はにわ日記

映画・本・テレビ・出来事・食べ物 
感動したら書く

映画 ありがとうトニ・エルドマン 

2017年07月12日 | 映画
父と娘のヒューマンドラマ。
ドイツで大ヒットなんだって。

ストーリーは
離れて暮らすバリキャリ娘のもとに能天気パパがやってきて、
「トニ・エルドマン」人を名乗って、いろんな騒ぎを巻き起こす。
はじめは、父親の迷惑行為にむかついていた娘も、
最後には、
仕事人間だった自分から解放されて幸せを実感するというもの。
「お前は今幸せか」と問いかけられ、
成功こそ幸せと、今の自分に不満もなかった娘も
父親との関係を修復したことで、家族との絆こそホントの幸せだったのねと
考えを改めるという結末。
変人パパが、ユーモアをもって娘を修正した、というハッピーな物語。
目新しくはない。

発見はあったか?
アメリカ映画に慣れている自分を再確認した。
女優のシワ一つ、老人の毛穴一つも美しく作り込んでいたのだなあ、と。
1コマ1コマをプロフェッショナルのあの手この手で
作って化かして化かしまくる。現実風な味付けをした作り物に仕上げる。
そんな作り込まれた映画だからこそワクワク、ドキドキするのだ。

翻ってこの映画。
画面が、どうにもこうにも、普通。地味。
お金かかってない感じ。気分は盛り上がらない。
女優さんはキレイだと思うが、普通といえば普通。
そこらへんにいそう。思考も表情も、普通にいそうと思うと、
かえって共感とか感情移入に至らない。

父親は、善人で小汚い感じがリアルで期待持てそう。
やってることは破天荒でファンタジー。
ファンタジーなのに、画面が地味で夢がない。
ファンタジーって、これでもかーって作り込んでもらわないと
素人のYOUTUBEを見ているみたいで、残念無念。

良い映画のはず、楽しいはず、と思って160分。
ああ、何をもって楽しめば良かったのか?
ドイツ人はなぜ、どこが気に入ったのだろう?
私の無教養と感性の低さだけが、原因なのだろうか?

ハリウッドでリメイクされるそうだが、
願わくば、90分くらいで、きれいめ出演者で、カラフルなデジタル処理画像で、
ストーリーには。ちょい、毒も盛ってほしい。

映画 ハクソーリッジ 

2017年06月29日 | 映画
ハクソー(のこぎり)リッジ(崖)
という語意らしい。
戦争に行っても武器を持たない衛生兵が活躍した実話、らしい。
きわめて少ない情報でも、ノンフィクション好きだから
これで十分。

さて、まずは驚いた。

第二次大戦、日本の沖縄が舞台だという。
そこ、宣伝しないんだ。疑問に思いつつ
他人ごとではないという心境で鑑賞。

結果としては、日本軍が負ける結末で日本兵だけでなく米兵も
残酷に殺されるシーンが満載で、途中目を覆う場面もしばしば。
日本兵は体格良すぎてリアルさゼロだし、ハラキリシーンは
ステレオタイプだし、
日本人には見せる気、なかったんだろうなーと感じること多々あり。

しかしとにかく強烈な映画でした。星4つレベルで。

線の細いアメリカの若者が主役の衛生兵で、
アンドリューガーフィールドがはまり役。
見ればわかります、瀬戸 康史とかぶります。
これが、とんでもないタフ野郎。

山登りで鍛えられた健脚を持ち、
兄弟仲良し。
恋をしたら一直線。
関心を持った医療の知識習得にもストイックに取り組む。
クリスチャンホームで育ち、奉仕と謙虚さを身に着け、祈りの力を
信じている。
退役軍人の父の暴力も我慢強く耐え、常に微笑みを絶やさない。

しなやかで頑強、一本気で敬虔で、天然。屈強なアメリカ兵の中で
弱虫ふうなのは否めない。

彼は、自ら志願したにも関わらず、武器に触れることを拒否し、
良心的兵役拒否者(Conscientious objector)として
戦場へ赴く権利を得る。これはアメリカならではの制度なのかもしれないが、
宗教上の理由からこれを志願し、法的にその権利を認めれられて、
紆余曲折はあったものの無事、衛生兵して最前線に向かう。

