London Dance Diary

ロンドンのコンテンポラリーダンス情報を中心に日々の出来事を綴ってゆきます。

謹賀新年!

2012-01-02 15:05:32 | まぁ、聞いてください。

今日の写真: North London しろねこシスターズ

A Happy New Year!

2011年10月10日生まれ、12月10日にうちにやってきた白猫2匹です。

写真で見るとものすごく愛くるしいんですが、実際はとんでもない乱暴者。

今も私のつま先をかじっています。やめてくれっ!

良く食べて、1日2回はう○ちをします。

昨年他界した猫のBちゃんがこの無法者2匹を見守っていてくれていると信じています。

すくすく育ってね。

 

 

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2011年 いろいろありました。

2012-01-02 13:07:59 | ねこ

今日の写真:Bちゃん、さようなら

あけましておめでとうございます。

仕事と研究であっという間に2011年が終わってしまいました。

日本では地震と津波、そして原発事故と2012年に沢山の解決課題を残す悲惨な出来事が起きました。

3.11以降は日本にいて痛みを共有できない…何とも言えない日本人としてこれでいいのかという罪悪感が付きまとっていました。でも、先日小出裕章先生がインタビューで、この悲劇に対してそれぞれの人が出来ることで貢献してゆけばいいんだ…という趣旨のことをおっしゃったのを聞いて、それまで申し訳ない気持に浸っていた自分も少しずつ振付家として、ダンス教師として祖国に対して何が出来るんだろうと考えることが出来るようになりました。

プライベートライフでは猫のBちゃんが9月24日に15年の一生を終えました。

そして、12月10日には新しく2匹の仔猫を家族の一員として迎えることになりました。

私も修士課程の最終段階に入ったところです。

今後どれほどブログがアップできるかわかりませんが、このページを訪れてくださったすべての方々に幸運が訪れますよう祈っています!

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初雪のロンドン

2010-12-03 14:16:15 | ロンドン

今日の写真:2010年11月30日 ロンドンはこの冬初めての雪の朝となりました。

さぶっ!

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踏まれたり、蹴られたり

2010-11-28 18:33:20 | まぁ、聞いてください。

今日の写真: 寒くてふて寝

ここ最近ロンドンはぐっと気温が下がって(今朝は家の中で10℃)、庭の池も一日中氷が張っています。金魚は大丈夫かな〜?

昨日の朝、路上駐車してあったうちの旦那の車が車上狙いにあって、助手席の窓ガラスをわられる被害を受けました。

うちの旦那の車、日本だったら自動車博物館でしか見られないような、手動開閉式ウインドウのおんぼろ車。

なぜ狙われたのかさっぱりわかりませんが、警察によると同じ通りで11件の被害があったそうで、犯人は無差別に(要するに適当に)窓ガラスを割ってドアを開けダッシュボードの中を物色していったようです。狙いはカーナビゲーション。日本ではほぼ一般化されている感があるカーナビですが、なまじ装備していると今回のように盗難に遭うという事で、居住地区での路上駐車が一般的なロンドンでは日本ほど普及していないような気がします。

幸いうちは取られたものは何もありませんでした。 が、壊されたガラス代が£180!

旦那が知り合いから中古車を買った時の値段が£500だったことを考えると、かなり高価な窓ガラス。思わず、頬ずりしたくなりそうでした。

1年ほど前に車の盗難に遭い、今回は車上狙い、もうこれ位で貧乏神には勘弁して頂きたいです。

冬将軍到来とともにうちの家計も隙間風が吹いております。みなさんも風邪などひかぬようご自愛くださいませ。

 

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あまい焼酎、すっぱいワイン

2010-11-21 16:45:05 | まぁ、聞いてください。

今日の写真:ディナーを3回たべる猫

今週は木曜日に鹿児島でバレエ教室を営んでいらっしゃるS先生から国際電話を頂きました。いや〜、嬉しかったです。S先生とは2005年の9月、私と旦那が初めて与論島に行った時に鹿児島からの飛行機でご一緒して以来のお付き合いです。 

