twitter将棋団体戦@観戦記

twitter将棋団体戦の観戦記です

太陽神さっさんさんVSKagetsuさん

2016-12-24 10:30:43 | 日記

9月3日(土)21時~

 

相振り飛車の一戦。

先手の意欲的な構想に後手は堅陣で迎え撃つ。

先手の小技を軽手で切り返し、のちに大技をかけた

後手の反撃にも注目です。

 

先手 太陽神さっさんさん

後手 Kagetsuさん

 

▲76歩△34歩▲16歩△44歩▲56歩△32銀

▲58飛△43銀▲68銀△32飛(図)

 

先手の中飛車に対して後手は三間飛車。

序盤構想が最も大切ともいわれる「相振り飛車」に定まりました。

本譜の双方の構想に要注目です。

 

▲57銀△52金左▲55歩△64歩▲56銀

△63金▲96歩△94歩▲38金△74歩▲48銀

△72銀▲49玉△62玉▲77角△71玉(図)

 

 

本局は、太陽神さっさんさんが作成された自戦記が

記録されています。本記事と合わせてご覧ください。

 

http://sp.ch.nicovideo.jp/chot_soyer/blomaga/201609

 

▲86歩△35歩▲85歩△82玉▲15歩△73銀(図)

 

 

8筋を伸ばし、攻めの足掛かりの一つを主張。

対する後手、高美濃から矢倉に組み換え

厚みを強化させます。

 

▲66歩△72金▲86角(図)

 

 

△36歩▲同歩△同飛▲37歩△32飛▲77桂(図)

 

 

次に▲65歩や▲68飛から6筋を狙えば

▲86角との連携が強く攻略が望める。

一見、後手が困ったようですが・・

 

△62金寄(図)

 

この一手が6筋を受ける唯一の一手。

▲65歩△同歩▲同桂に△64銀と上がった時、

▲64角△同金▲53桂成を防いでいます。

 

 

これは角換わり腰掛け銀の一局面。

ここで△42金と寄るのが本譜同様の▲45歩の受け方で、

この金寄りは戦型問わず大いに応用が利く手筋です。

本譜に戻します。

 

 

▲65歩△同歩▲同銀△64歩▲56銀△34飛(図)

 

 

△65歩を▲同銀と取り、一歩を入手。

後手は浮き飛車に設置させ、攻守ともに

バランスのとれた構えをみせます。

先手は入手した歩を活かすべく、戦線を拡大し

リードを狙います。

 

▲95歩△同歩▲同香△同香▲同角(図)

 

 

端に狙いをつけたのが機敏な動き。

守りと香と攻めの香の交換と考えると

難解ながらも成功と考えられます。

ただ、この瞬間に反動が生じたのも事実。

それを後手は見逃しません。

 

 

△75歩▲67銀△76歩▲同銀△45歩

▲56飛△74歩(図)

 

桂頭を責める△75歩が、▲95角の瞬間を

捉えた鋭い切り返し。

▲67銀と撤退させ、△45歩と角道を通して

一気に視野が広がりました。

 

▲86角△44銀(図)

 

一旦は角を引き揚げ様子をうかがう先手。

対する後手、△44銀と進出し飛車の圧迫を狙います。

先手はそれを回避しつつ、後手の弱点を捉える

勝負順を繰り出します。

 

▲26飛△24歩▲23香△33角▲21香成(図)

 

▲26飛が、△22角・△34飛型の隙間を

かいくぐる細かい動き。

△24歩で一旦は受かるものの、直後の▲23香が

駒得を確定させる厳しい一手。

 

 

戻って、ここで△24香と受けるのはどうか。

一見、手放すようでもったいないですが、

2筋は左辺に比べると先手の弱点でもあり、

端を活かした1筋からの逃走も防げます。

 

 

ただ、▲16飛(図)と逃げると局面自体は互角。

先手の香は5筋・6筋など自由に使えるので

このあとの応酬でどちらがリードを奪えるかの

将棋になると考えられます。

本譜に戻します。

 

一見は先手の勝負順が実りリードしたようですが、

次の三手一組が後手の待望の反撃でした。

 

△55銀▲11成香△44角(図)

 

駒得は確定しましたが、それを実現させるために

▲26飛と回った位置、この機を後手は

待っていました。△55銀と出たのは、

△44角と進出し飛車に圧迫をかけるためで、

のちに△11角と成香を捕獲できるのも強みです。

 

ここで▲16飛は後手の注文通りなのが辛いところ。

飛車取りを手抜いて自陣を整えますが・・

 

▲67銀△26角▲同歩△89飛(図)

 

