楊枝秀基(ようじ・ひでき)の「タイガーチャージ」

デイリースポーツ阪神担当記者のファンキーリポート

秋季練習が始まりました

2008年10月29日 | Weblog
 鳴尾浜で真弓新監督による新体制のもと秋季練習が始まりました。
 午前11時からミーティングということでしたが
 2時間前の9時には100人近い取材陣が殺到。
 それはそれはものものしい光景が広がっていました。
 あらためて阪神っていうチームの注目度の高さを知った気がします。

 真弓監督、木戸ヘッドら85年のV戦士もええ感じですが
 久慈さん、八木さんという次世代のヒーローも
 コーチングスタッフに加入しました。
 子供時代から青春時代に声をからして応援した選手たちが
 指導者として目の前にいると思うと
 なんでしょう、いい伝統みたいなものも感じました。

 きょうはベテランや主力選手に関しては練習は免除でした。
 首痛と戦いながら、全試合出場を果たした赤星もそっち組でしたが
 久々に元気な顔を見て安心しました。
 ゴールデングラブ賞を受賞したということで
 いい笑顔を見せてましたね。
 今年は阪神から外野から赤星、一塁手として新井の2人が受賞。
 「守りの野球」をテーマに掲げている真弓新監督のもと
 来年はもっと多くの受賞選手が現れることを赤星選手も願ってました。

 今季の悔しさをバネに
 悔しさを忘れないように
 それぞれの選手が自分への課題を持って練習に没頭できるこの時期。
 若手も中堅選手もグーンと伸びる時期だと思います。
 虎の将来が楽しみです。
 鳴尾浜のスタンドにも多くのファンが詰め掛けてました。
 巨人に負けてしまったのは悔しいですけど
 期待がふくらみます。

骨折したんぢゃ…

2008年10月25日 | Weblog
 ビシッというのか、ピシッていうのが骨がきしむ音がダイレクトに聞こえてきました。
 あのクルーンの剛速球が左手首に直撃して、大男が地面に転んでのた打ち回る。
 その衝撃たるや想像を絶するものでした。
 やっぱり野球って危険なスポーツやなと再認識しました。
 ただ、体を張って出塁する姿がナインの心に火をつけたのも確かでした。
 こういうプレーが人の心を動かすんやなと。

 実は僕はきょう、東京ドームで行われているクライマックスシリーズ第2ステージ第3戦の取材にいってきました。
 とはいっても阪神の次期監督に内定している真弓明信さんがラジオの解説をするので、同行してきた形なんですけどね。
 阪神のいない寂しいCSですが、延長十二回の熱戦に釘付けになりました。
 その九回、中日の攻撃での出来事が冒頭の段落です。

 巨人が1点をリードして迎えた九回です。
 守護神・クルーンがマウンドに上がり、打席には中村紀。
 カウント2-3からの内角球が大きく外れて左手首を直撃しました。
 その出塁でクルーンは降板。
 中村の代走で英智が出場し、山口が登板。
 送りバントのあと、谷繁がタイムリー二塁打を放って同点に追いつきました。
 あの土壇場で同点に追いつく底力。
 しかもアウエー。
 なんというのか、中村の表に出てくる闘志が球場に広がるのが見えたような気がしました。
 静かに一生懸命、ひたむきにもいいんですよ。もちろん。
 しかし、プロである以上は見ている人に伝わるガッツも必要だと思うんです。
 巨人の小笠原も三振したらむちゃくちゃ悔しそうな感じで帰ってくるでしょ。
 そればかりがええとはいわんのですけど
 見ててなんか伝わるものがありますよね。
 中村のデッドボールでの出塁も必死で粘って勝ち取った死球やと思います。
 阪神の選手ももちろん、めちゃめちゃ一生懸命やってますけど
 ズドーンと胸を貫くような姿を見せてもらうことは正直、少ないです。
 金本さんが頭にゴーンって死球を食らっても試合に出てくる姿を生で見るとやっぱり鳥肌が立ちますからね。この人、命がけでやってるわってね。
 根性とかそんなんはどうでもいいんですけど
 リアルな感情は観衆にも伝わるはずですから。
 
 ああ、でもこの場に阪神はおらんのかと思ってね…。
 来年、こういう舞台で熱いプレーを見せてくれる
 若き虎のヒーローに登場してもらいたいです。
 ファンのみなさんもそう思いませんか?
 
 
 

新監督誕生へ

2008年10月23日 | Weblog
 ここ最近、新監督候補に名前が挙がっている真弓明信氏の担当をしています。
 ニュースを追いかけて、朝も夜もなく動き回ったり同じ場所でじっと張り込んだりとか、みんながイメージする感じの新聞記者なことをしています。
 人によりますけど、しんどいけど楽しいですよ。
 ニュースの最前線にいられるなんて
 普通では体験できないことですからね。
 休日もなくしんどいですけど、楽しんで仕事をしています。
 何でも楽しまんと損でしょ。

 まして僕は子供のころは真弓選手が大好きでした。
 下敷きを学校に持っていったり
 小学4年生のときに初めて出場した試合では当時の真弓選手と同じ1番・ショートでスタメンでした。
 20歳も年上の人とこうやって社会人になって取材をさしてもらえる。
 こんなのってなんなんでしょうね。
 なんか運命というか縁を感じますね。
 また、真弓さんが男前やしかっこええしゴルフはうまいし、取材の対応も丁寧でジョークもうまいんです。
 昔、ファンだったから褒めているわけでも、次の監督になるから褒めているわけでもないですよ。
 実際に目の前で会っている感想を言ってるだけです。