 

たまたま宿も同じだったんですけど、宿帳を書いている時にS先生から開口一番、「あなた、ダンスしているでしょ。」と言われてびーっくり。この人超能力者?と思いましたが、「姿勢とか、立ち居振る舞いでわかるのよ。」と言われて、「普段からでかい態度をとっている私のどこからそんなオーラが出しているんだろう」と思いましたが、う〜ん、ほとばしる才能はやはり隠しきれないんでしょうねー。(この辺は読み流してください。ね。)

 

さらに、私が名古屋でジャズダンス教師をしていた頃にS先生の妹さんが私の生徒だったことがその後発覚。世間は意外とせまいものだと驚きました。S先生のバレエ教室は今年で30周年を迎えられたとのことです。ここ数年はS先生を含めご家族の皆さんも健康状態が思わしくなかった時期もあったそうですが、いろいろ事態も好転、30周年という節目を迎えられたせいか、S先生の受話器の向こう側の声は弾んでいらっしゃいました。よかったです。S先生、これからもお体に気をつけて頑張ってください。私と旦那で来年も9月に与論島に行く予定です。また、与論島で島焼酎、「有泉」を飲みましょう。

 

 

さて、話変わって…

 

1995年にロンドンに留学してきた当初、私はコベントガーデンにあるパイナップルスタジオでバレエとジャズダンスのクラスを受講していました。クラスには何人か常連の日本人がいたのですが、ロンドンに不慣れだった私、この人達からかなりいやな目にあわされました。そんな経験があったので、自分が先々逆の立場に立つようなことがあれば、日本人留学生に親切にしてあげよう…などと子鳩のような博愛のココロを育んでおりました。

 

今はロンドンでダンス教師として働いている立場上、留学相談にのったり、宿泊先を探してあげたり、行き先の無くなった留学生をうちに泊めてあげたり、レポートの書き方を教えてあげたり、ダンス学校卒業後の進路相談などなど、いろいろやってきましたが、ここ数年なんだか私が空回りしちゃうこともしばしばです。

 

今回登場するのは東京から短期でロンドンにやって来たというダンサーのKさん。

私のクラスに何度か参加してくれたので顔見知りになりました。一度、うちでの夕食にお誘いしたんですがその日はすでにパフォーマンスを見に行く予定があるので参加は不可能というお返事でした。ところが数日して、チケットを交換してパフォーマンスの日を変更することが出来たのでうちを訪問したいとのメールが入りました。

人を招くのが嫌いではない私、さっそく張り切って前日から煎り大豆入りの五穀ご飯やおでんを仕込んだり、茶碗蒸しを用意したり、魚介のホイル焼きにキノコのしぐれ煮、デザートはベリーのグラニータ等々、旦那の誕生日以上に気合を入れて作りました。でも、Kさん、約束の7時になっても現れず。おでんもちょっとふやけてきた7時半頃になってやっと電話がありました。

 

「地下鉄が止まってしまったので、行くのやめます。」

「へ?」

 

その電話はいきなり切れてしまい、何が何だか分からない状態でした。

Kさんの滞在しているアコモデーションからうちに来るために乗らなければならない電車の駅までは地下鉄が止まっていても歩いて行ける距離。

う〜ん、どういうこと?

その夜Kさんからメールを頂きましたが、そのエクスキューズが

 

日本へのお土産を全部今日買ったため大荷物で

夜道をあか音さん(←私の名)宅まで辿りつける気がせず、…」

「辿りつける気がしなかった」ので、うちに来るのを取りやめたということです。

 

「だったら、タクシーで来い!」

 

と、気が付いたらわたくし、握りこぶしを前に突き出しておりました。

その夜は旦那と二人で3人分のごちそうを平らげすっかり体重が大増量。うう、くるし〜。

 

 

それまで「日本人留学生に博愛のココロを」とマザーテレサかダライ・ラマのような気持ちでいた私ですが、今後はキム・ジョンイルのようなどすぐろ〜いココロを持った独裁者的先生路線に方針転換しようかと考えています。