▲67銀と引き、▲58銀など守りに使うなど

将来的に大いに有効な一手ですが、この場合は

飛車をとっての△89飛の両取りが厳しい。

ここは角を取らせ、端の弱点、小駒を駆使し

後手の技に負けない反撃で迫ります。

 

▲78銀(図)

 

△86飛成▲94桂△93玉▲99香△96歩▲43角(図)

 

後手玉を端に追いやり、香車を設置し

▲43角と飛車・竜に狙いをつける。

たった5手の間で攻めの急所・拠点を

的確に捉えました。対する後手、

ここは一旦飛車を逃げるよりありません。

 

△44飛▲87角成△同竜▲同銀△88角(図)

 

 

竜と角の交換に応じ、その瞬間手番を

握った後手、△88角とおろし

攻めの根本である香・桂馬に狙いをつけます。

先手としては、特に香を取られるのはまずい。

この瞬間に技を仕掛けます。

 

▲91飛△92香▲96香(図)

 

▲91飛と退路を防ぎ、▲96香と走ったのが

△88角の裏をかく素早い動き。

先手が手順を尽くし、後手玉を直接狙える

態勢を築きました。

 

 

戻って、ここで△88角に代えて

 

△91香(図)

 

 

このように受けるのはどうか。

▲71飛は△72角、🔺96香は△88角や

△75角でどうか。

▲91飛を打たせない考え方としては有力です。

本譜に戻します。

 

 

 

△95歩▲同香△77角成▲96歩△72角(図)

 

香車の突破を防ぐべく△77角成としますが、

この瞬間、▲82桂成ならば即詰みが生じていました。

本譜は▲96歩と土台を守り、確実な寄せを目指します。

対する後手、△72角が△81桂を手堅く守る

強靭な受け。まだまだ熱戦が続きます。

 

▲82桂成△同玉▲92香成△71玉

▲78金△66馬▲59香(図)

 

 

奪った香を59に設置し、自陣の強化を図ります。

ここで銀を取られては面白くない。

手番を守りながら先手玉に迫ります。

 

△56桂▲57銀△同馬▲同香△61金(図)

 

△56桂と大きな拠点を設置、

直後に馬を切り飛ばし△61金と引き、右辺を

広くさせ先手の攻めを逃れます。

緩急自在の指し回しで後手が追い上げますが、

ここで先手が厳しい反撃を繰り出します。

 

 

▲93角△62玉▲81成香(図)

 

 

▲93角が、左辺を完全に食い破る急所の一手。

△62玉とかわしますが、▲81成香と進軍できたのは

先手にとって大きなポイント。

 

 

戻って、ここで△56桂~△57馬と、

馬を切り飛ばし先手を弱体化させる順に代えて

 

△82銀(図)

 

この一手はどうか。▲同成香よりありませんが、

△同玉▲95飛成とさせて本譜順で迫れば、

いくらか自陣の安全を確保しながら先手玉を狙えます。

本譜に戻します。

 

 

 

後手は自陣の受けは難しい。

攻め合いに転じ、スピード勝負にすべてを懸けます。

いよいよ最終盤の幕開けです!

 

△65桂▲56香△同銀▲55桂△57桂成(図)

 

▲71成香△82銀打▲72成香△同金▲51角(図)

 

持ち駒を投入し手堅く受けながら

先手玉に迫りますが、角を奪っての▲51角が

急所を捉えた厳しい一手。

後手としては、先手の攻めを耐えたのちに

△47銀成を間に合わせたい。

 

△52玉▲33角成△91銀▲63桂成△同玉

▲44馬△82銀引(図)

 

△91銀を飛車を奪い、先手玉に迫れる強力な駒を確保、

つづいて△82銀とひきつけ、角の撤退を迫ります。

対する先手、ここで引いては反撃を許してしまう。

持ち駒を駆使して後手玉に強く迫ります。

 

 

▲55桂△73玉▲84金△62玉▲63歩

△71玉▲53馬△81玉(図)

 

ここで自玉の安全を見切り必至に追い込む

決め手がありました。

 

▲82角成△同銀▲62歩成(図)

 

現状、後手に角を渡しても先手はぎりぎり詰まない。

それを見越して▲82角成、▲62歩成と

一気に追い込みました。

 

△84歩▲72と△92玉▲82と△同玉

▲64馬△73桂▲91銀△83玉▲82金

△94玉▲95飛(図)

 

△84歩と金を奪い、先手にも必至をかけますが

▲72と以下即詰みが生じていました。

最終盤からの先手の強い踏み込みが光り、

金銀で覆われた堅陣の後手陣を攻略しました。

 

図の局面で終局となりました。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

本局は、序盤から双方の構想が真っ向からぶつかり、

中盤に入っての小技・大技の応酬、

最終盤においての、手番を握らせない先手の攻め、

手筋がちりばめられた攻防戦が随所に見られます。

 

Kagetsuさん、太陽神さっさんさん、対局お疲れ様でした!

