土曜2時50分発のエミレーツ空港関西空港行に搭乗するため、少し早いが19時にドバイ空港入りする。出発ゲートの第14ゲートの隣にあるファーストクラスラウンジに会社で半強制的に作らされるダイナースクラブカードで入ることができる。このラウンジは、ダイナースクラブカードで入れるラウンジではもしかすると世界で一番豪華なのではあるまいかと思うくらい充実している。残念ながら日本食はないが、中華、インド料理のビュッフェがあり、ペストリーやオードブル、デザートなどの種類が豊富だ。また、コーヒー、紅茶にジュースはもちろん、ビール、ワイン、ウィスキー、あらゆる種類のお酒がそろっている。(下の写真)
ここで夕食をとろうとしていると、私の座っているテーブルに体格のいいアラブ人が来て座っていいかと聞く。服装はドバイでよくみる民族衣装と同じように見えるが、きれいにひげをそっている。もちろんと答える。UAE人にしては妙になれなれしいので、お国はどちらで、と聞く。カタールから出張で来ているビジネスマンとわかる。あなたは日本人でしょう、英語のアクセントでわかります、と言われる。日本には行ったことはないが、彼はカタールで大手の日系企業と一緒に仕事をしていたことがあるらしい。自ら素潜りでしとめたまぐろを自宅でさばいて、日本人の友人が連れてきた寿司職人に寿司をにぎってもらった経験を話してくれる。「ラストサムライ」はもう五六回も観たという。トム・クルーズはプラスティックのように人工的で大嫌いだが、渡辺謙他が演じる日本の侍が見せる恥よりはむしろ死を選ぶ姿に魅了されるのだと言う。武士道とアラブ人の文化に共通する部分があるのかもしれない。
私が、「アラビアのロレンス」が好きな映画だと言うと、憮然として私がロレンスの何を知っているのかと聞く。確かに彼はイギリス軍の手引きをしたが、良心の呵責にあって、戦後アラブ人の国家の建設に尽力したではないか、と言ってみたが、彼のロレンス観は必ずしもポジティブでなさそうだった。一般的にアラブ人から見たロレンス像はそうなのだろうか。
彼はここ五六年の日本の変化は非常に残念だと言う。小泉政権がイラクに対する米国の政策を全面支持したことを指して言っているようだ。私が、日本が自衛隊を派遣したのは平和維持活動のためで日本人はイラクで一人も殺していないと言っても、米国を支持して兵士まで送っているのだから同じことだ、ととりつくしまがない。彼は米国のやったことが完全に誤っていたことは、今のイラクを見ればわかるだろうと言う。多くの日本人は自衛隊の派遣に賛成ではなかった、と言い返すのが私にとって精一杯だった。
先輩の駐在員の方から聞いた、アラブ人と友人になるのは難しいと聞いたがどう思うか、と聞いてみる。それはドバイにいるからで、カタールやオマーンではそうではない。ドバイは金儲けをする場所で、そこにいるアラブ人もそういう目的を持っているからだと言う。そうかもしれないと思った。
この際なので、ムスリムがなぜひげを生やすかについても聞いてみた。彼によれば、エジプトなどにひげを生やしていないムスリムはたくさんいるし、ムハンマドもひげを生やすべしと言ったことはなく、ひげを生やすなら短く清潔にすべきと言っただけだと言う。
ムハンマドは隣人であるユダヤ人がムハンマドの庭先にいつもごみを捨てても怒らず、そのユダヤ人が三日間姿を見せないと言って、心配して病気の彼を見舞い手当てしてやる話を聞かされる。私が、それはキリスト教の汝の隣人を愛せよという教えと同じに聞こえると言うと、そうだ同じだ。キリスト教とイスラム教が対立していると考えるのは、クリスチャンとムスリムがけんかをしてくれた方が都合がいい一部の人間が仕向けている考えに過ぎないと言う。我が意を得たりと思った。