 

その後彼女からお詫びとしてうちに持ってくる予定だったというワインを頂きましたが、なんだか酸っぱい味がしそうでまだ手をつけていません。

なんとも後味の悪いディナーになってしまいました。

 

もう帰国されたKさん、今後の活躍が期待されるところです。

 

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リサーチャー

2010-11-14 17:43:54 | まぁ、聞いてください。

辛酸なめ子著 「アイドル万華鏡」 河出文庫

今週は代行レッスンが2本入ってちょっぴり忙しいスケジュールとなりました。

火曜日はボンドストリートにあるダンスワークスというスタジオで友人のAkosuaの代わりにコンテンポラリーダンスのクラスを担当しましたが、コベントガーデンにあるパイナップルスタジオ同様、更衣室の中をストリートダンス系やジャズダンス系のギャル達が闊歩するオープンスタジオには未だに苦手意識がある私です。

チューインガムを噛みながらクラスを受ける生徒にがっくりきながらも、代行レッスンなのでぐっとこらえて何とか90分。帰りはオックスフォードストリートのクリスマスイルミネーションを眺めつつスタジオから地下鉄の駅まで歩きました。

 

仕事があるとき以外は家で机に向かって論文執筆のための本を読んだり、インターネットで情報をリサーチしたりしている毎日ですが、昨日は根を詰めすぎたせいか英語がすんなり頭に入ってこなくなっちゃいました。(←根をつめてなくても普段からそうなんですが…。)

30分ぐらい息抜きするか〜…と思い、本棚で目にとまった辛酸なめ子著の「アイドル万華鏡」を読み始めました。

辛酸なめ子氏の文章は丁寧な言い回しの中にも上手に毒が隠されていて、オブラートに包んだ苦い薬が口の中で破れて出てきてしまったようなビターな表現が割と私好みです。

木原浩勝氏と共著の「大人の怪談」は不発に終わった感がありましたが、「ヨコモレ通信」は楽しめました。声を出して笑える内容の本なのですが、ただ面白おかしいだけではなく彼女のモノの見方、考え方、文章表現には感心させられるものがあります。

 

で、この「アイドル万華鏡」なんですが…。

おもしろかったです。

 

ただ、私は15年前に日本を出たので、この本に出てきたアイドル達、

安倍麻美、安倍なつみ、池脇千鶴、伊東美咲、今井絵理子、大塚愛、小倉優子、栗山千明、酒井若菜、鈴木亜美、竹内結子、BoAが一体誰のことかわかりませんでした。

 

しっかり名前と顔が一致したのは稲川順二とダライ・ラマ14世ぐらいでしょうか?

(ダライ・ラマはアイドルだったんですね。)

 

修士課程でリサーチ癖のついた私、上記のアイドル達を一人ずつサーチエンジンで検索し、改めて情報を得てから、フムフムと納得しながら「アイドル万華鏡」を読み進めていきました。で、気が付いたら夜の1時!息抜きするはずだったのに、すっかり入れ込んでしまいました。うーん、恐るべし辛酸なめ子。

明日こそはちゃんと勉強しようと反省しきりの私です。

 

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観に来る前にこれを読め!

2010-11-07 11:13:50 | ダンス


今日の写真:「現代アート、超入門」 藤田令伊著 集英社新書

ロンドンは先週末に夏時間も終わり日が暮れるのがずいぶん早くなりました。
今週はハロウィンにガイ・フォークスデーと秋の夜長を楽しもうと巷はいろいろな行事で騒々しかったです。

先週の日曜日は休日にもかかわらず学校でレクチャーがあり講義を聴きに出かけましたが、その帰りにハロウィン用のお菓子を買うのを忘れてしまったので、夕方は家電気を消して近所の子供たちがうちに来ないよう居留守を使ってやり過ごしました。
数年前凝った舞台メイクで顔に血糊を塗りたくって訪れた子供たちを脅かし、恐怖のるつぼに陥れたのが幸いしたのか、今年のハロウィンはどなたもうちの呼び鈴を押す人はおりませんでした。