 

 

 

 


かるこえさんVSモナスさん

2016-12-23 16:55:33 | 日記

9月4日(日)19時~

 

普段からの絡みは勿論、

対局開始直前にツイキャスを通じて

ヒートアップした煽り合いなど

「因縁の対決」などと謳われた(?)伝説の一戦。

戦型は、互いに万全な態勢を築ける相矢倉戦に。

果たしてどんな将棋になったのでしょうか。

 

先手 かるこえさん

後手 モナスさん

 

▲76歩△84歩▲68銀△34歩▲77銀

△62銀▲66歩△42銀▲56歩△54歩▲58金右

△32金▲67金△52金(図)

 

オーソドックスな矢倉の出だし。

何気ない駒組み戦ですが、ここで先手が工夫をみせます。

 

▲68玉△41玉▲78玉△33銀▲79角

△31角▲48銀△44歩(図)

 

先手の構想は「早囲い」。

この主たる狙いは

 

 

ここから矢倉(▲88玉入城の完全形)を目指す

ものとします。

▲78金▲69玉▲68角▲79玉▲88玉(図)

 

これが通常の組み方。

しかし、早囲いの組み方は

 

▲68玉▲78玉▲88玉▲78金(図)

 

この時に、「▲68角と上がらずに▲35歩(図)が狙える」

 

これが大きな利点。▲68角と上がるより

一手得して歩交換を目指すことが出来ます。

長くなりましたが、本譜に戻ります。

 

▲88玉△74歩▲36歩△43金▲37銀(図)

 

△64角(図)

 

対する後手、△64角と進出し▲37銀を

けん制、先手と同様に玉の入城を目指します。

 

▲78金△31玉(図)

 

▲35歩(図)

 

早囲いからの一貫しての狙いですが、

これは後手が罠を仕掛けていました。

 

△35同歩▲同角△36歩(図)

 

この切り返しがすこぶる厳しい。

△62銀を△73銀と上がらずに保留していたのも

このためで、▲65歩に△73角と引く余地を作っています。

先手は銀損の回避は困難。被害を最小限におさえます。

 

▲65歩△73角▲46角(図)

 

△37歩成▲同桂(図)

 

▲46角と引き△37歩成ととらせ、

▲37同桂で取り返せる工夫を施します。

これにより▲25桂やのちの▲46歩~▲45歩の

反撃が視野に入りました。

それを実現させては紛れが生じる後手、

先手の狙いを防ぐ好手を放ちます。

 

△36銀(図)

 

この銀打ちが、桂馬を狙いながら

先手の反撃をおさえる手堅い一手。

駒得の銀を最大限に活かした方針ともいえます。

先手は現状、戦力が不足しているのが厳しい所。

じっと耐え、反撃のチャンスを待ちます。

 

▲73角成△同銀▲34歩△同銀▲68飛△37銀成(図)

 

▲15角(図)

 

先手は、この一手を実現させるために

手順中▲34歩とたたき、▲68飛とかわし

駒得を広げる△37銀成、この瞬間を狙っていました。

情勢は依然として厳しいですが、馬の成り込みに

成功したのは大きなポイントです。

 

△47成銀▲51角成△24角▲61馬△57成銀(図)

 

しかし、△24角も▲15角に負けない好手。

馬と交換させるわけにはいかない先手は

▲61馬とかわしますが、△57成銀が

先手玉に迫る大きな一手。

自陣は薄くなりますが、ここは刺し違えて

反撃に望みを懸けます。

 

▲57同金△同角成▲52銀△33金寄▲63銀成(図)

 

奪った銀をすぐさま後手陣に放ち、急所の

△43金を狙いにつけます。

▲63銀成とした局面、ここで△68馬は

▲同銀と取り返し、角をラインを中心とした

強力な反撃を展開できる。

先手が追い上げてるようですが、ここで

冷静かつ厳しい一手がありました。

 

△85桂(図)

 

飛車ではなく、▲77銀を責めるのが

先手の最大の急所。

ここで銀をかわすのは、そこで△68馬と飛車をとり

直後に二段目におろせば、銀を吊り上げた効果により

金を受ける術がなくなっています。

 

先手としては、ここまで迫られると

受けきって反撃に移る展開は難しい。

攻め合いに転じ、最終盤につながる勝負に打って出ます。

 

▲73成銀△同桂▲64歩△77桂成▲同桂

△68馬▲同金△38飛(図)

 

銀を奪い、6筋にプレッシャーをかけた先手に対し

△77桂成~△38飛と迫ったのが決め手の第一歩。

先に述べたように、▲77銀を取られた状態で

飛車をおろされるのは受けが非常に難しい。

 

