段ボールの備忘録

'80~'90年代のYAMAHAに乗ってます、メンテ記録のメモ代わりなブログです。

精密測定機器を持たないサンデーメカニックの部品使用判定方法…その傾向と対策

2015年05月30日 | 3Y5(XT250)

早い話、ダイアルゲージ、マイクロメーターを持っていないのであるw

あるのはノギスとシクネスゲージのみ…これでピストン、シリンダーの磨耗具合を考えてみる。

考えてみるというのは、精密に測定できない以上測定数字による判定が出来ないので

他の部品を当ててみて、これくらいなら再使用してもいいかなぁ?という推測による判定である。

推測するにしても「基準」は必要…測定数字に頼れない以上は「これは磨耗していない」という部品に

頼るしかない…つまり新品の部品を当ててみて、クリアランスで判断しようというわけ。

用意したのは新品のピストンリング…これをシリンダーの内壁にセットして、リング合口の隙間で

シリンダーの良否を判定しようと試みた。

「部品、入ったよ~」とバイク屋さんからTELがあり、引き取りに行く。

財布からお金を取り出してる時に「これ、何のリング?」値段から相当高級車をイメージしてたらしいw

「いや、XTの…」と言ったとたんに「あぁ~~~…」だってw

「いぁ、なんかメチャクチャ高いからさぁ(^^;」

「ウンウン、古いからねぇ…無いよりいいじゃん?って言われてるみたいでさ┐(´д`)┌」

「ウン、わかるわ、それ…」

 

以前、ボルトが折れてケース交換しないと…と、どこかに書いた気がするが、メイトとかAXISの予備部本のせいで

いよいよ、予備部品の置き場が無くなってきたので、覚悟を決めて予備エンジンをバラしにかかる。

使えるケースは使用にまわし、入らないケースを一個捨てただけで、広大なスペースが手に入るのだ!…そんな感じw

4本、折れてるわけですねw

もちろん、ただじゃ緩まないとわかった時点でボルトのアタマが開くくらいにガンガン叩いたわけですが

ウニャ~と回って「あ……」を4回w

トーチで暖めたかったけど、左のケースカバーは樹脂製…熱は使えなかったわけで(´Д`)

これのおかげでこのエンジン、しばらく隠居の身となってたのですがすでに廃棄となった、このエンジンの前のケースと

クランクが残っていたので、組み換え始めた。

ちゃっちゃとバラして、シリンダーの刻印を確認…刻印は「A」

3Y5のエンジンは「A」と「B」の2種類のシリンダーがあって、それぞれ対応するピストンも用意されている

ただし、ピストンリングは共通。

何が違うのかというと、オイルクリアランス(0.35~0.55ミリ)分だけA>Bなのだ。

なので、Aシリンダーは磨り減ったら寿命だけどBシリンダーはAピストンと組み合わせれば

もう少し延命できる可能性がある。

クラッチを取り出して、ちとニンマリw一度交換されてるみたい。

フリクションプレートはどれも新しく、クラッチプレートも傷ひとつ無く、表面のディンプルがしっかり残っている。

おそらく中古車として売る前に整備をして、店頭に陳列…買った人も、買っただけでそう走らせずに終わったみたい。

使用中のエンジンのクラッチがたま~に「滑ってる…かな?」状態なのでありがたい。

クランクを取り出してベアリングをガソリンで洗う…乾いた頃に指先でシュッと回すと「ジィィィ…」

変えたいとこだねwけど無理(´・ω・`)ベアリングの外側にはカムチェーンのドライブギアが焼き嵌めされている。

ベアリング自体はドコでも手にはいる番手だが、焼き嵌めをはずして交換してくれる内燃機屋さんがいれば話は別だけど

いまどき、手作業でやってくれるところは無いかと…なんでも「壊れたらユニット交換」で、交換する技術は残っても

職人芸に類する技術は消えていく…まぁ、日本もそう長くはないだろう。

メイトの時もそう、クランクベアリングを交換したくてもクランクごと交換になるので、ミッション系ベアリングの交換を

しようとする気のテンションが下がる…やっても無駄じゃん?(´・ω・`)ここがダメならミッションが元気でも意味がない。

…と、いうわけでボルト折損のケースはゴミ箱に捨てて、「組む時はこれ!」のケースと一緒にコンテナボックスに入れ

そのまま保管となったw

んで、使用中のエンジン…ケース前方からオイルのにじみがあるのは前に書いたと思うが、予備がA…

じゃ、こっちは?と確認がてらにじみ補修の為にバラすことにした。

結果は「B」…\(^o^)/ヒャッホー、もうしばらくは使えそうw

ただ、フライホイルが抜けなくて、粘っていたらシャフト先端のネジ部のピッチが微妙に狂いましたwww修正に出さなきゃ(´Д`)ハァ…

 

