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e-Tetsuによる「アート」と「釣り」の生活誌

IBMのPC事業売却も真似されるか

2004-12-09 | ◆ビジネス
IBMがPC事業をLenovoへ売却した話は、IBMのPCへの関わりを考えると、単なる事業整理以上の意味を持つ決断であったと言える。

PCの生みの親はAppleであるが、そのインターフェースをオープンにしてIBM互換機と言われる低価格PCを実現したのはIBMの貢献によるものである。これによって、PCはCompaqを始め多くのベンダーが参入する領域となり、一気にコモディティ化が進んだ。その結果IBMは仕様策定の主導権を失い、コントロールを取り戻すべくOS/2という独自仕様へ回帰した。

しかし、大きなネットワーク効果を持ってしまった標準PCには太刀打ちできず、OS/2は失敗に終わる。そしてPCの世界で高品質は当然のものとなり、ついには製品そのものよりも、在庫管理や販売プロセスが勝負を決する世界へと移行する。DELLの台頭である。つまり、R&Dによって付加価値を提供するビジネスでは最早無いのだ。

コモディティ化した領域から脱却し、高付加価値サービスへと移行するのは、IBMのこれまでの戦略に一致する。しかし、PCのマーケットはIBMがその成長に大きく寄与してきただけに、その売却には抵抗感も強かっただろうと推察する。

ハードベンダーの中でハードウェアからサービスへと主軸を真っ先に移したのはIBMであった。多くのハードベンダーがそれに倣い、それによって苦境を脱したところもある。今回の件は、IBMがPWCを買ったときと同様、これまでの動きが目に見える形で表に現れたものの一つといえる。

さて、IBMの動きに倣ってPCビジネスを次に切り捨てるのはどこだろうか? ガートナーの予測は当たるだろうか?また、このコモディティ化の波がUNIXへと及び(既に及びつつあるように見えるが)、IBMがUNIXビジネスを手放す日は来るだろうか? そして。。。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
IBMがPS2? (畔上文昭)
2004-12-09 10:49:16
PlayStation 2?
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Unknown (畔上文昭)
2004-12-09 17:22:03
それはともかく、Lenovoがお金持ちだってことの方がびっくりだ。
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