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第3回霧島ジオガイド養成講座(中級編)

2012年10月22日 | 霧島ジオパーク
10月21日(日)に霧島ジオパーク推進連絡協議会主催による、
第3回霧島ジオガイド養成講座(中級編)が開催されました。
講師は鹿児島大学理学部准教授の井村先生です。

今回はまず、霧島市牧園町にある県立霧島自然ふれあいセンターで講義。

「環境地質学」のテーマで、年代測定法について、地球の気温を変化させる要因について、
氷期間氷期のサイクルについて、などから現在の霧島の植生がどのように成立してきたかのお話がありました。

それからバスに乗って霧島の南側のジオサイトの巡検です。
高千穂河原では沢に堆積した昨年1月26日からの新燃岳噴火の噴出物について。
都城市の高千穂牧場では、噴火の際噴煙が7500mの高さに達したことや、霧島連山に様々な形の火山があることなどについて。
霧島神話の里公園では、南に広がる錦江湾と桜島と眺めて姶良カルデラについて解説して頂いたそうです。
(この間私、業務のため別行動させて頂いておりました

それからそれから、丸尾の滝に行きました。

丸尾の滝は柱状節理が見られますが、節理が上から右下に向かってカーブを描いています。
柱状節理は溶岩が冷えて固まるときにできます。
空気に触れている上面と、地面に接している面(丸尾の滝の場合右下側)から冷やされていき、
その冷やされる面と直行する方向に節理が成長します。
丸尾の滝の下部の節理が曲がっているということから、元々の地形が沢状で、
斜めになっていたということがわかるのだそうです。


滝の上はこのように河床が広々としており『千畳敷』と呼ばれています。
これがなんと丸尾の滝をつくっている柱状節理の上面だそうで、
柱型に見えた節理が必ずしも整った多角形ではないことがわかりました。


さらに上流には布引の滝があります。
この滝の右岸をご覧ください。
今度は水平方向に節理が並んでいます。
これは板状節理といって、同じく溶岩が冷えて固まる時に
溶岩が斜面を流下する力の影響を受けて、このような構造になるのだそうです。

丸尾の滝から布引の滝まで直線距離で400m程です。
その間にこれだけ観察できるのですね

火山についてはNPO法人日本火山学会の『火山学者に聞いてみよう!』のサイトが大変参考になるとのご紹介がありました。
今回も盛りだくさんの勉強会で楽しかったです。皆さまありがとうございました。
(説明に不足や誤りがありましたら教えてくださいね
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霧島錦江湾国立公園・霧島ジオパーク
えびのエコミュージアムセンター
宮崎県えびの市えびの高原
TEL:0984-33-3002(Y)





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