さて、本題…

左がA、右がBシリンダー…使用中だったのは「B」よくガスが薄いとぼやいていたが、それを裏付けるがごとく

燃焼室は真っ白…Bピストンはちとこげ茶っぽく見えるけどヘッド、プラグはホントに真っ白w

新品のリングをSMどおりにセットして合口の隙間をゲージで測る…基準は0.2~0.4、限界は0.8ミリ

この数字を解釈してみる…SMに書いてあるのは「整備するならこう行って、これだけ減っていたら交換して下さい」と自分的に定義。

0.2~0.4の0.2は新品のシリンダーに新品のリングの組み合わせ…0.4はそれぞれが中古となった場合の数字…

0.8は廃棄処分の限界値と解釈…間違ってはないかと?w

と、すれば新品のリングを組み込んで0.2では緩くて0.24が入らない実測値は良い結果かとw

シリンダー内壁はリングとピストン、ピストンのみが接する二種類にわかれるので、リング・ピストンが摺動してる最下端も当ててみた

こんな感じで押し込んで…

結果0.27くらい…少なくとも0.3以下だから、この方法・解釈で判断する限りこのシリンダーはまだ使えそう。

ただ、ピストンの磨耗を考えるとどうなんだろう?シリンダー、ピストンをそれぞれ精密に測定すれば

オイルクリアランスの限界値は超えてそうな気はする。

まぁ、新車の性能を求めているわけではない…気持ちよく動いてくれればそれでOK。

Bクランクはネジ部の修正、Aクランクはスモールエンドにちょいカジリが発生、っつーと残りは初代エンジンのクランク…

こいつはフライホイルを外す時に叩いたような遠い記憶ががが(;´∀`)…まぁ、いいやダメなら壊れるだろうw

ケース、ミッションはB、クランクは初代、腰上はAで組み上げることにしようと思う。

 

H29.9.24 追記:シリンダー区分A、Bについて

ヤマハのサイズ記号は順を追うほど大きくなったハズ…とのコメントを頂いた。

自分は下の写真の シリンダーサイズ を見てA>Bと思っていたのだが

改めて考えると、この表の見方はどうなんだろう?

A欄、B欄を横に追うと、その欄の中で理屈は合ってるが(+0.011は+0.010の誤植かと)

ピストンサイズの序列でいけばB欄はA欄に書いてあるべき…

どうなんだろうね?今さら 基準サイズ が問題になるようなOHは出来ないので(モノが無いw)

現物合わせて手を入れるしか無いわけだが、言われると気になるw

  

 

 

 

 

 


2 コメント

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やっぱり感触か (ピッツS)
2015-06-19 01:18:57
確かに計測値は大事だけど、やっぱり組み上げる時の加減なのかなあ。
動かしながら少しずつ締め上げるってか、軽く回れと念じながら組み立てると、良いエンジンに仕上がるな(笑)
うん、トルクなんだけど… (段ボール管理人)
2015-06-19 13:41:15
実際、ケースを割って再度くみ上げる作業ってミッション関係が不安で手を出したことが無かったんだけど、
たまたまメイトがいい教材だなと思ってやってみたら、結構簡単…
と、いうのか「組みあがるようにしか、組み上げられない」ことがわかって、XTにも挑戦してみたわけw
…で、ケース交換だからクランクを取り出さなきゃなんだけど、SSTが無いと取り外し、組み込みが出来ないハズなのに
代替工具を探してる時に、黒いケースがたまたま直射日光に当たっていたら
裏返しにしただけで、クランクがスコン!と落ちてきたw
アルミの膨張率を知った瞬間なわけだけど、「じゃ、運転中のエンジンってどれくらい膨張してるんだろう?」と考えた時
適正トルクって何?と思ったよw
メーカーは「これ以上締めると部品が壊れる」とか「作動に影響が出る」とかでトルクを決めてるのだろうけど
これだけ熱変化が激しい環境で、すべてが収まってるのだろうか?とか、メーカーがそこまで管理しきってるとしたらすごいなとか
まぁ、トルク一つにしてもいろんな考え方が出来て面白いねw
ピストンが動きやすいシリンダーの位置って、位置決めピンで指定されてるから、エンジンの場合は「漏れなきゃいい」とか「緩まなきゃいい」程度にしか締めてないことが多いけど
リアアーム関係は、ショックを外してアームの動きを探りながら締めていくことが多いかな…
アームが軽く動くと「あ、ピストンの動きがわかる」と知ったのは
実は、最近のことだったりするwww
どんな視点でとか、何をテーマにとか、どんな哲学でとか…
組み上げる視点を変えると、いろんな組み上げ方があって機械は面白いねw



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