▲78玉△57銀▲69銀△68銀成▲同銀△88金(図)

 

寄せの手筋を駆使し、先手玉を追い詰めます。

最後の△88金が確実に逃さない一手。

ここから即詰みに討ち取ります。

 

▲67玉△66銀▲同玉△68飛成▲67銀△57銀(図)

 

図の局面で終局となりました。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

本局は、先手が築いた早囲いに対して

△64角・△62銀で待機した後手の構想が

仕掛けを誘い、そのままリードを握ることができました。

先手も鋭く反撃・勝負手で迫りましたが、

後手の受け・攻めは冷静そのもの。最後まで

リードを保ち鋭く先手陣を攻略しました。

 

これでお二人の対戦成績は1勝1敗。

となると、最後は決着をつけなければいけませんね。

 

・・なんと、それが今日(12月23日)に開催されるとのこと!

これは皆さんで応援ですねっ"(-""-)"

 

かるこえさん、モナスさん、本局の対局お疲れ様でした!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


獅子舞さんVSPopさん

2016-12-23 15:28:35 | 日記

9月4日(日)19時~

 

対抗型の一戦。

居飛車の先手、対振り飛車戦において万能とされる

構想を目指します。

対する後手、それを防ぎながら、機敏に銀を繰り出し

先手陣に揺さぶりをかけます。

双方の主張がぶつかる序盤戦から

目の離せない展開です。

 

先手 獅子舞さん

後手 Popさん

 

▲26歩△34歩▲25歩△33角▲76歩

△44歩▲48銀△22飛(図)

 

▲68玉△62玉▲78玉△72玉▲96歩△94歩(図)

 

 

▲46歩(図)

 

後手の向かい飛車に対して、先手は▲46歩。

「▲36歩・▲37桂・▲47銀・▲56銀」の

形を目指し、のちに▲48飛と回り、飛角銀桂の四枚で

4筋を狙う構想を目指します。

 

△42銀▲47銀△43銀▲36歩△82玉

▲77角△72銀▲37桂(図)

 

△54銀(図)

 

 

△52金左の優先させるのではなく、△54銀と

繰り出したのが先手の構想をけん制しながら

△65銀を狙う機敏な一手。

また、△52金左を保留したのは

もう一つの理由がのちの展開で考えられます。

 

 

▲66歩△64歩▲58金右△65歩(図)

 

▲66歩と突き、持久戦をみせながら

△65銀を未然に防ぎます。

対して、△64歩~△65歩と6筋に的を絞る後手、

さきほど、「△52金左を保留したもう一つの理由」

というものは

 

この局面で、先手の受け方によっては

「△62飛」と転換し攻めに参加させる狙いが

秘められており、これも△52金左を保留した効果です。

まともに狙いを実現されてはまずいので、

ここは手堅く受けます。

 

▲67金(図)

 

先の▲58金右と関連付ける上部を守る一手。

対して△62飛は、▲65歩△同銀▲66歩で

突破を防ぐことが出来ます。

 

△66歩▲同角△65銀▲75角△66歩(図)

 

△66歩と取り込み、銀を繰り出して6筋の攻めに

活を見出す後手。▲75角にひるまず△66歩が

好手で、先手に▲66歩と受けるスペースを封じます。

 

▲77金△52金左▲56歩△63金(図)

 

▲77金と逃れた先手に対し、一旦は

△52金左~△63金と自陣を引き締めます。

場合によっては、5筋を守って△74金~△85金が

もう一つの狙い。

先手はここで嫌味を解消します。

 

▲66金△同銀▲同角(図)

 

金・銀の交換は、通常は金を確保できる側が得ですが

本譜の場合は△66歩を奪ったことによる歩得が

先手の主張。

また、手順中

 

 

 

ここで、△66同銀に代えて

△74歩(図)

 

金を取らず、角を責める△74歩には

 

▲65金△75歩▲64歩△62金▲75金(図)

 

角を犠牲にして銀を奪い、▲64歩の大きな拠点を築いて

歩得を広げるのが変化の一つです。

図以下は、△45歩に▲77桂と跳ね、

△66角打▲55銀△39角成▲68飛で難しい将棋。

本譜に戻します。

 

 

 

 

△65金▲88角△76金(図)

 

△65金は、歩損を解消しつつ角を狙える

素早く対応、先手の動きにぴったりつけます。

同時にゼロ手で△76金と進出できるのも主張。

対する先手、▲68金や▲67歩なら穏やかだが

△76金を真っ向から咎める強手順で後手に対抗します。

 

▲65銀△75金▲68飛(図)

 

金を撤退させ、▲68飛と銀にひもをつける。

次に▲76歩と打てたら刺し違えに成功。

しかし、ここで後手が切り返しを用意していました。

 