さて、火曜日の夜、私はサドラーズ・ウェルズシアターにEmanuel Gat Danceの「Winter Variations」という作品を観に行ってきました。いつもは同伴するうちの旦那はこの日は仕事で、珍しく私一人で出かけたのですが、劇場のバーでロンドン大学の教え子のリチャードとヘイミッシュに偶然出会ってパフォーマンス前の一杯を楽しみました。
(旦那抜きで若い男の子達と飲むのはいいものです。ふふふふ…。)

この日のサドラーズ・ウェルズはチケットが割安(£10〜£20)にもかかわらず、Emanuel Gatの知名度がいまいちのせいか空席が目立ちました。
作品はGatと彼のアシスタントRoy Assafとの男性二人のデュエットで1時間ほどの小品でした。
作品冒頭、客席が暗くなって間もなくダウンステージ右側に2人のダンサーの姿が浮かび上がってきました。彼らは地味な色のTシャツとズボン、黒い靴といういでたち。しかもひげが濃く、熊哲のような「俺を見てくれ!」といった感じの「いかにも」なダンサーオーラは皆無。
どちらかというと工事現場で見かける寡黙なポーランド人といった風貌でした。

これはハズレかも?

と第一印象にがっかりした私でしたが2人が動き出したとたん舞台に目が釘付けになりました。
振付自体はユニゾン、カノンが多用され、手法に目新しさは感じられませんでしたが、モチーフとなる動きのリズムが複雑で、これを2人で合わせたり外したり、かなり計算して創りこんであるようでした。
マスキュリンな印象の2人でしたが、動きはダイナミックかつしなやか、コンタクトのある箇所は手足のコンビネーションが細かく振り付けてあり、それに対するダンサーのパフォーマンスは正確で作り手の繊細さが引き立っていました。派手なターンやジャンプ、柔軟性を強調するような開脚などは一切ありませんでしたが、2人の身体能力の高さは一目瞭然でした。

選曲もなかなか良かったです。特にシューベルトとマーラーの歌曲は冬をテーマとしたこの作品によく合っていました。

作品の根底にはイスラエルの振付家の作品にありがちな「怒り」が流れているような感もありましたが、作品終盤、暗転直前にセピア色のライトの中でAssafが手足を硬直させて体を反らせ腹ばいになって揺れながら前に進んでいく光景は私を何とも切ない気持にさせました。
これは理屈や分析では説明できない感覚です。
パフォーマンスが終わってほんの一瞬の静けさの後「ブラボー!」の声と惜しみない拍手が2人に贈られました。客席は空席が目立っていましたが、私を含めほとんどの観客が満足したのではないでしょうか?
前回サドラーズ・ウエルズに来た時は、何人かの観客が不快感もあらわに途中退席してしまったローザスの「The Song」という作品だったので、今回はかなり得した気分になりました。


家に帰って旦那にプログラムを見せ夕食を食べながら作品のことを話しましたが、彼からこの作品を日本で上演したらどんな評価を受けると思うかと聞かれ、ハタと考え込んでしまいました。

私が名古屋で作品を発表する時は日本人向けに改作することが多いのですが、それでも観客から「コンテンポラリーダンスはよく解らないから」という批評を頂くことがあります。
しかも、観客は作品の創造性よりもダンサーのテクニックにポイントを置いて評価をする傾向があるという、振付家にとってはあまりありがたくない土地柄。
そこで「あんたに観客として見る目がないからじゃん!」…と暴言を吐くようなことはせず、大人しく耳を傾けている私ですが(←ほんとか?)、この自分の理解の範疇を超えたものに出会う事こそある意味でコンテンポラリーアートの醍醐味だーっと主張したいです。

