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謎の擲弾銃

2008-09-17 18:04:47 | ミリタリーコレクション
先月の事になりますが、興味深い動画を発見したので、
紹介したいと思います。
てき弾銃開発試験映像



これは防衛庁(当時)において開発されていたもので、
対戦車・対人の汎用火器として研究・開発されていました。
私個人、「戦艦ミズーリの長い影」(小川和久・著)において言及されているという程度の知識しか
持ち合わせておりませんので、詳しくは下総ミリタリースクエアさんの7月26日の記事を参照してください。

さて、そちらの記事も参考にしつつ、こちらでも考察してみたいと思います。

この擲弾銃最大の注目点は後方爆風をゼロにし、
壕内や市街地において安全に使用できると言う点に尽きると思います。

同時期のこの手の火器としては自衛隊で使用されていた89ミリロケット発射器(いわゆるバズーカ)をはじめとして
RPG(ソビエト)やパンツァーファウスト1(ドイツ)などのように後方に危険域が存在し、
壕内から射撃することはできません。
その点を不満に感じて研究を始めたのではないかと想像されます。

また、弾薬が2種類あり、対装甲用と対人用に使えるという点も見逃せません。
汎用性が高いわけです。

しかし、反動をばね力(?)によって相殺する方式を採った結果、
動画に見られるように「やたら大きな反動」となってしまったわけで、
反動が大きい分、命中精度が悪くて使い物にならなくなってしまい、
結果としてお蔵入りしたしまったようです。
(補足しておきますが反動が大きいと射手が発射の際に体をこわばらせてしまい、
照準が大きく狂って命中が悪くなるといった事態も発生します。)
また、66mmという小口径は対戦車用としてどこまで通用したのか、疑問が残ります。

世界的に見て、ひじょうにユニークな部分を持ったこの擲弾銃ですが、
どんなに優れたコンセプトを備えていようと使い物にならなければ
結局は「絵に描いた餅」でしかありません。
もっともこの銃の場合は開発フローに問題があったようで、
時間をかけていったい何をやっていたんだろうか、との感想を持ってしまいます。

何にせよ、開発を担当していたメーカー(銃本体:豊和工業 弾薬:ダイキン工業のちに日産自動車)の苦労は計り知れません。

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4 コメント

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Unknown (ボタ)
2008-09-17 23:28:40
映像に歴史がww
しかし反動大きいなぁ。
日産自動車の前身ってそんなものまで
作ってたんだ・・・知らなかったす。

M4にM203ショート着けてみたいけど
きっとお飾り状態になるので
購入までには至らないなぁ。
威圧感のあるビジュアルは
ファッションとしてはありなんだけど。

C-MAGなら本気でいつか欲しいですがw
返信する
Unknown (doorgunner)
2008-09-18 18:14:08
日産自動車は以前は防衛関連(正確には宇宙航空事業)をやってたのですが、
経営再編の際に手を引き、現在はIHIエアロスペースが業務を引き継いでいます。
92式地雷原処理車やMLRS、
110mm個人携帯対戦車弾(パンツァーファウスト3)とか。

トイガンのグレネードランチャーは私も欲しいのですが、
実用性が・・・。
費用対効果の面で厳しいです。
返信する
Unknown (カウンターマス怖い)
2008-09-22 10:49:47
LAMの後方爆風とか味わったら欲しくなりますね。
でも、壕内でこいつ持った射手の後ろを、
「ちょっと通るよ~」
なんて迂闊に通過したら、
恐ろしくストロークの長い遊底(?)の一撃を食らって、後方へ送られそうですな…
結局、反動も威力も小銃擲弾と大差なかったのではないでしょうか?
小銃擲弾も立ち撃ちで発射するとものすごい反動ですから…
返信する
Unknown (doorgunner)
2008-09-22 22:52:34
LAMの後方爆風ってけっこう凄いんですか?
名目上はカウンター・マスのおかげで弱まってると聞きましたので、
弱いと思ってたんですが・・・。
ま、広告は鵜呑みにできないってことですかね。

この擲弾銃の威力に関しては分かりませんが、66mmという口径からして限定的だったのではないでしょうか?

ところで新しい小銃擲弾はかなりの低反動との事なんですが、どうなんですかね・・・?
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