△66歩(図)

 

この一手が、飛車・角を同時に防ぎながら

▲65銀の逃げ場を奪う好手。

先手としてはこの銀を取られるわけにはいかない。

 

▲77桂(図)

 

銀にひもをつけながら桂馬を活用させますが、

ここで玉と飛の至近距離を狙った

後手の厳しい順があります。

 

△65金▲同桂△67銀▲同飛△同歩成

▲同玉△39飛(図)

 

飛車を奪って、△39飛とおろした手が

金・桂馬取りを確定させる厳しい一手。

戻って、さきほど

 

ここで▲77桂に代えて、

 

▲66飛△同金▲同角(図)

 

このように進めるのはどうか。

本譜と同様、飛車を渡す展開になりますが、

▲78玉が動かされてないので両取りがかからない点、

▲77桂~▲95歩と端を狙えば相当な迫力な点を

考えると、ひとつの考え方としては有力でした。

本譜に戻します。

 

▲58銀打△37飛成(図)

 

自玉に銀を投入、金銀の連結の高い堅陣を築いて

攻めに転じます。

 

▲63金△同銀▲同歩成△同金▲64歩(図)

 

金を打ちこみ、真っ向からの突破を図りますが、

ここからの後手の指し回しが絶品でした。

 

△同金(図)

 

▲53桂成△66歩▲同角△5金▲88角△66歩(図)

 

▲53桂成を許す代償に、△66歩~△65金と、

手番を与えない指し方。厳しく先手玉に迫ります。

最後の△66歩で、持ち駒の歩が

ぴったり足りているのも大きい。

後手が大きくゴールへ直進しました。

 

▲78玉△67金▲同銀△同歩成▲同玉

△47竜▲57金△75桂▲68玉△67銀(図)

 

 

図の局面で終局となりました。

先手の攻めの反動を捉えた、

後手の鋭い切り返しが光りました。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

本局は、先手の右四間模様をけん制した

早めの△54銀・△52金の保留、6筋からの開戦など

序盤から機敏に局面を動かしている後手の

振り飛車捌きは大いに参考になります。

先手の6筋においての防御、金の動きを捉えて

解消すればのちにリードを奪える大局観、

双方の水面下の駆け引きも指し手から想像でき、

白熱した攻防がみられとても熱くなりました。

 

獅子舞さん、Popさん、対局お疲れ様でした!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


おふろさんVSskrtさん

2016-12-20 16:51:21 | 日記

 

8月28日(日)19時~

 

対抗型の一戦。

後手の振り飛車に対して先手がどう受けて立つか。

厚みを重視した先手の構想、中盤戦において

軽快な捌きを狙った後手の動きに注目です。

 

先手 おふろさん

後手 skrtさん

 

▲76歩△34歩▲66歩△44歩▲48銀

△32銀▲68玉△42飛(図)

 

▲66歩と止め、振り飛車の可能性もありましたが

△44歩を見て▲48銀と上がり居飛車模様に。

△42飛と回り、戦型は「四間飛車」に。

しばらくは持久戦模様の駒組みが続きます。

 

▲46歩△43銀▲47銀△62玉▲77角

△94歩▲96歩△72銀▲78玉△71玉▲88玉

△82玉▲78銀△52金左▲58金右△64歩▲86歩(図)

 

 

双方穴熊も考えられたが、美濃囲いVS美濃囲いに。

通常、対四間飛車に美濃囲いはバランスが悪い

(△84歩~△73桂・△85歩の仕掛けが対策として有力)

とされてますが本局の場合、

・▲66歩と止めている

・腰掛け銀の構えなので手厚く組める

などのポイントを踏まえると安全かつ十分に戦える駒組み。

 

 

△54歩(図)

 

代えて△54銀は▲48飛と回れば△45歩は受かる。

△54歩と突き、低い構えからの捌きを狙いに行きます。

 

▲48飛△74歩▲87銀△84歩▲78金

△63金▲36歩(図)

 

△14歩(図)

 

先手が2筋を保留していることに着眼し、

△14歩と突き△13角の変化球を用意。

ここは相手の歩調に合わせます。

 

▲16歩(図)

 

抜かりのない一手で、△13角には

▲16歩を用意。簡単に狙いを実現させません。

現状は互いに仕掛けが難しく、手が出しづらい。

のちの戦いに備え、後手は囲いを発展させます。

 

△73桂▲67金右△83銀▲37桂(図)

 

先手と同様、銀冠を目指します。

しかし、▲37桂を見た瞬間、後手の目が光りました。

 

△32飛(図)

 

