daifukusukeのにっき

そのとき思ったことを書くとこ

ライブドアとその周辺の報道等について~続き5

2005-03-19 01:29:32 | Weblog
私はライブドアがこのゲームに勝っても
負けてもよいと思っている1人だ。

だからどちらが有利になったという報道を見ても、
その事が私を喜ばせたり、落ち込ませたりすることはない。

ただこの「騒動」を、面白おかしく加工している
マスメディアのやり方は見ていて気持ちのいいものではない。

しかしそれを意図して自社の戦略の中心にすえる、
ライブドアの巧妙さには感心せざるをえない。



前回私は「同時に起こっている」と書いた。
まさに言葉通りなのだが、それがこの問題を
分かりにくくしているし、また「面白く」
している原因でもあると思っている。
ここにきて、また新しい動きもあるようだ。


実を言うと今回の騒動について、ライブドア
が全て意図してこれらの行動をとっているので
あれば、堀江社長の言う世界一とは言わない
までも、日本を代表する複合企業のひとつに
なるのだろうと私は思う。



多くのことが、同時に起こっているのだ。



とても私にカバーできるものではないし、
またそうしようとも思わない。
しかし単純な事実や、比較的重要であると思われる
ような事実を、意図的に小さく扱ったりする
情報の加工の仕方には、黙っていられない。




私はライブドアにとって、負けはない(負ける可能性は低い)。
問題は妥協点をどこにするかだ、と書いた。

しかしもしかしたら最初から、ライブドアの妥協点は
フジサンケイグループの支配権の掌握以外に、
無かったのかもしれない。


そして私は、新しいメディアのあり方や、
本当に利益が出せるのか等、ライブドアの将来の経営について
議論するのはナンセンスだと書いた。

主な理由はこうだ。

ライブドアはこれまで、マスメディアを巧みに利用し、
自社の知名度向上に、大いに役立ててきた。

このようにマスメディアを翻弄し、ほとんど望み通り
の効果をあげることができる、卓越した手腕をもつ
企業が、自社の傘下にマスメディアを持てば、
当然今まで以上に、その企業のために望む効果
を出せるということは、目に見えているからだ。



ニッポン放送(もしかするとフジテレビまで)を買収できる
ほどの資金を動かせる信用を、投資機関から付与された
(それなりの条件が付いたが)
という事実は、これまでライブドアの名前を知っていたが、
あまり興味を持っていなかった、高年齢層、高額所得者層に至るまで、
幅広い層に強い印象を与えただろう。


そしてそのことは、最も利益率が高く、もっともキャッシュフロー
を生み出すライブドアの金融事業の業績に、大きな影響を与える。

放送との融合がもたらす相乗効果に懐疑的な議論は、
金融事業が生み出すキャッシュフローを、過小評価している
(あるいは意図的に無視している)。

ニッポン放送(フジサンケイグループ)がもつステータスを
過小評価してはいけない。
それはこれまでにライブドアが持っていた物とは比べ物にならない。

ライブドアはそれを手に入れようとしているのだ。

そうでなくても、ニッポン放送(フジサンケイグループ)と、
伍して(むしろ有利に)戦っているという事実自体が、
ライブドアのステータスを急速に押し上げている。


メディアコンテンツなどは、多くの事業の中の重要ではあるが
ひとつでしかない。

それらはそれ自体が利益を稼ぎ出す事業であると同時に、
金融サービスに顧客を誘導するという役割も担っている。

フジサンケイグループのステータスが顧客に安心感や
信頼感を与え、豊富なコンテンツの蓄積が、顧客を
引き寄せ続ける。

そして、莫大な個人金融資産が証券・金融商品市場に
流れ込もうとしている現在の状況を考え合わせると、
その相乗効果は計り知れない。






次回も考察する。









謝意

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ライブドアとその周辺の報道等について~続き4

2005-03-18 12:06:47 | Weblog
私は本稿の始めから、ライブドアは誰に対して
このゲームをしかけたのか?
という問いを立てながら、それにはっきり
とは答えていなかった。

前回、3人目のプレイヤーの存在を明らかに
したので、この問いに対しての見通しは
かなり良くなっていると思う。

答えはほとんど出ている。

明らかなのは2人目のプレイヤー、
ニッポン放送あるいはフジサンケイグループ。
そしてこのテーマではあまり重要な役割を
果たしていないが当然ライバル企業。
そして最後のプレイヤーは、この騒動を
見ている私たちである。
そしてライブドアにとって私たちがもっとも重要な
プレイヤーだ。
なぜなら私たちはライブドアの「顧客(見込み)」だからだ。

