【194】永平寺 福井
住所 吉田郡永平寺町
宗派 曹洞宗総本山
山号 吉祥山
開山 道元禅師「高祖」波多野義重
本尊 釈迦牟尼仏
国宝 普勧坐禅儀(道元筆)
重文 紙本墨書孤雲懐奘筆正法眼蔵仏性第三 紙本墨書後円融院宸翰 金銀絵料紙墨書明全戒牒
普勧坐禅儀と言って、何人にもできる坐禅の行法を確立した道元禅師と弟子懐弉禅師が、六波羅探題波多野義重公のすすめにより、越前国志比の庄吉峰寺に入られたのがはじまりです。見るべきものは何もなく、天井の花の絵くらいなものでしょうか。極力、偶像崇拝思想を排除した寺らしく、律と禅と修行以外に何もない世界を作り出されている。権力を味方に付けてきた臨済宗とは、一線引いた禅宗でかなり違った世界観を持っている。しかし、そこには、本道を我らは行っていると言うおごりのようなものを感じられる。
拝観も浄財を集める手段であるにもかかわらず、「見させてやっている」と言うおごりがあちこちに見られる。己との戦いに専念する閉鎖的な世界を維持するのも大変なのだ。格式と言う名の下で人間の好きな階級制度を利用し発展してきたことが伺える。