もちろん、ストーリーの中では、
この特異な権利を求める彼と、普通の兵士や上官との間でのいざこざは
たっぷりある。クリスチャンといえども、武器を持ち戦う者こそ多数派の中、
当たり前のように「武器は持ちません。攻めません。自分は兵士を守ります」という彼のほうが
異端なのだ。志願し、死が目の前にあっても立ち向かうことが
当たり前なのだから。
でも彼に気負いのようなものはない。
当たり前のことなのだから。
自分を曲げもしないし、空気を読むでもなく、見解の違いに悩むこともしない。
天然といえばそれまで。
当たり前に聖書を読み、安息日は休み、主義を主張しない。
最初から最後まで、言葉は少なく、ただ息をするように
軽々と行動している。ように見えた。
彼はのびのびしている。恋した相手へも素直に心を打ち明ける。
訓練の中でのいじめにも、悔しいとさえ思っていない様子だ。
受け入れることだけして、仕返しもしなければ、自分を守る手段も講じない。
何をされても根っこはがっちり固めているから
未来は明るいと知っている。当たり前だからね、と言っていそう。
卑屈にもならない。
だから行動に惹かれるのかもしれない。
言葉多く語られるより、行動に説得力のある映画だ。
こんな人でありたい、と思わせる人物だ。

ところで映画は
衛生兵といっても、後方支援だけでなく、最前線に出向くところが
予想と違って驚いたことのひとつだ。
前線へ出た初日から大激戦となる。既に前任の部隊がいくつも倒され、無数の死体が
ころがる戦場。
撃っても撃っても、敵は湧き出るかのように現れる。
撃ちまくる、殺しまくる、焼きまくる、そんなシーンだけで何十分も占めている。
心臓に良くない。
ドスは武器は持たないが負傷兵を助けながら前へ前へと進む。それが当たり前だと
言わんばかりに。
もちろん敵というのは日本兵であり、観客の目線では日本兵に敵対心を持ってしまい、
日本人としては、日本よ早く降伏してくれと祈るばかりの気持ちになる。
そして、負傷兵のグロテスクさ。死体のえげつなさ。むごたらしさ。
プライベートライアンも強烈だったが、輪をかけてショッキングだ。
戦争は敵も味方もなく、あってはならないものだと改めて思う。
死はむごたらしい。戦争は死を大量生産する。
平和な映画館で軽々しく言えることではないが、
これがもし身近に起こる現実だとしたら。
考えただけで狂いそうだ。

さて、映画のクライマックスはドスの赴任初日の大激戦に終始する。
そこに映画2時間半のうち1時間くらいを費やしているだろうか。
その間、弾をよけながら、手当をしながら前に進んで進んでいく。
地上戦で日米がこれでもかというほど戦った後、アメリカ軍はいったん後退する。
海上からの砲弾で支援を得るためだ。
ところが、ドスは、残された兵士を助けるため、
仲間の撤退とは違う行動を起こす。
現地に残り、一晩中、生存者を探すのだ。

もう一人、あと一人、神様あと一人助けさせて下さい、それだけを発して
負傷兵を助けに助ける。
一人助けては、また死体の山に戻る。敵もまた残っているわけだから、
命の危険は昼間の戦場以上だ。
助けては戻る、その繰り返し。
結局、75人を助けたそうな。一晩で。
そして、日本兵は降伏。アメリカによるオキナワ平定へと進んでいく。
この行動に、もちろん恐怖はあったと思う。
しかし、武器はもちません、と当たり前に意思を貫いたときと同じように
当たり前のように、あと一人、とつぶやきながら闇の名に戻っていく。
それが彼の志願した答えだから。
大変なことをしている気負いもない。自分がしなくては、という使命感とも違うような。

一人ずつ、ひとつずつ。
できることをできる範囲で、一歩ずつ。当たり前のことなのだから称賛がほしいわけではない。
だから、最後に自身が無事助けられたとき、
見失ったお守りがわりの聖書を「ぼくの聖書を・・・」と一言。
仲間の一人が今一度危険地に戻って探し出し彼に手渡す。
安心したように胸に置くドス。
彼は天然な向こう見ずさんではなく、聖書の教え通り人に仕え、信じるままに
実行した、だけ、なのだ。

それがドスのすごいところ。

ラスク 美味しくない ありがたくない

2011年09月04日 | 食べ物
ラスクって人気ありますね。
お好きな方も多いと評判ですし。
H百貨店地下の専門店は、何年たっても行列している。
大繁盛、なのは知っています。

もちろん私も人気に便乗して食べました。
H百貨店のあの商品も。パン屋のオリジナル品とかも。
確かに、満腹感がありました。
甘かったです。
サクサクとした食感も、アリでしょう。

ところで、これは、その、あの、美味しいのですか?
みんな、本当に好きなんですか、あの味?
何でそんなに嬉しいのか。

私にはどうしてもわからない。
ただのブームだから、人気があるだけですよね?
それとも、実は美味しいのでしょうか?
わからない。
何がどう美味しいのか?
砂糖とパンの味しかしない、なんというか平面的な感じ。
これといって目新しくない味わい。
私の感覚に問題があるのでしょうか?
それとも、へそまがり?