つまりライブドアがこのゲームをしかけた相手は

1.ニッポン放送(フジサンケイグループ)
2.マスメディア
3.ライバル企業

ライブドアにとって最も重要なプレイヤー

4.顧客(見込み)あるいは騒動を「見ている人」


主な相手はこの4グループだが、ほかにも考えられる。
しかしここでは主にこれらのグループだと言っておく。

そして「顧客」はいくつかのセグメントに分ける
ことができる。
このことに関するニッポン放送(フジサンケイグループ)の
意味は小さくない(後で詳しく見ていくだろう)。

つまり同時に起こっているということだ。

シナジーはもう表れている。





補足

このグループは役割が全く異質であるから、
また違う文脈で語られるだろう。ここではあえて無視する。
ライブドアにとってリスクがあるとすれば
鍵を握っているのはこのグループだろう。

場外(とりあえず).投資・金融機関






これらの明らかになった事を踏まえて「シナジー」の意味を
考察する。


以前、今回の一連の報道の広告効果が、約100億円
だという試算を紹介したが、
私はその試算を「控えめである。」と考えている。
おそらく単純に、今回の騒動での露出回数から算出
された数字であろう。
プロ野球の騒動との文脈も計算に入っていないのでは
ないか。

文脈とは、主に見ている人間が個々にストーリー性を
感じながらこの現象を見るのではないか、という事である。
単発で終わる広告よりも、ストーリー性を持たせたほうが
何倍もの効果があるだろう。
そしてエキサイティングなシナリオには高い値段もつくだろう。
魅力的な役者にも。

そしてしつこいようだが、ライブドアがこの知名度の上昇に対して
全くキャッシュを使っていないという事実。
この事が意味するのは、単純に使わなかった費用の価値が
ライブドアの企業価値に足し算されるというわけではない
ということだ。

どういうことか説明しよう。
例えば百億使って同じ程度の知名度の上昇が見込めたとしよう。
(私は百億でこれほど知名度を上昇させることなど、できないと思うが)
しかし同時に、百億を広告に使うということは、その百億を投資に
まわすことができないということを意味する。

つまり、ライブドアの今回の報道での広告効果が百億円分だとすると、
マイナスになるはずの百億はキャンセルされ、投資に使える百億は
手元に残るということになる。
金融機関等から調達できるキャッシュの量も、当然大きく増える。
私が、ライブドアが知名度上昇のためにキャッシュを使っていない
ことを強調するのはこのためだ。

知名度が上昇してもキャッシュが手元になければ
大きな投資ができずに、その知名度の上昇の効果も、
時間が経つにつれてしぼんでしまう。

逆にキャッシュを使って大きな投資をしても、知名度が低ければ、
大きなリターンは望めない。

ライブドアのような知名度の低かったベンチャー企業にとって、
百億円分の知名度上昇の効果が無料で手に入ることの意味は、
単純に百億円の価値がプラスされる、という事ではないのだ。
もし大きな投資を成功させるアイディアがあれば、
その効果には何倍ものレバレッジがかかるということだ。
そして大きな投資と知名度の上昇が、相互に影響を与え合い
ながら同時に、しかも急速に進行している。

現在のライブドアは一ヶ月前のライブドアとは全く
違う企業に見えるほど急速に価値を高めている。

はじめからある程度知名度のある企業が商品広告に百億使う
ときの効果とは全く違う種類の効果が、ライブドアのような
ベンチャー企業にはありうるということだ。


ここにライブドアのアピールのうまさが卓越しているという
事実は無視できない。
我々が見たいと思うから(視聴率が上がるから)放送されるのだ。


次回も考察する。





謝意


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気になる動き

2005-03-18 03:04:45 | Weblog
トヨタは何が自社に利益をもたらすのか
よく知っている。
そうでなければ、世界で勝ち続けることは
できないだろう。





YOMIURI ON LINE より
ニッポン放送株TOB終了後、トヨタ9万6千株売却



気になるのは、次の部分、

「売却価格は6000円で、TOB価格より50円高かった
ものの前日の終値を360円も下回っていた。」

さらに、

「市場では「トヨタが継続保有を表明したことで、
TOBに応じることを見送った企業がある可能性は否定できず、
短期間での売却には疑問も残る」(アナリスト)との指摘も出ている。」


