London Dance Diary

ロンドンのコンテンポラリーダンス情報を中心に日々の出来事を綴ってゆきます。

老いて最強を目指す!

2009-01-31 15:44:00 | 偏見いっぱい!読書感想文
最近読んだ本: 
 姜尚中  「悩む力」 集英社新書 整理番号 0910
 齋藤孝  「読み上手・書き上手」 ちくまプリマー新書 整理番号 0909
 加藤恭子・バネッサ・ハーディー 「英語小論文の書き方」 講談社現代新書 整理番号 0908
 齋藤孝  「退屈力」 文春新書 整理番号 0907
 中島義道 「私の嫌いな10の言葉」 新潮文庫 整理番号 0906
 原田宗典 「し」 幻冬舎文庫 整理番号 0905
 B-ing編集部 「プロ論。」(才能開花編) 徳間文庫 整理番号 0904
 斎藤兆史 「英語達人塾」 中公新書 整理番号 0903
 松任谷由実「ルージュの伝言」 角川文庫 整理番号 0902

やっとブログを書く余裕ができました。この2週間きつかったです~。

締め切りのある仕事を抱えているとなかなかリラックスできないですね。
特に、梅干しのような私の脳ミソで英語の読み書きを毎日って言うのはかなりのハードワークでした。
大学の生徒のエッセイの添削に加えて、私自身がエッセイをふたつ提出しなければならなかったので、教えの仕事以外の空き時間をできるだけ有効に使うことが出来るようにスケジュールを立てて取り組みました。

毎回この手の仕事は時間がかかるものと相場が決まっていますが、私の場合、仕事に対してストレスを感じるとどうしてもノリが悪くなってだらだら引きずりがちになってしまいます。とりあえず、生徒の論文を読みながら自分にプラスになることを出来るだけ見つけるようにして、退屈な作業を楽しめるようメンタルな部分で工夫しながら進めてゆきました。このアイデアは齋藤孝著の「退屈力」から頂いたものです。

そしたらですね~、面白いことに気が付きました。

英語の読み書きは私の脳にとっては負荷となるわけですが、毎日気合を入れて前向きに取り組んでいるうちに脳の回転数が上がってきたような感覚がありました。興味深いことに、明らかに日本語の文章を読むスピードが早くなったと思います。私は速読はできないんですが、読んだ文章がスパッ、スパッっと頭に入ってくる感覚は心地よかったです。こう言うことをしていればボケないんでしょうかねー?

筋肉を鍛えるのと同様に脳に対しても適度な負荷はその能力を向上させるんでしょうね。

このままゆくと私はものすごい天才になるかも。(…なわけない。

最近読んだ姜尚中(カンサンジュン)氏の「悩む力」の中で

「老いて最強を目指す。」

という言葉がありました。
おお~、励まされますよね。紙に書いて壁に貼ってあります。
年を重ねても何かが向上すると実感できれば毎日が面白くなりますもんね。

私もまだまだこれから。人生後半で最強ダンサーを目指そうと思います。

ま~、家庭内ではすでに私が最強なんですけどねー。

誰か助けて…

2009-01-15 16:42:25 | まぁ、聞いてください。
今日の写真: しばらく隠れています

今日私が講師をしているロンドン大学から分厚い封筒が届きました。
ダンス科の生徒の論文17人分です。
これを読んで採点しなければならないのですが…。

と~っても時間がかかるんです。
徹夜になるかも…。

2週間で結果を提出しなければならないので、1月中はあまりブログが書けないかもしれません。

でも、できるだけレギュラーの皆様のところには訪問させて頂きます。

では、また! 




恋愛のかたち

2009-01-11 15:29:52 | ロンドン
今日の写真: うちのしたたか者

今ではほんとに信じられないことなんですが、私がまだ青臭い女子高生だった頃は「憧れの○○先輩、かっこいい~!」なんてキャーキャー言っていたこともありました。かれこれ**年前の話です。

私の姉なんかは「陸奥A子のおとめチックまんが」にはまってしまい、今考えると顔から火が出るくらいこっ恥ずかしいイラスト入りラブポエムなんかを壁に張ったりしていましたね~。当時は松田聖子に代表される「ぶりっこ」が少女達のマジョリティーのスタイルだったような気がします。

私が日本の地方都市の大学生だった時も友人が学生同士で同棲を始めたのを聞いて「ずいぶん思い切ったことをするな~。」と感じていましたし、今では死語になってしまったインビな響きを伴う「婚前交渉」という言葉、ヤンキーの友人とその是非を問う議論にまで発展したこともありましたね~。
う~ん、なんだか恥ずかしくて汗が出てきました。