私はコンテンポラリーダンスを観る時に能動的な鑑賞態度で臨むことはとても大事だと思っています。
確かに訳のわからない作品もたーくさんあります。でも、私の場合「よくわからない」で切って捨ててしまうとなんだかもったい気がします。
そこで、「どうして私にはわからないんだろう」と自分自身に問い直し、とりあえず作者の目線に立つようにし、自分の今まで蓄積してきた感性の引き出しをごそごそかき回したり、作品に関する情報をリサーチしたりして理解するように努めるようにします。このプロセスを繰り返すうちに自分自身のダンス哲学の裾野も次第に広がりを見せ文化的咀嚼力も培われてくるのではと私は考えています。
「観る」テクニックを持っているとダンスの鑑賞もより深いものになり、「好き」「嫌い」、「解る」「解らない」のような二元的ではないレベルで楽しめるようになると思います。

最近、論文のためのリサーチをしていて私のダンス学校時代の恩師が専門誌のインタビューで「観客を育てるのもコンテンポラリーダンス教育の責務の一つである」と言っているのを読みました。なーるほどー、確かに観客の育成も業界にいる者の責任の一つかもしれないと膝を打ちました。

ただ、日本には残念なことにダンス教育のシステムが確立されていません。
微力ながら私も帰国した折にはこれからもこういった部分も含めてコンテンポラリーダンスの普及に努めてゆこうと思っています。

そこで、コンテンポラリーダンスをもう少し理解できたら〜と思っている方にお薦め。


藤田令伊著 「現代アート、超入門」 集英社新書


良書です。わかりやすい!私にはとても役に立ちました。
訳のわからないコンテンポラリーアートをどうやって鑑賞したらよいのか、具体的な例を揚げて丁寧に解説してある秀逸の書であります。
ダンスについては触れていませんが、「コンテンポラリーダンスはどうもわからん、でも理解できるようになりたい…」と思っていらっしゃる方に様々な角度からヒントを与えてくれることと思います。

コンテンポラリーダンスなんかわかんなくても別にいいもんと思っていらっしゃる方は、私のブログなんぞ読まずにお猿さんでも理解できるディズニーのファミリー向けアトラクションあたりにお出かけください。

(ところで、紛らわしいタイトルで装丁もよく似ている「現代アート入門の入門」 山口裕美著 光文社新書はあまりお勧めしません。こちらの本の内容は現代アートを理解できない日本社会の愚痴がほとんどという気がします。でも、コンテンポラリーアート業界に興味のある方はどうぞ。)

(業務連絡:「舞工房」関係者は「現代アート、超入門」必読です。)

来年は私の公演のプログラムに「鑑賞の手引き」を載せようかと半分本気で思っています。

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ホラー小説より怖い本

2010-10-31 12:51:29 | 読書感想文


今日の写真: 岩村暢子著 「家族の勝手でしょ!」

最近読んだ本:
幕内秀雄著 「変な給食」
加藤直美著  「コンビニ食と脳科学」

私もうちの旦那も玄米菜食中心で魚を週に数回食べるだけのフィシュタリアン生活をここ10数年間送っています。
ご飯だけでなくパン好きの旦那のためにはブレッドメーカーで週に2回ほどオーガニックブレッドをうちで焼いて食べています。
物価の高いロンドンでは外食もはめったにしません。(…貧乏アーチストなのでその余裕がないとも言う。)
昼食も必要な時はお弁当を持参。
私も旦那もフリーランスなので「仕事を休む=収入減」になってしまうので健康、特に食生活にはかなり気を付けている方だと思います。

今年の夏、日本に滞在した時にコンビニエンスストアで買ったおにぎりのご飯が異常に粘っこい気がして違和感を感じました。
気になって材料欄を見ると添加物のオンパレード。げげげ…。
聞くところによるとコンビニエンスストアのおにぎりには油も含まれているとか。
食パンも日本では白いもちもち系が人気のようですね。
試しに食べてみましたが、ヨーロッパのパンに比べて歯ごたえがなく、食べ物を食べているというよりは人工的な物体を口の中に入れている感じがしてちょっと不気味でした。