中立だったはずのトヨタの、結果的にライブドアを有利にするような動き。
今の時点では何もはっきりしないが、非常に興味深い。

ライブドアとその周辺の報道等について~続き3

2005-03-17 09:52:01 | Weblog
これまで、報道が結果的に顧客をライブドアのポータルサイト
に誘導していること。
このことがライブドアの戦略にとって重要な意味を持つこと。
そして、これはライブドアにとって負けない(負ける可能性
が極めて低い)ゲームだということを、明らかにしてきた。

ではなぜ、マスメディア(主にテレビ)は、
フジテレビが勝つか?ライブドアが勝つか?
という勝敗の行方が分からない対決のように煽るのか。
前回までに見たように、問題は妥協点であって、
ライブドア側に(ほぼ)負けはない。







5 中立を装う3人目のプレイヤー


今回はさらにこの現象の本質に迫るために、
主にマスメディアの立場について、この問題を
考察していく。

今回の件の、マスメディアにおける利害関係者は、
実はフジサンケイグループだけではない。
その他全てのマスメディアが、このゲームの3人目の
プレイヤーだと言える。
そしてこのプレイヤーはライブドアのしたたかな戦略の
要を担っている。

そしてこのプレイヤーの振る舞いは、複雑なように見えて、
実は餌に向かう飢えた犬のように単純だ。

そしてライブドアは、その餌を持っている。

このことを見誤ると、私たちは今回の報道の本質を
見誤ってしまう。

報道しているのは3人目のプレイヤー(利害関係者)だ。




日本テレビの例を引くまでもないが、
(一応引いておく)

asahi.com より
「視聴率買収」で日テレに行政指導 総務省


テレビの公共性は、視聴率という怪物の前にひれ伏す。

このことは結果的にマスメディアがライブドアに利用
される決定的な原因になった。
私たちは現実として、マスメディアにあまり期待し過ぎては
いけない。

なぜテレビがライブドアをとりあげ、ライブドアの
不利になるような事実、それも立会い外取引の
ルールの不備など本来ライブドアが責められるべき
問題ではないことを、さもライブドアが不利な立場
に立っている原因かのように扱い、現経営陣の支配力維持
が目的の、新株予約権の大量発行などという手法の
違法性を過小評価し、ライブドア側とフジテレビ側が、
拮抗しているかのような印象を、意図的に与えているのか?

そして前回までに、ここで議論してきたような重要な事実
ではなく、放送の公共性などといった、些末(というか不必要に
基礎的、つまり哲学的)な事や、具体的なヴィジョンがない、
などといった将来の経営に関すること(これは公共性が低い話題
というよりも1企業の問題、経営権はほぼライブドアが握る
だろうし、法的問題等が発生すれば、そうなった時に追求すべき)
に終始するのか?
そんなものは専門家が長い時間をかけて議論するような
問題であり、一般の関心を集めなければならないような
問題だとはとても思えない。
そんなことはない!重要なことじゃないか!と思われる
方は専門家になるべきだ。
そしてこの哲学的でもあるデリケートな問題について
長い時間と労力を捧げるべきだ。

そうでなければ、現状ではルールに従うほかないのではないか?
そしてそのルールに明らかな不備があると言うのなら
明らかな不備を放置していた、ルールに責任をもつべき
立場の組織なり機関が、責任を追及されるべきではないのか?
ルールの不備の放置に関する責任をなぜ問題にしないのか?
ライブドアよりも先に追求すべき組織なり機関があるのでは
ないのか?
それともそれをやると、マスメディア(テレビ)にとって
不都合な事があるのか?
あるいは単純に視聴率が取れないからか?
だとしたら公共性とは一体何か?
マスメディア(テレビ)にとって、公共性よりも視聴率と
それがもたらす継続的な取引関係による利益のほうが、
プライオリティが高いということが明白になるではないか!

