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厚木市桜山移動運用 2/2

2017年11月16日 12時09分16秒 | 同軸コリニアアンテナ

同軸コリニアアンテナは、430MHzで他の八木、ループ、メーカ製GPと比べて都市部に於いて少なくとも7-10dBノイズフロアが低い。

当初ループ系ならば同様にノイズが低いのでは?と考えたのだが・・実験してみるとループアンテナもノイズフロアが高かった。

ノイズフロアはラジエータのショート構造が影響している訳ではなかった。

メーカ製GPがノイズっぽいのはHFのバーチカルアンテナと同様の原理だ。では八木、ループアンテナのノイズフロアが高いのはどうして?

色々考えてみたが仰角のビーム幅(主ローブの最大ゲインより3dB低下する幅)が影響しているとしか考えられなかった。

まず、14段同軸コリニアの仰角パターンを見てみよう。主ローブのビーム幅は8°。

では430MHz21エレF9FTのシングルではどうか?ビーム幅は28°でこれはエレメント数や八木・ループにはほとんど関係なく一段ではこんなもの。

水平のスタックでは仰角のビーム幅は変わらない。従って14段コリニアは他のアンテナよりも8/28=0.286

つまり近傍の地表からの電波を受信レベルが5.5dB低いはずだ。逆に言うと都市ノイズも同程度低くなると考えられる。

但し、アンテナの各数値はFreeSpaceに於ける解析値なので実際どうなるか実験しようと考えた。

比較には4段同軸コリニアアンテナを使った。なぜならば下図の通り仰角のビーム幅は24°だからだ。

つまり他のアンテナとビーム幅がほぼ同じ。

これが桜山で4段同軸コリニアと14段同軸コリニアの比較実験を実施した理由だった。

その結果、14段は4段と比較して標高280mでは50km以内の電界強度が5dB程度弱くなることがわかった。

更に25k以内では9dB近く弱かった。

(つまり同程度の利得を持つ八木・ループと比較しても同じことが起こっている)

標高280mで50km先は-0.32°だ。また25kmは-0.64°、10kmならば-1.6°である。

14段同軸コリニアのビーム幅の狭さが確認できた。

これをノイズフロアの実験を行った住宅地の高台標高40mへ換算すると・・

半径3.5km以内の水平面下の信号・ノイズは9dB弱くなる。半径7.5km以内の水平面下の信号・ノイズは5dB弱くなる。

地上高5mの屋根の上では半径1kmの信号・ノイズが減衰されるだろう。

また標高500m以上で16段以上のコリニアを使うと更に近距離の信号が弱くなることになる。

それでも遠距離通信が目的ならば問題ないが。

ノイズフロア実験を行ったラボで最終確認を近いうちに実施して・・報告書にまとめて来年のハムフェアのネタとするか!!


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