コンビニエンスストアでは若い年齢層だけでなく親子連れも見かけますし、年輩の利用者も増えているみたいで、「コンビニ」と言う呼称ですっかり日本人の生活の中に根をおろしているように感じられました。
私のロンドンでの生活圏内にはコンビニエンスストアもファミリーレストランも存在しないので、日本で「コンビニ」や「ファミレス」に入るとついついいろいろ観察してしまいます。「デパ地下」も興味のある場所の一つです。
「食」に関わる分野だけに関係者の方々には「売れ行き」よりもクオリティーを重視して頂きたいのですが、こういった場所で提供されている商品の人気の秘密は綿密に行われたリサーチを基に練られた戦略による消費者操作の賜物なのでは?と疑ってしまう部分もあります。

加藤直美著の「コンビニ食と脳科学」ではコンビニでの販売促進の裏側を垣間見ることが出来ます。
この本の冒頭で著者が以下のように書いています。

もっとも、いま、消費者が関心を寄せているのは、食の安心・安全、健康、おいしさでしょう。それをコンビニはどのように演出しているのでしょうか。
−略ー
この本を読めばコンビニ好きな人はもちろん、コンビニをよく利用する人も、そうでない人も、ちょっとためになって、コンビニを改めて見直してみたくなるはずです。


本文の中ではいろいろ取りざたされているコンビニ食の添加物については一切触れていませんが、それをいかにうまく演出して消費者に売りつけているのかという舞台裏をつまびらかにしてくれています。
ちょっとどころか、ずいぶんためになりました。
ますますコンビニ食は危険だという感が強まり、著者の思惑通りコンビニを改めて見直すことが出来ました。


そして、もう一冊。最近読だ怖〜い本をご紹介したいと思います。

岩村暢子著「家族の勝手でしょ!:写真274枚で見る食卓の喜劇」

帯には「お菓子で朝食、味噌汁回し飲み、夫と妻の昼食格差、赤ちゃんの一人食べ、家庭のネットカフェ化:食卓生写真が映し出す今どきの家族像とは?」とありました。

この本、副題には「喜劇」としてありましたが、笑えません。怖かったですー。

「私が疲れるから」という理由で料理を作らず子供に朝からお菓子やケーキを食べさせても平気な母親。
「そういう食生活だから疲れるんだろうが」と突っ込みたくなります。

コンビニ食やカップめんは、小さな子供のいる家でも今の日本の夕食のテーブルでは立派に市民権を得ているようで驚きました。
それを「子供の希望通りのものをを食べさせてやっている私はいい母親」と勘違いしているような主婦のインタビューを読んでさらにびっくり。

野菜は使い切ることが出来ないから買い置きしてあるのは冷凍のミックスベジタブルだけ。そんな主婦が増えているのもゆゆしきことだと思ってしまいました。

半信半疑の私に追い打ちをかけたのが幕内秀夫著の「変な給食」。
おかしな給食のオンパレードにメニューを見ただけで胸やけを起こしそうでした。
私が給食を食べていたころに比べて糖分・油分の使用率が増えたんじゃないでしょうか?

日本が世界に誇ることが出来る食文化を持ちながら、その実国内では学校や家庭で料理に、食に無頓着な人が増えてきているみたいでなんだかとっても残念です。

イギリスでは日本食がヘルシーだとブームになっていますが、この現実はイギリス人には内緒にしておきたいとつくづく思った次第であります。
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与論 かなしゃ!

2010-10-24 18:51:07 | まぁ、聞いてください。

今日の写真:「かなしゃ・わたしのよろんノート」

間もなく夏時間も終わり、暗〜くて、寒〜いロンドンの冬がやってこようとしています。
ただでさえ旦那のくだらないオヤジギャグのせいで気温が下がり気味の我が家、冬場は安普請の隙間風も加わって家の中でも厚着をしています。
でも、私も旦那もいたって丈夫。ここ数年大した風邪もひくこともなく比較的元気でロンドンの冬を乗り切っています。