あるいは私は何か思い違いをしているのかもしれない。
公共性と視聴率がほぼ同意語であればなんの矛盾も
なくなるからだ。


日常生活におけるマナーや、共同体における活動において
私たちは無意識に多くの不文律に従って生きているし、
ある程度そうであるのが正常な社会であろう。

しかしライブドアがやっているのはビジネスであって
明文化されていないルールにみんな従っているのだから
お前も従えといった論理が通用してはならない。
このゲームに参加する誰が見ても公正だと思える
ルールが明文化されてなければいけない。
それは不可能なことだろうが、そのための努力を
怠ってはいけない。
そうでなければ、特定のプレイヤーに対して明らか
に有利なルールが慣例として保存されることになる。


そして私はまた強調しなければならない。

テレビの公共性は視聴率という怪物の前にひれ伏す!

テレビはホリエモン(堀江社長)がもたらす視聴率
にひれ伏して、おこぼれを頂戴することに躍起に
なっている。

そして、結果的にその見返りとして、顧客をライブドア
のポータルサイトに誘導し続けている。

そしてこの事はライブドアにとって当然「想定の範囲内」だ。





こうきょう-せい 【公共性】

広く社会一般に利害・影響を持つ性質。特定の集団に限られることなく、
社会全体に開かれていること。(大辞林)




再び

驚異的なライブドアのPVの伸び






次回もさらに考察していく。







謝意


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ライブドアとその周辺の報道等について~続き2

2005-03-16 15:11:54 | Weblog
今回からライブドアが誰に対してこのゲームをしかけたのかを
明らかにしていこうと思う。
私たちはライブドアの想像以上のしたたかさに気づく
だろうし、その戦略の見事さに感服し、賞賛する人もいるかも
しれない。また当然不快感を感じる人もかなりいるだろう。



補足と確認


ひとつ確認しなければいけないことがある。

ライブドアは数百億円を使って広告を打ったのではない
ということだ。
これは当たり前のことではあるが、その辺をなんとなく勘違い
して議論されている方もおられるようなので確認しておく。
ライブドアが買ったのは資産である。
その資産がもっているいろいろな付加価値を考えると割安で
あると思われるような資産である。

つまりニッポン放送株取得の件が引き起こしたライブドアの
マスメディアへの露出は、まさに「グリコのおまけ」(百億の
おまけだ)的についてきたものであり、そしてそのグリコ本体
(ニッポン放送株)は、これからも価値を生み出し続ける。
極端なことを言えばそれをまたキャッシュに変える、という
選択肢もありうる(これをやると相当なイメージダウンだろうが、
そうするしか選択肢がない、という状況をアピールできればあり得る
だろう)ということだ。

そして一連の報道はライブドアにとって逆宣伝では?と疑問の方は
ポータルサイトのトラフィックの増加を確認されるとよいだろう。

鼻歌さん (idea hint)より
Livedoor インフォシーク 楽天に猛追


ライブドアにとって、イメージアップだろうがダウンだろうが
われわれがライブドアを「知った」という事実が重要
な意味を持っていることに気づくはずだ。
そしてライブドアは私たちに「知られる」ために大金を
払ったことは1度もない。


数百億の資産価値はそのまま残ること。
それどころか価値を生み続けること。
費用を全く使わずに自社の情報が報道され続けること。
これらのことはいったい何を意味するのか?
極端に言うと具体的な買収の相手は、これらの
条件を満たしていればどこでもよいということだ。

これはライブドアにとって、はじめから負けるはず
のないゲームなのだ!
(新株予約権の発行なども想定済みであることは当然
 だろう。そんなものは最初から起こる可能性が極めて
 低いリスクとして想定していたはずだ。実際差し止め
 られたし、それは覆らないだろう)



4 意味


ではライブドアがニッポン放送株を取得した意味について
多角的に考察していこうと思う。


前回も指摘したがもう1度引用する。

「放送のもつリーチ(集客力)を生かして顧客を自社サイト
 に誘導する。」

この言葉が何を意味するのか、よく考えてほしい。
目的はあくまで「顧客を自社サイトに誘導する」ことに
あって、「放送のもつリーチ(集客力)を生かす」こと
は手段に過ぎないことは明白だろう。
このことから何が言えるのか?