私も彼もだんだん夢中になって、空港のアナウンスで彼が名前を呼ばれるまでかれこれ2時間はおしゃべりをしていた。またどこかで会いましょうと言って握手をして別れるが、もう二度と会わないかもしれないという気安さから、お互い本音が話せたのではないかと思う。アラブ人の本音が聞けた初めての経験だった。
ここで夕食をとろうとしていると、私の座っているテーブルに体格のいいアラブ人が来て座っていいかと聞く。服装はドバイでよくみる民族衣装と同じように見えるが、きれいにひげをそっている。もちろんと答える。UAE人にしては妙になれなれしいので、お国はどちらで、と聞く。カタールから出張で来ているビジネスマンとわかる。あなたは日本人でしょう、英語のアクセントでわかります、と言われる。日本には行ったことはないが、彼はカタールで大手の日系企業と一緒に仕事をしていたことがあるらしい。自ら素潜りでしとめたまぐろを自宅でさばいて、日本人の友人が連れてきた寿司職人に寿司をにぎってもらった経験を話してくれる。「ラストサムライ」はもう五六回も観たという。トム・クルーズはプラスティックのように人工的で大嫌いだが、渡辺謙他が演じる日本の侍が見せる恥よりはむしろ死を選ぶ姿に魅了されるのだと言う。武士道とアラブ人の文化に共通する部分があるのかもしれない。
私が、「アラビアのロレンス」が好きな映画だと言うと、憮然として私がロレンスの何を知っているのかと聞く。確かに彼はイギリス軍の手引きをしたが、良心の呵責にあって、戦後アラブ人の国家の建設に尽力したではないか、と言ってみたが、彼のロレンス観は必ずしもポジティブでなさそうだった。一般的にアラブ人から見たロレンス像はそうなのだろうか。
彼はここ五六年の日本の変化は非常に残念だと言う。小泉政権がイラクに対する米国の政策を全面支持したことを指して言っているようだ。私が、日本が自衛隊を派遣したのは平和維持活動のためで日本人はイラクで一人も殺していないと言っても、米国を支持して兵士まで送っているのだから同じことだ、ととりつくしまがない。彼は米国のやったことが完全に誤っていたことは、今のイラクを見ればわかるだろうと言う。多くの日本人は自衛隊の派遣に賛成ではなかった、と言い返すのが私にとって精一杯だった。
先輩の駐在員の方から聞いた、アラブ人と友人になるのは難しいと聞いたがどう思うか、と聞いてみる。それはドバイにいるからで、カタールやオマーンではそうではない。ドバイは金儲けをする場所で、そこにいるアラブ人もそういう目的を持っているからだと言う。そうかもしれないと思った。
この際なので、ムスリムがなぜひげを生やすかについても聞いてみた。彼によれば、エジプトなどにひげを生やしていないムスリムはたくさんいるし、ムハンマドもひげを生やすべしと言ったことはなく、ひげを生やすなら短く清潔にすべきと言っただけだと言う。
ムハンマドは隣人であるユダヤ人がムハンマドの庭先にいつもごみを捨てても怒らず、そのユダヤ人が三日間姿を見せないと言って、心配して病気の彼を見舞い手当てしてやる話を聞かされる。私が、それはキリスト教の汝の隣人を愛せよという教えと同じに聞こえると言うと、そうだ同じだ。キリスト教とイスラム教が対立していると考えるのは、クリスチャンとムスリムがけんかをしてくれた方が都合がいい一部の人間が仕向けている考えに過ぎないと言う。我が意を得たりと思った。
私も彼もだんだん夢中になって、空港のアナウンスで彼が名前を呼ばれるまでかれこれ2時間はおしゃべりをしていた。またどこかで会いましょうと言って握手をして別れるが、もう二度と会わないかもしれないという気安さから、お互い本音が話せたのではないかと思う。アラブ人の本音が聞けた初めての経験だった。