だって。
乾いたパンですよね。ただの乾いたパン!
しかもぶっちゃけ、パン臭い、ですよね。
舌の根の奥にこもるようなあの感じ。
乾いて益々臭い。
甘いからって、だまされないよ。
どうも少数意見のようなので、ここだけで小声で言います。

不味いよ、ラスク!!!

募金活動、「お願いします」だけでいいのか?

2011年03月31日 | Weblog
通勤時間帯に、駅前で募金活動が行われています。
朝も、帰宅時間も、平日も、週末も。
募金箱を携えた、地域の子供たちが、足長育英会が、市民団体が、
選挙の立候補者が、市役所の職員が、、
政党の支部が、知らない団体が。。。駅前にずらりと並びます。
中核都市tの駅前は募金ブーム募金ラッシュです。

もちろん募金に異を唱える気持ちはありません。
私だけでなく、多くの人が特別の気持ちをもって募金し、
一円でも多くのお金が集まることを願っています。

ただ、
ちょっと待てよ、と私は思う。

市役所の職員(と思われる)男女数名が駅に立っています。
募金箱に●●市役所と書いてありました。
それは結構なことです。職員が市役所の名で信用を得ながら
集金活動をすることは。
でもね、公的機関の肩書きを信用の盾にするのなら、
もう少し、工夫できないものかと思うのです
彼らは「お願いします」を大声で連呼しています。
お願いします、と「だけ」連呼しています。
選挙ですか???
「被災者のためによろしくお願いします」とおっしゃいます。
そうでしょうとも。目的は地震被災者の救済でしょうとも。
地震のことは知ってますから。
毎日通勤時に彼らの前を通るとき、なんとなく恥ずかしくなるのは
何故なのでしょう?
「お願いしまーす」
と大声で、シンプルに叫ぶそのスタイルは、昔見た高校体育祭の
応援団の出し物みたいです。
いつ通っても、同じ台詞を棒読みでただ繰り返すだけ。
この、アドリブが利かない人たちに私の大切なお金を預けることに
多大な不安を感じるからかもしれません。

その数日前、選挙立候補者が選挙活動のついでに募金活動を行い、
同じく「お願いします」と「被災者のために」を連呼し、
私たちの小さな良心に訴えかけていました。
彼は、集まったお金は「早速赤十字に振込ました」とおっしゃっていました。
集金代行でしたか!!?
君には投票しないよ、と誓いましたとも。
市役所職員さんにも同じ匂いを嗅いでしまったのです。
私は天邪鬼でしょうか。
それとも、政治や市役所に期待しすぎのばか者でしょうか。

働く者の一人としてお金の「使い方」にはシビアにならざるを得ません。
働きに結果を、過程に工夫と努力を求められる者として、
「お願いします」だけでは物足らないのです。
毎日聞かされ、芸のないその連呼に、面倒臭いと感じてしまいます。
善意に便乗した、PR活動のように感じてしまいます。

お願いします、の回数を減らして、
お金をどう使うのか。
不足する物資の調達資金にするのか。義捐金にするのか。
ボランティアの活動資金にするのか。
それとも募金ノルマ課せられてるから助けてほしいのか?もちろんそれでもOKよ。
ちゃんと被災者に届くなら。
せっかく人前で箱を抱えてお金を集めるなら、
そこらへん、もう少し言ってほしいです。
ただ、銀行振り込みするだけなら自分でします。



チャーリーとチョコレート工場

2010年05月16日 | 映画
チャーリーとチョコレート工場をテレビで見ました。

チョコレートにしのびこませた5枚の
ゴールドカードを獲得するため、世界中の子供たち
ウォンカチョコレートを買って買って食べまくります。


おかげで虫歯の子供が急増。
チャーリーのお父さんが働くハミガキ工場は、
おかげで大繁盛。そこで経営者は儲けたお金で
製造ロボットを導入します。人間の工員は用無しに
なってしまいました。父さんもロボットに職を
奪われ、一家は貧乏のどん底に・・・。
ファンタジーの世界でもチョコレートと虫歯の縁は
切っても切れないようで。そして、
富む者があれば貧する者があるのも現実と同じのようで。