ところで、私は立場上日本から来る留学生、特に10代後半の女の子から30代の女性まで、ちょっとした雑談から時には切羽詰まった相談なんかに乗る機会が時々あります。
中には恋愛に関するものもあって、
「おお~今時の子はさばけているもんだねー。」
と驚くやら、感心するやら…。
私がのんきに地方で送っていた青春時代とずいぶん違います。
まるで村上龍の小説を読んでいるような…。ん~、かっこいいんだか、ついてゆけないんだか…。

そんな彼女達の話の中には「異国での恋愛で傷ついた…」というものも少なくなくて、慰めを求められて話を聞くことが何度かありましたが、いろいろ聞いているうちにその手のストーリーには共通のパターンがあることに気が付きました。

よくあるのが、イギリスに来てから知り合った男性(この場合日本人以外)と関係を持って、それをステディなボーイフレンドと勘違いして、悲しい結末に終わると言うパターン。

「一夜を共にした → 相手をボーイフレンドだと思いこんじゃう日本人の女の子。」

という図式が見えてきます。

私も自分の経験を振り返るとある程度同情もできるんですが、一人で外国に来て慣れない一人暮らしをしていると孤独も募ってきますし、誰かに優しくされたいとも思うようになりますし、外人のボーイフレンドを持つことにちょっとした優越感の響きを感じてそのファンタジーに陥りやすくなるという落とし穴があるような気がします。

でも、現実には…

「彼の部屋で女物の化粧ポーチを見つけた。」
「彼のフラットの洗面所に彼のものとは別にもう一本ピンクの歯ブラシがあった。」
「彼は彼の友人には私のことをガールフレンドとして紹介してくれない。」
「彼のベッドの下に生理用ナプキンがあった。」
「ビザの期限が切れることを話したら、もうすぐお別れだねとあっさり言われた。」
「彼(イタリア人)がイタリア語で女性と電話でよく話している。」
「妊娠が発覚したら連絡が取れなくなった。」

などなど、こんな生々しい話を今までいくつか耳にしてきました。自分がステディな関係だと思っていても、相手はそうは思っていない、そんなパターンが多いような気がします。

言葉の通じる日本人同士でも恋愛にはコミュニケーションの行き違いが生じるものですもんねー。外国人との恋愛はパーフェクトな英語を話せるのならともかく、言葉によるコミュニケーションの不足が原因となるリスクを覚悟して、たとえ傷つくことがあっても後から「勉強になりました。」って言えるぐらいの心意気で乗り切って欲しいと思います。

私が一番感心(?)した日本人の留学生の女の子は当時15,6歳だったでしょうか?
日本で援助交際が発覚して学校を退学になり、ノイローゼになった彼女の母親が彼女をロンドンの語学学校に送り込んできました。彼女は英語もままならない状態でしたが、すぐに学校でボーイフレンドを見つけ、単身赴任の駐在員さんとも適度に遊び、数年後に「小料理屋のおかみになりたい。」と言って日本に帰ってゆきました。

彼女がロンドンで何を身につけたのかは私の知るところではありませんが、
「ごちそうさまでした~。」
とまるでうどん屋の定食を食べ終わったような気軽さで、カラリとした恋愛が出来るのも今風の若さのエネルギーのなせる技なんでしょうか。ある意味、彼女には頼もしさすら感じちゃいました。若いながらもしたたかな女を彼女の中に見ましたね~。

外国に来ての恋愛は結婚に至るものもあれば、チクリと痛みの残る思い出になるものもあると思います。傷つくことがあっても泥沼に自ら入り込むことのないよう、留学中の健全なる大和撫子の皆様には実りの多い体験をして頂きたいと願っています。

私は結婚しているのでこんな色恋沙汰とはもう縁がありませんが、旦那のおかげで色々人生勉強させてもらっています。
うちの旦那はどれほど学んでいるのかは疑問ですけど…。

どうなる ポニョ

2009-01-07 20:57:42 | ダンス
DVD: "Howl's Moving Castle" ― ハウルの動く城

数日前、BBC(イギリスの国営放送)でハウルの動く城を放映していました。ジブリのアニメはイギリスでも人気があります。「Princess Mononoke」(もののけ姫)あたりから人気が出て「Sprited Away」(千と千尋の神隠し)でその地位を不動のものにし、「Howl's Moving Castle」(ハウルの動く城)が上映される頃には過去のジブリのアニメのDVDがかなり売れたと聞いています。