それというのもここ数年9月に訪れる与論島でよい気をたくさんもらっているから…ではないかと私たちは思っています。

与論島は鹿児島県の一番はしっこにある熱帯魚の形をした小さな島です。
昨今、日本では沖縄の離島ブームのようですが、この与論島、沖縄本島のすぐお隣に位置しながら鹿児島県に属するので、私が目にした限りでは沖縄を中心とした離島情報誌などのガイドブックでもあまり伝えられてないようです。

沖縄が日本に返還される前は日本最南端の島としてにぎわった時期もあったと伝え聞いていますが、私たちの訪れる9月は夏休み明けともあってか、離島独特ののんびりした中にもなんとなく物悲しい雰囲気が漂っています。
映画「めがね」が封切られてからは、ビーチリゾートアイランドとしてより、「癒しの島」として与論島を訪れている人が多くなったような気がします。

そんな与論島なんですが、この島を盛り上げようと与論島に住むアーティスト、イタリアンレストラン「アマン」を経営する彫刻家の歳さん、お慶さんご夫妻、東京から移住してきたイラストレーターのもとくにこさん、島と首都圏を往復しているラジカルで博識な八木美穂子ガハクが中心となって与論島の情報誌「かなしゃ」を立ち上げようという事になり、な〜んと、私とうちの旦那も旅人(たびんちゅ)として余白を汚すこととなりました。

掲載する写真はうちの旦那が取ったものを、文章は私が書いたものを載せて頂くことになった訳ですが、普段私がブログで書いている調子でホイホイと仕上げた文章が、八木美穂子ガハクのレイアウトした素敵なページデザインに全く合ってないのに愕然!
「かなしゃ」のおしゃれな雰囲気を壊すことのないよう早速書き直すことにしました。いや〜、焦りました。
7月の下旬でしたっけ?酷暑の名古屋でうちわ片手に原稿を仕上げました。暑かったな〜。


ロンドンに戻ってきて10月に入ったころに「アマン」の歳さん、お慶さんから出来立てのほやほやの「かなしゃ」が届きました。島をめぐる時はバックに入れて持ち歩けるお手軽なサイズ、中身はもとくにこさん八木美穂子ガハクのイラストとカラー写真満載。特集は「島のまさい」、もとくにこさんの島料理レシピです。(「まさい」は「おいしい」という意味なんだそうです。)
私たち、今回島に滞在中に、くにこさんちにお邪魔してしっかり試食させていただきました。
おいしゅうございました。ごちそうさまでした。

「海カフェ」のえり弥ちゃんの担当したページ「えりやいろ」では島の雰囲気と調和した彼女のスタイルをおしゃれな感じで伝えています。
えり弥ちゃんの海カフェで与論の海を眺めながら飲むギリシャのお酒Ouzo(ウーゾ)は最高ですゥーゾ。(←お約束、オヤジギャグ)
また、このカフェ、トイレからの眺めも素晴らしい。用を足すのを忘れてしまう事請け合いです。


どのページにもこの雑誌に関わった人たちのアーティスティックなセンスがうかがわれて、島の情報誌としてはかなりクオリティーが高いと思います。島を訪れた方必見です。
 (私の写真もちょっと。へへへ、照れちゃいます。)

興味のある方はぜひ与論島へ!


ところで、「かなしゃ」のために書いた最初の原稿、自分でボツにしましたが、せっかくなのでここに載せちゃうことにしました。
「かなしゃ」に実際に載せて頂いたのはぜーんぜん違うものです。