3Dテレビ

2010年05月07日 | Weblog
石川遼君つながりで。
3Dテレビの試写会をしていたので見てきました。
遼くんがCMをしているVIERAです。
Panasonicのサイトは
こちら→ http://panasonic.jp/viera/products/vt2/


専用めがねをかけるんですよね。で、
なるぼど、画像が立体的に浮き出て見えます。

遼くんがプレーしている映像では、カメラが正面に
据えられ、打った打球がこちらに飛び出してきました!
バンカーショットでは、砂が飛び散ってなかなかの迫力!
もちろん、テレビですから、ライブ感は、ないですね。
飛び出すテレビ体験そのものがとても人工的な感覚です。
といいますか、まるでゲームの画像を見ている
ような、そう、ともかくやっぱり、人工的、なんです。
最先端の技術には違いないでしょうが、期待したほどの
感動はありませんでした。
なぜかな?
メガネが堅くて重くて鼻が痛かったから?

25年も昔のこと。ハイビジョン映像を初めて見たとき。
それは、ミツバチの映像だったのですが、モニターに
映るミツバチの触角やら花粉は、顕微鏡で拡大したように
きれいにくっきり見えました。ミツバチの足に生えている
細かい毛とか、花粉のゴロゴロしたかたまりとか、
自分の目では見えないものを、ハイビジョンテレビという
“観察する目”を与えられたような感覚でした。
自然の造形物ってなんて美しいんだろう、と感じました。
虫嫌いなのに、目が離せなった。
人間の目より、正確に映す技術に、驚きがありました。
曇り空が晴れたように、クリアで明るい映像は、
今にも飛び出してきそうな臨場感がありました。

そして21世紀。
今、ハイビジョンに慣れ、チデジに慣れ、
高度な技術に慣れすぎてしまった私たちの目は、
飛び出すゴルフボールぐらいでは驚かなくなってしまったの
でしょうか?たしかに、体験としてはおもしろかった。
でもそのオモシロさはテレビという家電に必要なのか?
サンプルビデオの遼くんのゴルフは、確かに面白かったよ。
スローモーションだったから余計にね。
砂の飛び散り方も興味深かったし、
遊園地のアトラクションのようでしたよ。

でも、
世の中のテレビ番組が全部3Dになったらどうよ_?
相撲やオリンピックはどうかな?競馬とか、スピード感の
あるものはおもしろいかも。
じゃあ、ニュースは?どうでもいいワイドショーは?
お笑い番組は?CMは?
犯人の顔が飛び出してきたら怖いし、おしゃべりな
タレントが目の前に飛び出してきたら、想像しただけで邪魔
臭いな。
映画は?
2時間も飛び出しっぱなしは、疲れるだろうな。
世の中の人はどう感じてるんだろう?
少なくとも、あの重くてデカいメガネは改善の余地あるよね。



Mr.58

2010年05月04日 | エクササイズ
石川遼君、中日クラウンズで優勝!しかも世界新記録!
当日、ギャラリーとして至近距離で観戦していた人から、
お昼前にメールがありました。
「遼くんすごい、優勝かも」と。
え?たしか遼くんは不調のはず。
前日までスコアが伸びず、やはり和合は難しいから、とか
今年は丸ちゃんが優勝を狙って頑張っているとか、
池田勇太とか、若手の上井とか、遼くん以外の話題が優勢
でした。すっかり期待も失せていましたので、このメールも
信じられず。テレビの中継も夕方からだし、確かめる術も無く、
打ちっぱなしに。
で、行って帰ってきたら、「優勝したよ」と。
しかも、すごいことになっていたらしい。世界初づくしで、
遼くん本人もびっくりした優勝インタビューだったとか。

最終日一日でバーディ12、パーが6。私は超アマチュアですが
この数字のすごさはわかります。
神がかりですね遼くん。自信も「ゾーンに入った」って
言ってました。ワールドレコードだそうです。18歳が、ですよ。
翌日の新聞で、16番が印象的だったって答えてましたが、
その16番をテレビカメラの前で見ていたという、件のメールの
人が見てきた感想は。
「グリーンの手前にバンカーの海。そのうえ
テレビで見ると平らなグリーンが、間近で見ると意地悪なまでに
波打っていて、プロが次々とパットをはずすのもうなずける。
なのに遼君だけは会心のパターさばき。ころころと吸い込まれる。
これぞ神がかり。」
「和合で優勝経験のない丸ちゃんが、今回こそは優勝をと
意気込んで来たのに、遼君のスコアが掲示されると、
をれはもうがっくり落胆して、ホールを進むうちにやる気をなく
していったのが手に取るようにわかった。」

