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「理想的な淡水水槽」 10.7.7. コケ防止の特効薬は予防である

デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」

10.7.7. コケ防止の特効薬は予防である



本書で繰り返し述べてきたことだが、水槽内の藻やコケの繁茂を抑制する最も効果的な方法は、水草に理想的な成長条件を用意することである。水草にとって藻やコケは、成長に必要な栄養素を奪い合う生まれながらの競争相手である。しかし天然河川と完全に異なる構造を持つ水槽においては、藻やコケが繁茂する危険性が十分にあり、そしてこれはしばしば見落とされ、実際に手の打ちようがないほど藻やコケが成長するという事態が簡単に起こりうる。このような藻やコケの繁茂は、水槽内に過剰なリン酸塩が蓄積された時に見られる。水槽内でリン酸塩に加えて硝酸塩の濃度が高くなると、水槽は多くの種類のコケや藻にとっての素晴らしい成長の温床となってしまう。

水槽内においては、生物が排出する老廃物などによってリン酸塩濃度が5~10mg/ℓ程度まで上昇することがある(水草が自生する自然の熱帯河川で我々が測定したリン酸塩濃度は、0.1~1.0mg/ℓの範囲であった)。

リン酸塩濃度が高過ぎる水槽は、たとえそれによる水草へのダメージが認められなかったとしても、藻やコケの大繁殖という目に見えない危険性を抱えているのである。藍藻あるいはヒゲ状藻/ハケ状藻などはすべてリン酸塩の愛好者であり、水槽にとっては歓迎されざる客である。

リン酸塩試薬(DuplaTest PO4)を用いて定期的に水槽のリン酸塩濃度を測定することによって、藻やコケの繁茂を事前に知ることができる。しかし藻やコケの繁茂を防ぐ最も効果的な方法は、適切な水替えと成長の早い水草を多く植え込むという予防策なのである。


水銀灯が備えられた2基のDuplarium(デュプラリウム)。
1984年頃の写真である。水草が良好に成長している水槽では
藻やコケの繁茂は見られない。


DuplaTest PO4 
定期的にリン酸塩濃度を測定することで、水槽が藻やコケの繁茂する
危険な状態であるかどうかを知ることができる。





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