何のことかと思われるでしょうけれど…
もう37年ほど前のお話です。
高校三年生だったワタシ。
当時のガールフレンド…いや彼女と
学校やクラブ、帰り道にも一緒だったクセに
夜な夜な電話の日々。
母に叱られても長電話ざんまい(^^;)
当然、携帯電話もなく、
そして、NTTでもない電電公社の時代。
同じ区域内なら3分間10円の頃です。
(さすがに3分間7円の時代は1976年頃まで)
つまり、単純計算ですが、
固定電話で1時間通話していると、だいたい200円。
いやいや…、
1時間ずっと通話していても200円の時代でした。
5時間話していると約1000円っちゅうことですな。
一度だけではありましたが、
その彼女と8時間だか9時間だかの
長電話をしていたことがあります。
夜9時頃から朝6時頃まで、だったかな。
料金で言えば、ひと晩で2000円近く(^^;)
さすがに母に
「今月の電話代いくらだと思ってんの!」
と数千円の料金を怒られたこともありました。
さて、電話料金のことを書こうとしたわけではなく…
その長電話(一番長かったときかどうか定かではありませんが)の時、
ワタシと彼女はいったい何を話していたのでしょうか?
よくもまあ、何時間も話すことがあったよなあ。
って、きっと取り留めもない、
ごくごく普通の話をしていたにすぎません。
通話の途中でお互いに何か食べたり飲んだりもしていたし、
「ちょっとお湯沸かしてきていい?」
「じゃあ、俺も何か持ってくるよ」
なんて会話もかすかに覚えています。
そう、いったん切ればいいのに、とも思いますが
かけ直すと、電話のベルが鳴るじゃないですか?
そうすると夜中に電話していることが親にバレる(^^;)
お互いに大きな家でもなく、
ましてや自分専用電話なんてない時代ですからね。
多分、電話の向こうとこっちで、
会話をしながらも、何かしながら…
つまり、飲み食いしたり、雑誌をめくったり。
きっと、気づかないながらも"シアワセな時間"を
共有していたのだとは思います。
そんな長電話中のある時、
彼女が、たぶん何かを眺めていたのでしょう。
「え?びんまん?」
と素っ頓狂な声をあげました。
「何言ってんの?」
「…あ、"としみつ"かぁ!…アハハハ」
彼女は一人でバカうけ状態で笑い転げています。
「おーい、何のことだー?」
彼女に聞くと、新聞の大相撲の記事で
北の湖関の名前「北の湖敏満」と書いてあり、
それを、ボーッと見ていて、
"びんまん"と読んでしまったとのこと。
ワタシが顛末を聞いても、さほどウケなかったし、
仮に、人に言っても、ぜーんぜん、ウケもしないことでしょう。
自分の読み間違い、言い間違いなどは、
自分がいちばん「バッカでぇ(^^;)」と思うものですからね。
でも、二人の間ではこの"びんまん"をきっかけに
人の名前を音読みでふざけて読んだり、
ってなこともしてました。
そして、その彼女と別れてからも、
北の湖関が変わらず何度も優勝し、
引退されて、そして理事長になったり、というたびに
お名前が新聞に載りました。
そんな時は、この彼女との実にくだらない(^^;)、
でも懐かしい話を思い出すのです。
今晩、北の湖理事長ご逝去のニュースがあり、
"びんまん"もたくさんのメディアに出てきました。
ですので、理事長のことよりも
やはり"びんまん"ばかりが浮かんできたのでした。
お亡くなりになった北の湖理事長のお年を拝見し、
ワタシと8歳しか違わないことにも非常に驚きましたが、
いかつい顔をしてらしたけど、相撲に対して真摯に向き合い、
引退後も角界のために一生懸命に尽くされてきたとのこと。
ある意味、ワタシの青春時代に強かった横綱です。
心よりご冥福をお祈りいたします。
さっちゃん、憶えていますか?
"びんまん"、亡くなられたよ。
さびしいね。
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