いずれも生々しい話である。
神がかりでワールドレコードかもしれないが、プロも人間。
試合が終わるとすぐに練習に精を出す様子まで見てきたらしい。
2日目も観戦に行ったらしいが、試合後は多くの選手が
パターの練習をしていたという。テレビで見る華やかなプレー
以外の地道な努力の現場に触れることができ、感心しきりだった
とか。
なるほどーーーー 
上手な人ほど努力する。
すばらしく現実的なエピソードでした。

それにしても、遼君コメントがいちいち謙虚で立派なので
存在自体が神がかりだと思うのは私だけではないはず。
若い身体と老成した思考を持つベンジャミンバトンを
地で行く遼くん、次はいったい何をやらかすのでしょう。

井上ひさし先生さようなら

2010年04月11日 | Weblog
75歳でしたか。残念です。
私の大好きな作家さんでした。
ご冥福をお祈りします。


NHKのひょっこりひょうたん島、毎日見ていました。
ドン・ガバチョの名前と共に
番組タイトルに毎回現れる「脚本 井上ひさし」の文字に
不思議なことに強烈に引きつけられていました。
テレビっ子世代の自分は、番組タイトルもじっくり見る癖が
あり、ひょっこりひょうたん島で一番の見所は
「脚本井上ひさし」でした。当時から変わりものだった
だけですかね。
さて頭にひっかかるものは、必ず人生のどこかで
深く関わることになるようです。
10年もたったころでしょうか、中学校の本好きの友だちに
ブンとフン」を教えられました。ひょっこりひょうたん島
が再びキター!な瞬間でした。
言葉を音楽のようにもて遊ぶ文体で、作家さんの日本語への
こだわりを感じ取ることができました。
続けて「モッキンポット師の後始末」を。先生の生い立ちを
知りました。家族離散とか施設とか貧乏というモチーフの暗さ
より、ずるしたり、くすねたり、ぐうたらなのに運のよさで
生かされているような、そんな明るい人間性が心に残りました。
その後、
家庭口論や吉里吉里人など有名どころはもちろん、
戯曲や日本語の本、棚田について熱く語られた農業の本まで
なんだかよく読む作家になっていました。
大学生のころ、妹尾河童さんの、「河童が覗いた○○」シリーズの
中で、井上先生の仕事場が紹介されているのを見つけました。
机の前に
「むずかしいことは簡単に。簡単なことをやさしく。
やさしいことは深く。」という言葉が貼ってあるそうです。
妹尾さんもこれを痛く気に入っておられましたが、私に
とっても一生忘れらない言葉になりました。
井上先生は、小説家という文学の世界だけに留まる人ではなく、
出発がテレビの作家であっただけにこまつ座を率いる舞台人で
あり、日本の未来を憂える社会活動家でもありました。しかし、
私の中では、むずかしいことを私にもわかるやさしい言葉に
置き換えて伝えてくれる、伝道者のような人でした。
私家版日本語読本で、日本語をしつこいほど分析、分類し、
内容はまるで学術論文のようなのですが、語り口はあくまで
コメディータッチな表現に、流れに乗せられて最後まで読んで
しまった、ということがあります。これもや、さしいことを
深くあらわそうとする井上流の実践なのでしょうね。
物語作家として奇想天外な発想力も充分楽しませてもたいました。
今、ますますワケがわからなくなっている難しい社会のことを、
井上流言葉遊びを駆使したノンフィクションで、もっともっと書いて
ほしかったです。
でも、そうかあ。75歳でしたか。
アマゾンの時代になってから井上先生の本は読んで
いなかったことに今気付きました。本屋で一生懸命井上ひさしの名を
探していたことが懐かく思い出されます。
またひとつ、私の大好きな人が逝ってしまった、そんな
日曜の朝になりました。
ご冥福をお祈りします。

FM cocolo はもう聴かない part2

2010年04月04日 | 音楽
晴天。桜は満開。

FM COCOLO を流しっぱなしにできなくなったので、
ネットラジオにデビューしました。

知りませんでした。世界中のラジオがこんなに
簡単に聞けるとは。

http://www.bbc.co.uk/iplayer/playlive/bbc_radio_two/

女王様ファンとしては、とりあえずBBCをチョイス。
BBCradioは放送内容によって1から7(+α)に
分かれており、wikipediaによると現地で最も人気という
BBCradio2を選んでみました。
ちなみにradio1は最新ヒット曲。若い人向け。
radio3はクラシック&ジャズ&ワールドmusic
radio2は、radio1より大人向けで少し古い選曲あり。
日本とイギリスの時差はマイナス9時間。
さきほどは賛美歌が流れていました。(今日はイースター!)
カントリーっぽい曲も。
全体的にテンポゆったりめの選曲なのは現地が
日曜朝だからでしょうか?
イギリスだし、他に聞きたいものはたくさんありますが、
様子見と参ります。