昨年の夏帰国していたころは「崖の上のポニョ」が大ブームの兆しを見せていました。どこに行っても「ポーニョ、ポーニョ、ポニョ…」とうるさいったらありゃしない。私も宮崎アニメは好きなんですが、このポニョ・ポニョ攻撃には閉口してしまいました。テレビを見ていてもポニョ、コンビニに行ってもポニョ、駅を歩いていてもポニョ…。勘弁して下さ~い。

子供って本能的に音楽から情緒的なものをすくい取る能力があると私は信じているので、子供向けの作品だからと言っていわゆる「子供らしい」曲をやたら使うのは個人的には私は好きじゃないんですが、この主題歌で日本全国津々浦々にポニョという名を刷り込むのに成功したんじゃないでしょうか?(少なくとも私の頭の中にはし~っかり刷り込まれています。)

先日、うちの旦那(イギリス人)と宮崎作品の話をしていて、おそらく次回イギリスで上映されるのではないかと思われる「崖の上のポニョ」のことが話題に上りました。私は

「Ponyo on The Cliff」

と英訳したんですが、その時旦那の片方の眉毛がぴくっと上がりました。

「え~、今何て言った? ハヤオ・ミヤザキがポルノアニメを作ったの?」

と、彼は驚きながらも嬉しそう。(なんや、このおっさん。)
どうやら私の「Ponyo」の発音が「Porno」に聞こえたようです。

「ちがうよ、子供向けのアニメで…」

私がそう説明して例のポニョの主題歌のさびの部分を歌ったんですが、

「やっぱり、Pornoって言っているように聞こえる。」

と、旦那は笑っています。

「ポーニョ、ポーニョ、ポニョ…」



「ポールノ、ポールノ、ポルノ…」

のように英語の脳みそを持つオヤジには聞こえるらしいです。

カルピスが英語圏の人にはCow Piss(牛のおしっこ)に聞こえるのは有名な話。ロンドンの日系レストランではカルピコの名前でメニューに載せていたりします。

さて「崖の上のポニョ」、イギリスに上陸する時はどうなるんでしょう?
楽しみです。映画館が勘違いしたオジサンたちで一杯にならないように今から祈っています。







正しい怒りの使い方

2009-01-05 03:51:10 | 偏見いっぱい!読書感想文
今日読んだ本:齋藤孝 「働く気持ちに火をつける」文春文庫 整理番号0901

今朝起きたら表通りにうっすらと雪が積もっていました。冷え込むはずです~。
天気予報ではロンドンはここ数日かなり冷え込むようですね。
普段はそっけない猫のBも寒くなると擦り寄ってきます。

この時期になると思いだすのが7年前。
ロンドンのコンテンポラリーダンスセンター、「The Place」のシアターで私の振りつけた作品を上演したことがあります。ダンス学校時代の友人達と日本人の女優さんを使ってセリフのあるシアトリカルな内容のものを出品したんですが、結果は…

観客が足をふみならしての大喝采!

カーテンコールも5回はしたでしょうか?
振りつけた私もダンサー達も大満足でした。調子に乗りやすい私は「私って天才的振付家なんだわ~。」っと勘違い。鼻がぐんぐん伸びて、一夜で増上慢の天狗に変身しました。

翌日インターネットでの批評を楽しみにthe Placeのサイトにアクセスしてみました。

ところが…

私の目に飛び込んできたのはある批評家からのかなり辛辣な批評。私はいろいろ自分の言いたいことを動きや構成に含ませて作品を創ったつもりでしたが、その批評家は作品の表面的なことのみに言及し、自分の好みで私の作品のレベルの良し悪しを判断しているように思えました。

その批評文を何度も何度も読み返しているうちにだんだん怒りがこみ上げて来て、増上慢天狗の私は今度は怒りの般若に変身~!