ターコイズ ウルトラマリン エメラルド 与論の海は 青がいろいろ

「寒い、暗い、不味い」 でお馴染みの国イギリスはロンドンに住む私。日本でビーチホリデーを楽しみたいという旦那(英国人)にせがまれて、与論島に初めてやってきたのは2005年のことでした。 泊まったお宿は「与論島ビレッジ」。一番近いビーチには水着のまま徒歩で行けるほどのお手軽さ。行く手に飛び交うバッタや「けけけけ…」と鳴きながらブーゲンビリアの花の陰に隠れるヤモリ、南国の生き物にキャーキャー悲鳴を上げていたのは都会育ちのうちの旦那の方でした。 帰国したらビーチホリデーではなく温泉旅行がしたいと思っていた私は海岸までの道すがら少しふてくされていましたが、メーラビビーチに着いたとたんそんなネガティブな思いは吹き飛んでしまいました。 今まで目にしたことのない美しい海と空。
「これは現実の風景…?」
言葉を失うほどの景観に私はしばし立ちすくんでしまいました。が、うちの旦那が素っ裸で海に駈け入って行くのが視界の隅を過り、
「うう…、これは現実の風景?」
と、目を覆ってしまいました。
果てしなく青い海と空の狭間に戯れるイギリスのおじさん。
そんなミスマッチな存在ですら受け入れてくれるほど与論の海は寛大でした。

与論の海に一目惚れをしたあの日から5年。毎年9月に与論島で数日を過ごしている私達、今では個性的でハッピーな友人知人もでき、まるで里帰りをするような気分で島を訪れます。与論島通いを始めてからというもの、 風邪一つひくことなくロンドンの冬を乗り切っています。イギリスとは正反対の「暖かい、明るい、美味しい」与論島は私達にとってサプリメントになっているんだと思っています。
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椅子から転げ落ちました

2010-10-17 11:28:33 | ダンス
今日の写真:「そりゃ、タメイキもでるわな〜」

私はロンドンで振付家、ダンサー、ダンス教師を生業としておりますが、それと同時に今はロンドンコンテンポラリーダンススクールの修士課程で振付を中心に研究を進めています。
コンテンポラリーダンスは日本ではあまり馴染みのないものですが、自分が今まで関わってきて、自分の資質を身体的にも精神的にも生涯を通じて深めて高めてくれるアートフォームだと考えるようになりました。

ですから、日本でもコンテンポラリーダンスを普及できればという思いで、2000年から私の地元名古屋で「舞工房」という年齢30歳以上のダンサーで構成されたグループを主宰して活動してきました。

この9月には日本のスタッフの尽力もあって、結成10年目にして舞工房主宰で初めて名古屋で公演を打つことが出来ました。
なかなか大変でしたが、なんとか無事終了。ロンドンに戻ってきて早3週間。この夏日本での出来事はすでに遠い過去のことのように思い始めた今日この頃…。

今朝、名古屋のスタッフから「某ジャーナル」に載ったという「舞工房」の公演の批評のコピーが送られてきました。
私はそれを読んで椅子から転げ落ちてました。アイタタタ…

以下がその一部であります。

後半は演劇的要素が強くダンサーが台詞を語ったがこれはいただけない。
言葉を肯定することはダンスを否定する事である(と筆者は思う)

ともあれ、新たな方向性を持つグループの台頭は歓迎したい。
所属ダンサーも「他流試合」で技量をアピールしてほしい。
このグループは面白い!


私はヨーロピアンダンスを今まで勉強してきましたので、作風として当然その影響が強く出ています。
ピナ・バウシュやサシャ・ヴァルツなどのドイツのダンスシアターを背景とした振付家達の作品ではダンサーが舞台上で台詞を言うのは特に珍しいことではありません。
私が住むイギリスでもその系統をくむ振付家は沢山います。
むしろ、演劇とダンスを腑分けできないところにコンテンポラリーダンスは位置していると思います。

批評家の方が私が作品の中で台詞を用いたのが「いただけない」とおっしゃったその理由が、「言葉を肯定することはダンスを否定することである」という持論に基づくからだと述べていらっしゃる訳ですが、もしかしてこのお方、クラシックなバレエ以外はあまり鑑賞なさったことがないのでは…?
『「他流試合」で技量をアピールしてほしい』の意味も不明です。
どなたか教えてください。
『このグループは面白い!』と感嘆符付きでまとめてくださってありがたいとは思いましたが、人を批評するからにはかなり勉強が必要だと改めて戒められました。

この化石のような考え方を持つ批評家が活躍なさっているコンサバティブな名古屋で来年もパフォーマンスを控えているわたくし、ロンドンの秋晴れの空に向かってため息が出てしまった日曜日の朝でした。
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