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めんたむさんVSそてつさん

2016-10-05 15:54:24 | 日記

8月20日(土)20時30分~


ピックアップ対局より。


高段者同士の一戦。

激しい攻防と読みがぶつかり合う、

迫力満点の対抗型の一局です。



先手 そてつさん

後手 めんたむさん


▲76歩△34歩▲96歩△44歩

▲48銀△42飛▲46歩(図)





ここで早くも後手が揺さぶりをかけます。



△45歩▲同歩△同飛▲68玉(図)





直接的に、この動きを咎めるのは

難しい。

一旦は駒組みを進めます。



△62玉▲78玉△72玉▲58金右

△32金▲47銀△41飛▲48飛(図)





△94歩▲46銀(図)






ここで再び、後手のレーダーが

戦機を捉えました。


△88角成▲同銀△65角(図)






▲56歩△同角▲47歩(図)






ここは大きな分岐点。


考えられるのは、ばっさり△46飛から

猛攻撃を仕掛けるか、

歩得を主張し、無難に駒組みを進めるか。


本譜は後者だったので、





ここで△46飛が成立するか、

独自に検証してみます。



△46飛▲同歩△29角成▲44角(図)





以下、考えられるのは


△33桂▲53角成△19馬。


次に△51香と打てたら成功。


ただ、囲いが未完成なので

▲48飛などを駆使して働かされると

アウト。

棋風によって見解が分かれそうです。







では、ここで


△46飛▲57金(図)




このように受けるのはどうか?


先に▲56歩と突き捨てた効果もある。


以下、考えられる進行は



△47角成▲同金△41飛▲58金(図)






▲58金は大事な一手で、

怠ると△39銀が厳しい。


図は、角銀交換だが歩切れ。

このあとは慎重な指し方が求められます。



本譜の進行を辿ります。







二つ例を挙げましたが、

いずれも何ともいえない形勢でした。


本譜は中盤戦らしく、

双方腰を据えた駒組みに進みます。


△62金▲57金△65角▲77銀△22銀

▲75歩△33銀▲55銀△35歩▲88玉(図)





▲88玉と寄った瞬間は不安定。

ここで戦いに持ち込むべく、

機敏な動きを見せます。


△44銀(図)




しかし、先手は見事な

切り返しを用意していました。



▲66銀上△76角▲78飛(図)





▲78金と上がっていれば

この角取りが成立しないのを考えると、

いわば「誘いのスキ」

だったかもしれません。


図から、どう指しても

▲76飛が受からないのが

お分かりだと思います。


序盤の段階から機敏な後手の

リードを奪い返すべく、

一本ホームランを決めました。






本譜の進行を辿ります。


△55銀▲76飛△66銀▲同飛△44飛(図)






▲86飛△84銀▲78金△54飛(図)





8筋に狙いをつけ、

銀を使わせてから▲78金。

このあたりは中盤戦においての大事な呼吸。


しかし、銀を使わせたという意味合いでは

▲78銀と美濃を構築するのも有力です。



角を二枚持たれてる以上、

普通に進めると不利に陥ってしまう。


ここで大きく揺さぶりをかけます。





△54飛(図)





▲66角と受けるのは△85銀打がある。

ここは強く対抗します。




▲56飛△24飛▲26歩△33桂(図)





このような動きの激しい展開では

一歩でも弱気を見せると

たちまち形勢を損ねてしまう。


本譜は例にもれず、

一気の終盤戦の展開も辞しません。


しかし、▲56飛とぶつけた局面で






△同飛▲同金△58飛(図)





実際に、一気に決着をつける順はどうか?


これには


▲65角△69銀(図)





この進行が予想されます。


▲79銀と受けるのは


△78銀成▲同銀△68金(図)





▲79銀と受けるのは、

△同金▲同玉△59飛成で危険。



戻って






ここでは▲68銀と受けるのが最善。


以降の研究は膨大なので省略しますが、

後手が一手でも攻め遅れると

▲65角の存在が大きいため

先手が良くなります。



本譜の進行を辿ります。









▲51銀(図)





△52金には▲41角を用意。

豊富な持ち駒を活かして

後手陣に食いつきます。


△61金▲21角△31金▲43角成△51金(図)





▲33馬△42金左▲11馬(図)





△75銀▲66金(図)





激しい攻防が飛び交う中盤戦。


双方、一切妥協のない応酬で

終盤戦に突入していきます。


△45銀▲59飛△66銀▲同馬△26飛(図)





▲86香(図)





右辺は要塞と化している後手陣、

唯一のほころびを左辺と

考えると、▲86香は

強大な主砲。


豊富な持ち駒を蓄えられて

▲83香成と突撃されると危ない。


一旦受けに回ります。





△82銀▲15角△28飛成▲75桂(図)






△24歩▲55飛(図)





▲42角成を防ぐとともに

角を無力化を図る△24歩、


対する先手、▲55飛と飛び、

銀取りとのちの▲85飛を狙います。





△69銀(図)






戦いはいよいよ終盤戦に。

歩切れで受けに困ったようですが、

うまく切り抜けます。



▲83桂成△同銀▲同香成△同玉▲79歩(図)





左辺を破ると共に、

受けの名手である底歩を投入。


すぐには攻め切れないと共に、

次に▲85飛が厳しい後手、


ここは格言に沿った受けに回ります。





△72玉▲45飛△82香(図)






一旦早逃げをし、銀をとらせて△82香。


左辺さえ守れば怖い所がなくなるのを

考えると、この指し回しは

冷静かつ正確な判断。


長い戦いを経て、後手が大きく

ゴールに直進しました。







▲84銀(図)





・・と、いうのもつかの間。

左辺を直接破りにいくかのごとく、

先手から激しい勝負手が飛びました。


しかしここは堂々と応じます。


△84同香▲83銀△同玉▲84馬(図)






図は、文字通り勝負を決める

ふたつの分かれ道。


取るか、逃げるか。



しかし、後手に待ち受けていた運命は

非情なるものでした。






△同玉▲86香△93玉▲84銀(図)






図の局面で終局となりました。


△82玉には▲42飛成!があり、

ぴったり詰んでしまいます。



戻って





ここで△72玉と引けば、


難解ながら後手の勝ちだったようです。


以降、考えられる進行は


▲83銀△62玉▲44香(図)






△76金(図)





この手が△79銀からの詰めろで、

適当な受けも難しい。


ここまで冷静かつ正確に

指していた後手にとっては

とてつもなく惜しい将棋となってしました。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







本譜は、序盤から後手が

ビシビシ積極的に動く将棋で、

振り飛車党の方にうってつけ。


対して先手も、居飛車党らしく

堂々と構え、流れを察知した呼吸も

対抗型を研究される方に非常に参考になります。




めんたむさん、そてつさん、対局お疲れ様でした!

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