cocoloにがっかりしたおかげで、ネットラジオ・デビューを
果たせました。
何かを失うことで、新しいものを得る、とは実によく言った
ものですね。

FM cocolo はもう聴かない

2010年04月02日 | 音楽
FM COCOLO (エフエムこころ)をmyBGMと認定して10数年。
洋楽中心でアジアンからラテンやソフトなクラシックまで、幅広い選曲に惚れてついてきました。
それが、“45歳以上をメインターゲットとした日本発のラジオ局”という触れ込みで、この4月から大幅改編。経営母体が変わり、選曲のコンセプトまで変わってしまいました。

over45が、昔むかし聞いたことのある、今や大御所歌手たちの、70年代80年代の日本語の歌が流れてきます。

で、
古臭いんです。
こんなもの朝から聴いてられません。

45歳超えたら懐メロマニアになれとでも?その押し付けがましい選曲にがっかりを通り越して怒りすら感じます。
年寄り扱いがイヤなんだと思います。若い頃はよかったー、なんて世代じゃないでしょう。マドンナみたいに、まだまだ現役で(しかも第一線で)突っ走っていたい、そんなover45のココロを、ココロさんはわかってませんね。

手垢のついた埃っぽいリサイクル“レコード”が、10枚100円で、超おすすめ品、のPOP付きで並べられているような陳腐な選曲。
45歳以上なら、ありがたくお聞きなさい、と決め付けるラジオ局の横暴を感じます。

タワーレコードで、ショップのイチオシ曲をヘッドフォンで試聴させてくれるコーナーがありますが、COCOLOに求めていたのはあの感覚でした。
洋楽通DJが、「聞いてみない?すごくいいから!」と、すすめられるのは、発見もありとても心地いいものでした。
今、3月までのココロリスナーたちはどこへ行っているのでしょうか?

ネットラジオにシフトする時期が来たのでしょうか。

クリック&募金

2010年01月20日 | 日記
今朝のラジオから。
ラジオで、ジャーナリストが怒っていた。
ハイチ地震で深刻な被害が伝えられう中、ちょうど日本では15年前
の阪神淡路大震災のメモリアル報道が盛んだった。にもかかわら
ず阪神淡路とハイチを関連付ける報道が少ない。日本のメディア
や企業のハイチに対する支援体制が非常に出遅れている。
せっかくネット社会が進化したのだから、企業がそのWEBサイトの
トップページから赤十字サイトにリンクしたり募金できるシステム
をなぜ急いで取り入れないか!という怒りも伝わってくる。

企業が社会貢献をし、人やお金を循環を被災地域へ循環させること
は企業の運営にも大いにプラスになるという。それができないのは
なぜ?

ちなみに、Yahooのトップページからはyahooポイントを使って募金
ができる。私もYahooオークションでもらったすくないポイントを
寄付してみた。
なーんだ、簡単じゃん。この簡単さが大事だ。
ショッピングサイトは、募金ポイントをつけるように法律で決める
べきだね。
アマゾンに行ってみたが、こちらは募金もリンクもありません。
世界企業なのに、惜しい。楽天にも、無かった。ワンクリック募金
しやすい巨大サイトから是非取り組んで欲しいと思った。

そして、私の取り組みはと言えば、
さしあたり、少し前に始めたワンクリック募金サイトを左側に
貼ってみた。ハイチに直接支援する募金サイトではないが、
クリック募金というお手軽な方法で、地球や人に役立つことが
あるなら即実行だ。
一日1クリックで1円募金ができます。
私も久しぶりに1クリック。全部クリックしても数分、でも数円。
種は蒔かねば芽は出ないのだから、
まず一人1円から始めようと思う。
賛同してくれる人が増えるように、毎日ブログを書こう!