 23日にも球団から真弓さんに監督就任の正式要請がされるかもしれません。
 詳しくはデイリーの1面でチェックしてくださいね。

本当の終戦

2008年10月21日 | Weblog
 
 負けた気がしませんでした。
 目の前で岡田監督が胴上げされている。
 負けたのに。
 それでも、スタンドから現役時代のヒッティングマーチが鳴り、岡田コールがこだまする光景はなんか感動的だった。
 今季の82勝という数字は優勝していてもおかしくない数字だと思うし、誰も「岡田何をしとんねん」という風には思ってないと思うんです。それより、強いままの阪神を5年間もキープしてくれてありがとうという思いが強かったんじゃないでしょうか。85年の日本一戦士がチームに帰ってきて、強いチームを作ってくれた。そういう流れができたことが功績だと思います。
 85年の日本一のころ、僕は小学6年生でした。あのころの「オカダ」が目の前にいて、こうして取材しているというのは何とも幸せです。取材にかこつけてオフには一緒にゴルフをさせてもらうこともありました。グラウンドで見せる顔とは違って、大阪の普通のおっちゃんに戻る瞬間。そういう岡田監督が好きでした。

 最後の試合は球児がウッズに被弾して終了。
 しかし、最後に球児が打たれたのはよかったと思います。
 一番、頑張った彼が打たれて誰が文句を言うでしょう。
 チームとしてもっともいい投手を出して勝負をしにいって負けた。
 いろんな意見はあると思いますが
 球児で終わったということは何か意味があると思います。
 
 岡田監督には5年間ありがとうございました。
 選手たちには08年シーズンご苦労様でした。
 今はとりあえず、そう言いたいです。

 

ほんまに悔しい…

2008年10月09日 | Weblog
 ずっと戦ってきて141試合目ですよ。
 なんでここまできて負けなあかんのか。
 目の前でやっている人たちは一生懸命やってたと思います。
 誰も油断とか、そんなんしてなかったはずやと思います。

 本当にいろんなことがありまして。
 新聞には書けないいろんな話があるんです。
 こういう結果につながる要因はいくつかあるので
 心配はしていました。
 しかし、グラウンドに出れば純粋に勝ちたいと思うものでしょ。
 アスリートというものは。

 僕ら新聞記者も仕事の愚痴をこぼしたりすることもあります。
 しかし、パソコンの前に座って
 原稿を書くとなれば
 読んでくれる人に楽しんでもらうために
 一生懸命に文章を書きます。
 
 野球選手を一緒にしたら失礼ですけど
 こんな結果、めちゃめちゃ悔しいはずなんです。
 巨人にマジック2が出ましたが
 圧倒的に不利な状況ではありますが
 ここで生き様をみせてもらいたいんです。
 今年のメンバーで野球をできるのはあと3試合。
 クライマックスシリーズもあるわけですから
 いい野球をみせてもらいたいです。
 
 お金を払って忙しい中、時間をつくって野球を観に来るファンのために
 おもしろい野球を見せてもらいたい。
 ここから阪神ナインがどんな野球をするのか
 期待して楽しみに見させてもらいます。
 いい原稿を書かしてもらいたいですね。 
 

ヒロシ最高!!

2008年10月05日 | Weblog
 最高です。
 ヒロシは最高です。
 すっきりしない試合が続いていましたが
 雨の神宮で8対3の快勝。
 勝利を決定づけたのは九回二死一、三塁からのバルディリスの3ランでした。
 もちろん、他の選手も目一杯頑張ってました。
 それでも、この日はヒロシの活躍が本当にうれしかったんです。
 
 ベネズエラから夢を追い掛けて渡米。
 メジャーも経験したものの、定着はできず遠い日本にまできた。
 しかも、25歳の若さです。
 個人的なことですが、僕には24歳の妹がいます。
 35歳の僕からはかなり歳の離れた妹です。
 それだけに、バルディリスがかわいくて仕方ないんですね。
 しかもまた、個人的なことですが
 僕自身、23歳から24歳のころたったひとりでアメリカに渡りました。
 最初は本当に寂しかったです。
 この土地に何をするために来たか、それを考えて必死に頑張っていた時代です。
 そんなことを思い出すにつけ、ヒロシも寂しいながら野球に必死に打ち込んできたんだなと思ってしまうんです。
 いまはチームメートともある程度、コミュニケーションを取って仲良くしているでしょうけど、人に言えないつらい思いもしてきたはずです。
 だから、ヒロシが頑張ると、なんかすごくうれしいんです。

 勝負の世界は厳しいものです。
 実際に、以前に書いた泣くほどうれしいホームランを打った今岡選手が復活したから、バルディリスの出場機会は減りました。
 今は今岡選手の守備固めが中心です。
 それでも「チャンスは少なくなったけど、そこで何とか結果を出したいと思っているんだ」と前向きにプレーする姿は気持ちいいです。
 もちろん、今岡選手にもヒロシにも頑張ってもらってとは思います。
 でも、プロ野球界は全員が結果を出して全員が幸せになれる世界ではない。
 そこで、簡単にグチを言ったりする人は好きじゃないです。
 自分の能力の限りに一生懸命プレーする人が好きなんです。
 そんな選手のうちのひとりがヒロシです。
 
 応援してあげてくださいね。