この飛車回りが▲37桂を咎めにいく機敏な一手。

△35歩からの交換が受からず、1歩を手にし

浮き飛車に構えれば捌きを狙いやすくなります。

対する先手、△32飛の瞬間に生じたスキを見抜き、

三手一組の順で駒を前進させます。

 

▲65歩△同桂▲66角(図)

 

あえて桂を跳ねさせて▲66角と出るのが

後手に負けない機敏な組み立て。

これにより、将来的に▲85歩~▲84歩と

玉頭を狙える攻撃が可能になりました。

対する後手、現状△61金が離れ駒ですが

玉頭攻めに対して△72銀と引く余地を考えて

このまま積極的に動きます。

 

△55歩▲同角△54銀▲66角△35歩

▲同歩△同飛(図)

 

5筋を突き捨て、△43銀を前進させて

▲66角をいつでも狙えるように銀を前進させます。

ついで3筋の交換、飛車が軽くなりました。

ただ、もう少し戦いの幅を広げる考えならば

 

△55歩▲同角に、△54銀に代えて

 

△35歩(図)

 

このように十字飛車を狙うのはどうか。

先手はこの瞬間に反撃を繰り出したいが、

△36歩と取り込んだ手が桂取りになるのが

後手の主張です。

局面を戻します。

 

本譜の順をたどります。

 

▲36歩△34飛▲45歩(図)

 

△55歩(図)

 

▲45歩に対して△55歩と打ち、4筋をガード。

先手としては4筋に活を見出したいので

銀の活躍に期待したい。ただ現状、すぐには

△36飛と走られるので、工夫を施します。

 

▲44歩△同飛▲46銀(図)

 

△55歩の効果により▲66角は遮断されていますが

飛車・銀・桂馬を兵力としているので迫力は十分。

対する後手、現状では△22角が捌きに参加しづらい。

活を入れ、先手に負けない兵力で対抗します。

 

△13角(図)

 

▲45歩△24飛▲28飛(図)

 

▲45歩は、振り飛車にとっては「打たせた」

意味合いが強い。▲48飛をすこしでも

重くさせようとする狙いがあります。

△24飛に▲28飛と回り、歩調を合わせて対抗。

しかし、次に恐ろしい狙いを秘めていました。

 

△72金▲35銀(図)

 

△72金は自然な一手だが、▲35銀が

一瞬で飛車を逮捕する痛烈な一手。

早くも先手が大きな戦果を挙げました。

戻って、

 

一旦△34飛と回るのはどうか。

▲35歩は下段まで引き、次に△36歩を狙う。

▲35銀も同様、次に△46歩を狙います。

また、もう少し激しく動くのならば

 

ここで▲45歩と打った手に対して、

△47歩(図)はどうか。

 

▲同飛は△24飛と回り、2筋が受からない。

▲44歩から飛車を刺し違えるのは

 

△48歩成▲41飛(図)

 

△72銀(図)

 

△72金ではなく、あえて△72銀と引いてみる。

これにより▲85歩~▲84歩の厳しさを

軽減させています。

図の局面は難解。一つの変化としては有力です。

本譜に戻します。

 

△25飛▲同桂△35角▲同歩△46歩

▲22飛△13桂▲33桂成△25桂▲61角(図)

 

大駒を見切り、△46歩にすべてを懸けますが

最後の▲61角が厳しい一手。

△47歩成が自陣に迫る前に、最短で後手玉を目指します。

 

△73銀▲25角成△75歩▲56歩△同歩

▲75角△77歩▲68金寄△55銀▲61馬(図)

 

△47歩成▲39角△78歩成▲同金△74歩(図)

 

▲39角はつぎに▲75桂のスペースを空けたのが

ひとつの狙い。対する後手の△78歩成~△74歩は

それを防いだもので、全力で粘りを強化させています。

しかし、ここで後手陣を揺るがす急所の攻撃がありました。

 

▲85歩△57歩成▲84歩△同銀左▲85歩(図)

 

▲61馬・▲22飛が△72金に狙いを定めているので

8筋を攻めるのがもっとも厳しい攻め。

対する後手、ここにきては防ぎきるのは難しい。

と金を間に合わせるべく、

最後の勝負に打って出ます。

 

△67と▲84歩△78と▲同飛△62金打(図)

 

ここから先手が鮮やかに後手玉に迫ります。

 

▲83歩成△同玉▲84歩△73玉

▲85桂△82玉▲83銀△81玉▲72馬

△同金▲同飛成(図)

 

図の局面で終局となりました。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

本局は、序盤の双方の工夫が施された駒組み、

中盤での小競り合いが対抗型を指される方に

参考になる将棋だと思います。

特に▲37桂を見ての△32飛、

△14歩~△13角は是非とも覚えていただきたい

視野を広げる攻め筋です。

終盤は、堅陣に見えた後手陣を的確に攻略した

先手の鋭さが光りました。

 