情熱がありすぎる讃岐うどん

2010年01月19日 | 日記
行列のできる讃岐うどんを食べに行った。
麺が品切れになるとランチタイムでも店を閉めてしまうほどの人気店だ。
うどんは大好物。
寒かったので、シンプルな温うどんを注文。
スープは、強烈に濃い。塩辛いのとは違うが、どうだーっと挑まれる
ような濃さだ。
麺は、腰があってどっしり歯ごたえがあって、飲み込むとき
喉にごつごつ当たるほど。これまた、どうだーっ!と。
この麺にしてこのスープ。
どうだ、濃いだろう、美味いだろう、歯ごたえあるだろう、
参ったか!と。なんと挑戦的なうどんだろう。

私はといえば、降参いたしました。
一杯のうどんでもう充分です。
美味しいですよ。人気なのはわかります。でも
私には、too heavy でした。
味の問題ではなく、体力の問題です。
美味しいけれど、エネルギーが追いつきません。
量が多いとかいう問題ではなく、作り手の情熱とお客の熱狂も、
私には重過ぎます。
体育会系男子高校生には、もう戻れない。
何でも食べられる健康体を自負していましたが、人生で初めて
うどんに負けた貴重な体験となりました。

感じるものでなく選んで獲得するもの。弱っている場合ではない。
根性はあるが体力がないのは自他共に認めるところだ。
ただ、根性が衰えているときでも、体力さえあればと思う今日この頃。

アンディ・ラウ 

2009年08月31日 | 映画
自民党がえらい騒ぎになっていた陰で発見。
Yahooニュース;アンディ・ラウさん結婚
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/entertainment/asia_entertainment/


インファナル・アフェアの潜入マフィア“ラウ”だ。
24年の極秘交際を経て、子作り宣言&入籍。24年極秘!!
同時にインフォーメーションが。同じくインファナル・アフェアⅢで
ラウを追い詰めるエリート捜査官役のレオン・ライも、結婚!
結婚ラッシュね。
こっちは14歳年の差婚。
もうひとつついでに、ラウのライバル、潜入マフィア役のトニー・レオンも
昨年これまた長年の交際期間を経て、カリーナ・ラウと結婚。
三者ともover40で、結婚に至った。
いやー。おめでたい。
インファナル・アフェア


アメリカ人によると、「日本人は若い」らしい。
私、純日本人から言わせてもらえば、「香港男は、年をとらない」。
少なくとも、香港映画のエエ男は年をとらない。
その秘訣は、結婚しないこと、交際女性がいても極秘にすること、か。
ジャッキー・チェンもいつまでも体育の先生みたいに長年年齢不詳だった。
結婚も公にされなかった。人気者はいつも独身の振りをしていないと
いけないのかも。香港映画界にはそういう不文律があったのか。

そもそも男性は35才を超えると、顔が丸くなって腹より先に顔メタボになる。
日本の野球選手もジャニーズもみんなそう。
ひきしまった顎が膨らんで、ガッカリなのだ。
しかし上記の香港俳優の顔は、10年前と変わらずシャープなまま。
同じアジア人なのにこの違いは何なんだろうね。

レオン・ライはラブソングに出演したころは、青臭くて湿ったパンツみたいな
顔だったが、インファナルⅢでは、冷徹な乾いたハンサムになっていた。
どうかこの調子でいてね。
トニーレオンは、最近ではラスト・コーション。どんなに仏頂面しようとも、
インファナル・アフェアでの濡れた子犬顔を思い出してしまうので、
18禁なシーンも全然エッチに見えないや。
アンディ・ラウはね、写真で見る限り、7年前の映画と大差ないな。
香港の俳優さん!結婚しても、メタボ顔にだけはならないで下さい。



井上陽水

2009年08月30日 | Weblog
8月30日。日差しが強く、空気が涼しく、夏が終わるのだなあと
ほっとしています。 今日は井上陽水の誕生日。
  
GOLDEN BEST


先週、NHKの4夜連続特番を見た。NHKで陽水である。しかも
4日連続。破格のVIP待遇。音楽活動40周年という。
そして誕生日だからこのタイミングか?お茶目だねNHK。
しかしこのVIP扱い。この規模の特集に耐え得るメディア人って、
ほかに誰がいるだろう。うーん。
マイケルとか? まあ化け物級じゃないとつとまらないことは確かだ。
さて、
NHKはドキュメンタリーがお上手。
宣伝色がないから、音楽番組だけど雑音がないのがいい。
インタビューが多くて豪華。音楽畑以外からのコメントが
特におもしろかったのだが多すぎて・・、再放送してほしいよ。
(NHKサイト参照)
伊集院静、五木寛之、上野千鶴子、奥田民生、小田和正、金子昌平、
川瀬泰雄、操上和美、黒鉄ヒロシ、小林聡美、コブクロ、
小室等、沢木耕太郎、スガシカオ、多賀英典、中島みゆき、中村冬夫、
野見山實、一青窈、平原綾香、藤子不二雄A、星勝、
みうらじゅん、水谷豊、持田香織、安田裕美、安室克也、山下洋輔、
リリー・フランキー、ロバート・キャンベル ほか