「も~、こんな脳無し批評家のいる業界で作品は2度と創るもんかー!!」

と火山大爆発。その批評家が目の前にいたら間違いなく私からサバオリを見舞われていたと思います。(恐ろしや、恐ろしや)
そんな事があったのが7年前でした。

2009年、年が明けて何か自分のやる気を喚起させるような本はないかと、新年第一弾で齋藤孝氏の「働く気持ちに火をつける」を読んでみました。齋藤孝氏は1997年から2007年までの11年間に263冊もの本を出版した超人的な売れっ子教育者。私の友人はゴーストライターの存在を指摘していますが、私が実際に何冊か著作を読んでみたところ齋藤氏の息遣いがどの本からも感じられ、たとえゴーストライターがいるにしろ、なかなか内容の濃いものとなっています。

今回読んだ「働く気持ちに火をつける」。目からうろこでした~。
今でこそ齋藤孝氏は教育者、学者としての認知度が上がり、社会でのステイタスを確立していますが、下積み時代には誹謗中傷を受けることも幾度かあったそうです。で、私がものすごーく感心したのは、彼が「怒りをやる気に変換する回路」を持っていることなんです。例えば…

 《 ある日、私はある経営者と雑談をしていて、「いずれは文部大臣をやりたいと思っているんです。」と言ったことがあった。すると「ははは、バカを言ってはいけない」と一笑に付されたのである。 
―中略―  
その時は平静を装っていたが、心の中では、「よくも言ったな!絶対に目に物見せてやる」と、瞬時に自分のパッションに火をつけていた。いつか文部大臣になってやる、というより、私が文部大臣に一番近くていい男だろうぐらいに思って今日に至っている。 
-中略ー
馬鹿にした人を、自分を認めなかった世間の代表だと誇大解釈し、いわれなき罪を着せ、世の中を強大なる敵として戦うのだ。個人を恨んでもつまらない。世間という巨大な敵に挑むのだ。私はずっとそれをやり続けた。 》

この部分は私を批判した批評家を個人的に恨んで、それ以後ふてくされてリスクを背負うようなチャレンジをしてこなかった私にズンと響くモノがありました。
今まで幸いなことに振付家としていろいろなプロジェクトからオファーが来ていたので、それをこなしてゆく程度の仕事しかしてこなかった私…。そういえばこの7年何かを自分で開拓してゆくような仕事をしていないんじゃないかと大いに反省しました。「クリエイターとしてそれではいかんぞー、しっかり精進せい~!」とご先祖様の声も聞こえてくるような気がします。怒りも上手に使えば人生の推進力になるんですね。7年前にこの本を読んでおきたかった!
とりあえず、

「よっしゃ~、やるぞー。」

と、仁王立ち。
タイトル通り齋藤孝氏に働く気持ちに火をつけられた単純なわたくしでございます。

新年早々

2009-01-01 19:28:20 | ロンドン
今日の写真: 鏡餅 

あけましておめでとうございます。

ロンドンも新年を迎えました。
毎年ロンドンでは新年のカウントダウンとともにテムズ川河畔のロンドンアイの周辺で盛大に花火が上がります。

私も旦那も人ごみが好きではないのでうちでテレビを見ながら2009年到来の瞬間を迎えました。

5,4,3,2,1…PON!!

シャンペンを開けて乾杯!
ビリー・ホリデーの曲に合わせてダンスを踊っていたらうちの近所でも花火が上がりました。
裏庭越しの近所の屋根の向こう側で花火を打ち上げています。
私たちが裏庭沿いのガラス戸から空を見上げているとふいにオレンジ色の光が南東の方角からゆっくり上がってきました。最初は花火かと思ったんですが動きがやけに遅くて、光が落ちても来ないし消えもしない。見慣れた飛行機の光とはぜんぜん違います。

「なんだか変だよ~。」

旦那も不思議そうな顔でその光を見ていました。
時刻は0時15分ぐらいだったでしょうか? 空は曇っていて星は見えませんでした。
やがてその光はゆっくりと頭上を通過して移動してゆきました。屋根の影に隠れてしまったので私達は今度は表玄関の方に回って、靴も履かずに外に出て空を見上げました。光はうちの前の街路樹の遥か彼方で止まるとゆっくり、ゆっくり時間をかけて消えてゆきました。今までこんな光、見たことがありません。

光が消えてしまうと、うちの旦那は

「カワイー、カワイ~。」

と言って私にしがみついてきました。可愛いですって~?
どうやら彼は「怖い」と「可愛い」を間違えているようでした。
こんなところで間違えるなよ~。ミステリアスな雰囲気がぶち壊し。

旦那のいつもの勘違いはさて置き、夜の冷え込みも手伝って背筋がぞくっとしました。
あれはいったい何だったんでしょう? UFOってやつ???

他にも見た人がきっといると思うんですが、いまだにあの光が何だったのかは謎です。でも、私達は

「あれはきっと幸運のお告げの星。

と、勝手に解釈して、2009年もラッキーな年になるんじゃないかと期待することにしました。

めでたし、めでたし。