おふろさん、skrtさん、対局お疲れ様でした!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


YouさんVSまさぁぁさん

2016-12-20 10:20:40 | 日記

8月28日(日)19時~

 

相居飛車の力戦・・と思いきや、後手の工夫により対抗型に。

対する先手、いち早く攻撃態勢を築き後手陣突破を目指します。

一手進めるごとに局面が混沌とする終盤戦にも注目です。

 

先手 Youさん

後手 まさぁぁさん

 

▲76歩△34歩▲26歩△44歩▲48銀△96歩

▲56歩△32銀▲68玉△95歩▲25歩△33角▲78玉(図)

 

 

△84歩▲68銀△43銀▲58金右△72銀

▲57銀左△83銀▲36歩(図)

 

相居飛車力戦の出だし。△83銀と繰り出し、

棒銀を見せたか・・と思いきや、

ダイナミックな構想を魅せます。

 

△32飛(図)

 

後手の作戦は「陽動振り飛車」。

居飛車と見せかけ、通常の対抗型では

出現しにくい相居飛車向けの囲いにさせてから

振り飛車に転換する戦術。

本譜の場合は舟囲いですが、端を完全に確保

できているのでプラスの展開といえます。

 

先手としては、端を詰められている分

普通に組み合うのは面白くない。

ただ、後手が端に「2手」かけたのも事実。

その「2手」を逆用すべく、素早く攻撃態勢を整えます。

 

 

▲37銀△62玉▲46銀右△54歩▲37桂

△72金▲66銀△71玉(図)

 

▲16歩(図)

 

駒をぶつける前に▲16歩と突くのは

損がなく中盤で大いに活きる一手。

△15角の変化球も未然に防いでいます。

 

△82玉▲26飛△74歩(図)

 

完全に態勢が整ったといえる先手、

いよいよ攻撃を開始します。

 

▲55歩(図)

 

△55同歩▲24歩△同歩▲35歩(図)

 

5筋、2筋、3筋を突き捨て、盤面全体で

戦いを起こします。

 

△42角▲55銀左△35歩(図)

 

先手の二枚の銀により、軽快な捌きが難しい。

△42角~△35歩と、3筋にすべてを懸けます。

先手としては、飛角銀桂が攻めに参加できているので

ここに至るまでの機敏さが光りました。

 

 

本譜に入る前に、少し研究を。

 

△55同歩▲24歩(図)

 

本譜はここで、△24同歩と応じましたが

 

△同角(図)

 

△同角で応じるのはどうか。

以下、▲55銀左に△52飛(図)と回り

 

先手の反動を利用して中央を狙います。

次に△56歩が入れば大きい。

銀を簡単に捌かせない考え方としては有力です。

本譜に戻ります。

 

 

▲33歩△同飛▲44銀△同銀▲同角(図)

 

▲33歩が対抗型においての絶対的な好手。

本譜の場合も効果が大きく、飛車に当てながら

角を前線に繰り出すことに成功しました。

対する後手、ここでようやく手番を握り、

角もいつでも64に出動できる好位置につけています。

先手の反動を最大限に利用し、カウンターの開始です!

 

△36歩▲45桂△34飛▲11角成△37歩成(図)

 

現状は先手の香得だが、後手の△37との存在が大きく

難解な局面。

普通に攻めるのならさ43銀だが、それには

△25歩(図)

 

 

この切り返しがあります。

以下▲同飛に△24飛とぶつければ、打った▲43銀が

空振るので後手が一本とる形になります。

 

 

後手としては、△25歩から飛車交換が実現できれば

先手のいかなる攻めも切り返すことが出来る。

ただ、それを防ぎながら飛車を抑え込むのであれば

▲35銀打は有力。△31飛には▲43香と追撃してどうか。

本譜の順を辿ります。

 

▲35歩△25歩(図)

 

ここで素直に飛車と刺し違えるのは、やはり

△37との存在が脅威になる。

高等戦術を用いて、後手の攻めを遠ざけます。

 

▲29飛△38と▲34歩△29と(図)

 

▲29飛が好手。下段にと金を追わせて

▲34歩、後手の狙いである飛車交換は

実現しましたが、▲29飛と一旦逃げた効果により

と金が攻めに参加しづらい展開です。

 

ただ、自玉の堅さを見ると後手の方が遠く、

端も活きる展開になりそう。

▲57の地点の弱点を突かれる前に、

先手は素早い攻めが求められます。

 

▲43香(図)

 

△64角▲55銀△73角▲41香成△28飛(図)

 

しかし、ここで手堅い好手がありました。

 

▲68金打(図)

 

57の地点を守りながら自陣の強度が格段にアップ、

駒得を大いに活かしています。

対する後手、先手の歩切れに着眼し、

冷静かつ一番厳しい攻めで先手に迫ります。

 

△19と▲12飛△56香(図)

 

香車を奪い、すぐさま△56香と放ち、

歩切れの弱点を的確にとがめます。

こうなると、先手は手堅く収めるのは難しい。

攻め合いに転じ、激しい終盤戦の幕開けです!

