コピペで栄養管理

栄養学を数学、物理学、生化学、分子生物学、医学や情報科学の観点から考える場所です。

帰無仮説と背理法 第1種 第2種の誤り 検出力

2010-10-28 13:31:21 | 栄養士のための数学
これも、栄養士さんが苦手そうなので書いておきます。 

ある二つの集団の平均値に差があるかしりたい時、まず差がない、つまり平均値は等しいと仮定します。そして平均値が等しいとして、二つの集団からのデータを統計処理します。この際、標準偏差の情報がどれだけこの二つの集団でわかってるかで、やり方は違いますが、数値を求めます。これにたいし、この数値が起きる確率を調べます。これがT分布などですね。その結果、例えば5%を棄却点と定めると。確率5%以下のばあいは、起こらないこととみなすわけです。 だから 求めた数字が5%を下回れば、おこらはないはずの低い確率の内容が、起きてしまった!! ということで矛盾を導くわけです。

こんな矛盾が起きたのは、最初に平均値が同じだと仮定したことが原因ですから、この仮定がまちがってるので、平均に差がある と 主張するわけです。

だから、いいたいことの反対を仮定します。そして矛盾をだして、その仮定を棄却するわけです。仮定を無に帰すわけですから。この仮定のことを帰無仮説とよびます。

だから矛盾が起きるためには、求めた確率が 棄却点の確率(今の場合は5%)より小さい必要があります。


この論法は 背理法なわけです。
背理法は 何かを示したいとき、示したい内容の 否定を仮定する

仮定したことを使って、 演繹してしていって、矛盾がでてくる。 矛盾が出たのは 変な仮定をしたからだから

仮定したことがが間違っていた、 だから 示したいことが正しいといえる わけです。



たとえば √2が 無理数だといいたい  そこで 無理数でないと仮定する(つまり 有理数)

有理数は n/m と分数でかける あらかじめ約分しておく だから 公約数はない

2m^2 = n^2

n^2 は 2で割れる、  ということは n自体が 2で割れる

そうすると n^2 は 4で割れる  そうすると m^2 も 2で割れるから m も2で割れる

そうすると  m ,n は ともに2で割れるから 公約数がつくれちゃう。 公約数がないことと矛盾

だから 最初の仮定が まずかったので、  √2は 無理数 っていえた。



さて、もう一回 平均値に差があるかの話に戻りましょう。



今の場合は、 平均が違うこといいたいわけだから  違わないと仮定して、矛盾をだしたい。

平均が等しいという前提で、観測したデータからある値を計算すると、その値が起きる確率が計算できる。

5% より低ければ、  起きないことが 実際 起きたわけだから 矛盾なわけだよね。 そこで5%のリスクはあるけど、 背理法で 仮定を間違ってるとして、 平均にさがあるとできるわけ。

では、 5%より 大きい確率だったら この場合は起こっても不思議でないということになりますから 矛盾がでない。

だから 仮定が間違っていると主張できない。


背理法で矛盾が導けなかっただけです。だからもしかすると、もっと努力したら、矛盾が見つかるかもしれないし、本当に仮定が正しいのかもしれません、この段階では、わかりません。


矛盾がおきれば背理法で仮定がまちがいと主張して、平均値に差があると主張できますが、ただし5%は起きるということを0%としてみてるわけですから 5%のリスクを背負ってます。もし5%のことが起きてるのだとしたら、仮定を棄却したことは、まちがいで、平均値に差がないのに、差があると間違って主張したことになります。これを第一種の誤りといいます。


それにたいし、5%以上だったとき、つまり仮定が棄却できなかった時、じゃあ、仮定は正しいか?というと、先ほどの議論からは、わかりません。もし、えーい、仮定は正しい!!
って、無理やったなら、ホントは仮定が正しくないばあいもあるのに、正しいとしたのですから、間違ってる可能性があります。この誤りを第2種の誤りといいます。

第2種の誤りをなるべく犯したくない、それで、仮定を正しいと結論づけることにどれだけの信頼度があるかをはかる一つの量として、検出力というものがあります。この数値を計算してみて、それで、仮定が正しいかを考えないといけません。


コメントを投稿