLED照明設置。市当局と店舗・レストラン経営者はスマートメーターとディスプレイ装置によりエネルギー消費量を管理。
 今後のプロジェクトとしては、①市内のバス停や広告看板にソーラーパネルを設置、②市内建築物へのソーラーパネルを設置数の拡大、③電気自動車の充電ポイントの拡充、④HEMSとBEMSの展開、⑤家庭用小型発電ユニット(太陽光発電、小型風力発電、小型熱電併給システムなどで構成される)を基本単位としてたスマートグリッドの構築などが予定されています。

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