陽水といえばその昔は反マスコミ特に反テレビの代表格だったのに、
いつの間にかテレビ好きの出たがりさんに変化していた。
年取ったからかかな、評価が出来上がった大御所だからかな、
テレビの世界をすいすい泳いで遊んでいるように思える。そう
「スイスイ&フワフワ」とね。
大御所なのに、まだまだ新しい顔を見せてくれるから、いつも新鮮なのも
いいよね。
教育テレビのOAでしたが、非常にPOPな印象。陽水のフットワーク
の軽さは天賦のものでしょう、音符に載せる歌詞はまるで言葉遊びのように
突拍子もないのですが、意味わかんなーい、と言われるのを待っているような。
いたずらっこねえ、と言われるのを待っているような、おっさん。
そういえば、宮沢賢治との対比もされていたっけ。ボブ・ディランより
わかりやすかったな。
毎日4-5つほどのキーワードと絡めて、
曲やら40年の歩みやらを紹介しているけれど、
ふわふわ浮きながらキラキラ回る多面体のおっちゃんを、余すところなく
紹介するのは、NHKでも難しかったのかな。聞きたい曲も、
分析してほしい歌詞も、掘り下げてほしい話題も、もっとあったよ。
さて、90年代初めに出た「少年時代」今の季節にピッタリの曲。
当時も名曲だと思ったが、今や夏のスタンダードになった。冬の
クリスマス・イブ(山下達郎)の夏版だ。おそるべしふわふわおっさん。
その後、奥田民夫とつるむようになって、ポップで意味不明歌詞路線がますます
強化され、その昔、あまりの暗さに避けて通っていた陽水が、いまや
平成の無責任男と言いたくなるほど、スイスイとやりたいことをやっている。
言葉選びのセンスは。ボブディランの影響があったと分析されていたが、
テレビの中でスイスイ泳ぐ様は、高田純二にそっくり。
あと、忘れてはならいのはあの伸びのよい声。上手いというより、陽水ブランド
の包装紙みたいなもの。あの声がなくては、あのふざけた歌詞も湿った曲も
ただの名曲。あの声が乗るから、確固たるブランドになる。
これは松任谷由実とおんなじ。



お気に入り「LOVE」映画

2009年08月27日 | 映画
朝涼しい日が続いてます。
こんな日は、さわやかな秋を愛でるhappyな映画が見たくなります。

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恋愛映画で思い浮かぶのはなんてったってこの2つ。
フランスにもアメリカにも日本にも、ロマンスはたくさんあるのに、
中国映画とイギリス映画をプッシュします。

ラブソング:大陸出身で香港で頑張る男女の関係を中心に、
香港返還と、テレサテンと、中国人のガッツをアクセントに織り込んだ、
恋の10年物語。前半は初々しく、後半はミッキーマウスが活躍し、
最後は華僑のアメリカンドリームで閉めくくられます。
ストーリーだけ追っても満足できるし、隙間無くちりばめられた
エピソードの充実振りに、満腹をになること間違いなし。豪華
中華のフルコースメニューです。
でもって、「切ない」&「ハッピーエンド」な押さえどころも怠りなく、
ファンにならずにいられない。知らない人は知らないが、
知ってる人は知っているという、実は大作。

ラブアクチュアリー:群像劇というのかな、オムニバスというのかな。
Loveを核にさまざまなストーリーがあぶりだされ、最終的に全部
つながって、パズルが完成するというおはなし。
恋人の、夫婦の、友情の、仕事パートナーの、と対象はいろいろ。
人類愛が無いところが、押し付けがましくなくてよろしい。
成就したり、確認してみたり、すれちがったり、始まったり、
育んでみたりetc. 形もいろいろで、360度どこにも入り口があるので
世界中の誰もがキュンキュンしている(はず)。
この「いろいろ」っていうのも、自分の経験や記憶を投影させやすくて
いいよね。誰にでも易しいエンターテイメントだ。
ビートルズやジョニ・ミッチェルほか、音楽もバラエティに富んで
200%楽しめる。
クリスマスという、季節にあわせたストーリー展開もいいし、
顔の売れた俳優人がわんさか出ているのもいい。ハッピーエンド
で更に良し。サントラはクリスマスプレゼント需要にも適しているし、
八方丸く納まる珍しい映画だ。

しかし、いい映画って音楽で50%増しに良くなるとつくづく思います。