 

▲53桂成△58香成▲同金上△57歩▲同金直△88金(図)

 

 

金を奪い、金を吊り上げ、金を打ち放ち

先手玉を厳しく攻め立てます。

安全にみえた先手陣が一気に危険な状態に。

ただ、まだ上部が手厚く、馬の存在もある。

厳しい攻めを振り払えるか、後手が捕らえるか。

 

▲77玉△87金▲66玉△68飛成(図)

 

▲63成桂△65銀▲同玉△57竜(図)

 

先手玉を守る要である▲57金をはがし、

徐々に追い詰めますが

ここで先手に好手がありました。

 

▲66銀打(図)

 

▲66銀打が、竜と角が睨んでいる▲55銀を

守りながら竜当たりにする手堅い一手。

ここで手番を奪い返せるのは大きく、

後手の猛追を食い止める重要な足掛かりになりました。

 

戻って、ここに至るまでの手順中

 

ここで▲63成桂に対して△65銀ではなく、

△62歩(図)はどうか。

 

 

角を取るのは△同桂が詰めろ、金を取るのは

△同銀で、自陣の安全を確保しながら

先手玉に迫ることが出来ます。

成桂を消す、という考え方であれば有力です。

本譜に戻します。

 

△64歩▲54玉△47竜▲44馬(図)

 

なおも厳しく先手に迫りますが、▲54玉まで

逃れると馬・飛車が強力な守備になるのが大きい。

これ以上の追撃は難しそうですが

勝負手を連続で放ち、楽をさせません。

 

△53歩▲同馬△42歩▲同飛成△同竜▲同成香(図)

 

手順を尽くして竜と飛車の交換に成功、

再び飛車を二段目に卸される前、

この瞬間に全力で迫ります。

 

△63金▲同馬△72金(図)

 

成桂を食いちぎり、再び△72金と打つのが

攻めを継続させる好手。

ここで▲53馬は△63金打が厳しい。

ここは馬を犠牲に、玉の安全を最優先させます。

 

▲53金△49飛▲46歩△39飛成▲31飛(図)

 

△41歩▲同成香△63金▲同金△62金

▲53金△63金▲同金△62金(図)

 

先手に息をつかせず迫る後手、

勝負手も成功し、金と馬の交換に成功。

手順中、千日手含みで▲63金を追い払いに

かかります。

しかし、ここで先手が守りから一転、

攻防ぴったりの反撃を用意していました。

 

▲32飛成(図)

 

この一手が、一気に流れを引き寄せる好手。

後手としては、△62金を二枚で狙われるのは

受けが難しいところ。いよいよ先手の反撃開始です。

 

△72角▲53金打△同金▲同玉△61桂▲43玉

△53金▲同金△同桂(図)

 

持ち駒を全投入し自玉を強化、△61桂から

△53金と迫りますが、

この瞬間に手番を握った先手、厳しい攻めを放ちます。

 

▲63銀(図)

 

▲63銀が、角取りを確定させつつ

後手の望みである入玉を難しくさせる一手。

また、先手は持ち駒が豊富なため、

いきなり詰み筋まで討ち取ることが可能になっています。

後手の厳しい猛攻と勝負手をぎりぎりかわしながら

先手がゴールに迫ります。

 

 

△61金▲54歩△52歩▲53歩成△同金

▲44金△65歩▲64桂△同角▲同銀△66歩(図)

 

 

ここで後手玉を逃がさない決め手を放ちます。

 

▲55角(図)

 

 

△82玉をにらみながら88の地点まで

利かした盤石の一手。

後手の攻めが息をついた一瞬のスキを見逃さず、

攻防を逆転、またたく間に後手陣を攻略しました。

 

△93玉▲72銀成△同金▲96歩△94玉

▲88歩△89竜▲87歩△99竜▲86金

△96竜▲同金△同歩▲95香(図)

 

 

図の局面で終局となりました。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

本局は、互いに主張を通した序盤戦、

激しい中盤・終盤戦を経て、特に

上部での攻防は指し手から強烈な気迫が伝わってきます。

先手の反撃が厳しかったとはいえ、一見

捕まりそうになった先手玉をあのように追い込み

勝負手を炸裂させた後手の攻めは熱くなりました。

 

Youさん、まさぁぁさん、対局お疲れ様でした!