おじさん日記 ~Okinawa Self-Diving Log~

セルフダイビングのブログ。ログや写真や器材が中心ですが、その他ダイビングに関係ないことも好き勝手書いています。

APEKS XTX50ファーストステージ(DST)のオーバーホール

2016-10-03 17:09:26 | オーバーホール
APEKS XTX50(DST)のオーバーホールです。APEKSのレギュレーターは共通の規格が多く、9割はXTX200(FSR)と同じです。消耗品のサービスキットも同じもの。

XTX200ファーストステージの分解と仕組み↓
http://blog.goo.ne.jp/diving-snowman/e/e8c4ed2d6a2cae1ef31b60b17576161c
XTX200ファーストステージの組立↓
http://blog.goo.ne.jp/diving-snowman/e/d93c9dbb31eae59b08ac417b98ac4ea4
XTXセカンドステージの分解と仕組み↓
http://blog.goo.ne.jp/diving-snowman/e/625e036300e5d2121beecfb7678e73dd
XTXセカンドステージの組立↓
http://blog.goo.ne.jp/diving-snowman/e/8c22374b8a5d672ad8b5095fb4cd091d

セカンドステージに至っては他のモデルと全く一緒なのでここでは書きません。上記のURLを参照してください。ファーストステージに関しても9割は同じなので、上のXTX200と違う点を中心に紹介していきます。ですので、上記のURLを参照しながら今回の記事の内容を見るようにしてください。


今までと同様に、メーカーのメンテナンスマニュアルの順に作業していきます。

まずは分解から。

【ホースとプラグの取り外し】

これは全く一緒。

【バランスプラグ一式の取り外し】

これも工程としては全く一緒。


XTX50はスイベル機能がある関係で、大きな2つのOリングのサイズがXTX200と違います。詳細は組立の時に。

【タレットの取り外し】
ここがXTX200にはない部分です。XTX50には中圧ホース接続部分が回転するスイベル機構があります。


バランスバルブが外れていれば、これは引っ張ればすぐに外せます。Oリングと青のスラストワッシャーが付いているので外す。APEKSのレギュレーターでワッシャーが使われているのはここだけ。

【ドライシールドチャンバーの取り外し】

XTX200の時と同じように、引掛ピンスパナを使って緩めます。


XTX200は再利用できるダイアフラムを使っているのに対し、XTX50は毎回交換する透明なダイアフラムを使っています。1年使用して黄色く変色していますね。


その下の部分も引掛ピンスパナで緩める仕組みになっているので同様に緩める。ちなみにXTX200の時はここは六角形だったのでモンキレンチで緩めました。


その内側にある部品は全く同じ。オーバーバランスダイアフラムも全く同じ仕組みです。

【ヨーククランプの取り外し】

手順は全く一緒です。


XTX50の場合、ファーストステージ本体が円筒形なので、ヨーククランプの付け根にこの黒いスペーサーが付いていることのみが違うところ。


XTX200以外はリムーバブル高圧シートはなく、高圧シートはボディと一体型になっているので高圧シートの取り外し手順はありません。


これで分解終了。洗浄して組立に移ります。

ここからはXTX50ファーストステージの組立について。分解と逆の手順です。

【ヨーククランプの取り付け】
リムーバブル高圧シートがないのでここからスタート。


ボディとの間に黒のスペーサーが入る他はXTX200と同じ。締付けトルクも同じです。

【ドライシールドチャンバーの取り付け】

ここも全く一緒。バルブリフターを乗せて新品の灰色のダイアフラムを装着し、スプリングキャリアー、スピリング、ダイアフラムクランプをかぶせます。


締め付けはXTX200と違って引掛ピンスパナで。締め付ける強さは一緒で、「metal to metal contact」、つまり金属と金属が接触するまで。

【タレットの取り付け】
ここはXTX50特有の手順です。


メンテナンスキットの中で一番大きなOリング、AP1420をファーストステージ本体に取り付けます。


その後、スイベル機構を担うタレットを上から押し付けるように装着。


外側の隙間に青のスラストワッシャーを置きます。APEKSのレギュレーターは他のメーカーと違ってワッシャーを使っているところが全然ないのだけれど、この部分のみが例外になります。

【バランスプラグの取り付け】
手順としてはXTX200と同じですが、使用するOリングが変わってくる。


バランスプラグに3つのOリングを付けます。
外側の大きいOリングはAP1438で、2番目に大きなOリング。
真ん中のOリングはAP1410。規格はAS568-013。
内側にはめ込むOリングはAP1299で、このセットの中で1番小さなOリング。AS568-006。
この3つのOリングのうち、外側の2つのOリングがXTX200と違います。スイベル機構があるため一回り大きくなっています。


XTX200の時と同様に、スプリングをバランスプラグにはめ込んで新品の高圧バルブを慎重にファーストステージ本体の中に入れたら、バランスプラグの一式を取り付けます。締付けトルクは同じく8Nm。

ここまで終わったらプラグを付けて中圧値の調整をする。ここの手順もXTX200と同じ。

【ドライシールドチャンバーの組み立ての続き】
中圧値の調整が終わったら、ドライシールドチャンバーの組み立てを再開します。


トランスミッターを入れて、エンドキャップに新しい透明なダイアフラムをはめ込みます。XTX200と違って使い捨てのダイアフラムですが、メンテナンスキットに入っているので安心です。XTX200の時はメンテナンスキットのダイアフラムを使わずに余ることになる。


引掛ピンスパナで締め込んで完成。締め付けは、同じく金属と金属が接触するまで。

これで完了!細かい部品は違うところがありましたが、XTX50もXTX200も肝心の仕組みは全く同じで、吸気抵抗も同じ。なので、価格が安いXTX50の方がコストパフォーマンスは良いですね。


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