「ライブドアが放送をどのように変えたいのか?」

などと議論するのは的外れだということだ。
新しいヴィジョンが見えないなどという批判はナンセンスだ。
もともとそんな物はなくてもいいのだ。というよりなぜそんな物が
なければいけないのか?(もちろん、あればそれに越したことはない)
何よりも重要なのは、ライブドアが企業価値を高めるために
利用価値のある割安な企業の株を買った、という事だ。
もちろんニッポン放送が持っている価値自体は
言うまでもないことだ。
経営に対するヴィジョンが見えないという議論も
ナンセンスだ。
堀江社長はやろうとしていることを、何度も言っているではないか?
それも明確に言っている。

「自社サイトに顧客を誘導し、有料コンテンツの
 手数料収入を増やす」

そんなことの為にあれだけの金を使ってこんなに世間を騒がせた
のか?そんなことはあり得ないだろう。
と思う方はもう1度思い出して欲しい。

ライブドアが買ったのは資産であり、その価値は消えてなくならない、
むしろ持ち続ければ価値を生み出し続ける優良企業の有価証券だ
ということを。
ライブドアはこれまでのところ、顧客を自社サイトに誘導するために
ほとんどまったくキャッシュを使っていないことの意味を改めて
考えて欲しい。

堀江社長の言うシナジー効果とは、ほとんどライブドアグループの
キャッシュフロー(利益でもよい)の増加と同じ意味だ。

繰り返す、勝ち負けを議論するのはナンセンスだ。
これはライブドアにとって、負けない(負ける可能性が
極めて低い)ゲームなのだ。
そしてこれからは、この騒動が実際どのくらいの
キャッシュフローをライブドアにもたらしたのか、
ということが主な興味の対象になっていくだろう。



次回もさらに考察していこうと思う。





謝意


今回の報道でのライブドアの広告効果が、約100億円であるという
専門家による試算があるというコメントを、大村あつしさんより
頂いた。感謝します。
100億とは、不自然にキリがよくてアバウトさをを疑ってしまい
たくなりそうな試算です、でも専門家の試算ですからやはり信頼性
はそれなりに高いんでしょう。
これからこの数字がどのように変わっていくのかも興味深いです。


鼻歌さん、文中で引用(リンク)させて頂きました。感謝します。



追記

トラフィックの解析載せてる方のブログがあったので。

ライブドアの新しい可能性

さらに

驚異的なライブドアのPVの伸び

ライブドアとその周辺の報道等について~続き1

2005-03-15 00:39:27 | Weblog
補足

1でライブドアの戦略について考察したわけだが
 ここで補足しておきたい。

約1年前、私たちの中のいったい何人がライブドア
という会社の存在を認知していただろうかということを
思い出して欲しい。
ほとんどの人は知らなかったと答えるであろう。
ところがプロ野球の球団買収に関する騒動のあと
ライブドアの名前と、それがIT企業であること、
そしてかなりのキャッシュをもっていることを私たちは知っている
(少なくともひとつのプロ野球球団を買おうと名乗りを
上げることができるぐらい)。
そしてそれは全てマスメディアによる報道を通してである。
さらに重要なことに、このことに関してライブドアのキャッシュは
実際ほとんど全く減っていない。



ポータルサイト

1年前、ポータルサイト「ライブドア」はページビューで
トップを競うどころかトップ10にも入っていなかった。
ところがいまやIT企業といえばヤフー、楽天、
もしくはライブドアと答える人が大半ではないか?
そしてポータルサイト「ライブドア」のページビューは
爆発的に増えつづけている。
このことはライブドアの戦略について考察していくうえで
もっとも重要な意味をもつことである。






3 目的


堀江社長の言葉の真実性

ニッポン放送株問題が明るみになった直後から、堀江
社長が一貫して言い続けていたことがある。
その言葉について少し突っ込んで考えていこうと思う。
なぜなら結局今回の件についてのライブドアの目的はその
言葉に要約されているように思われるからである。
要旨はこうである。

「放送のもつリーチ(集客力)を生かして顧客を自社サイト
 に誘導する。」

そしてこの件に関する全ての報道は、上の言葉の中の
「放送のもつリーチ(集客力)」に対応させることができる。
つまりライブドアがそれを意図していたかどうかを断言する
ことは不可能ではあるが、結果として一連の報道は、
ライブドアのポータルサイトに「顧客」を誘導し続けている。


私は2 でライブドアにとって勝つこととは何を意味するのか?
という問いを立てた。
そして1 でマスメディアによるこの件に関する報道が続く限り
ライブドアの価値が増え続けるということを示唆した。
そして改めて確認しなければならない事がある。
このゲームに関してライブドアにとって勝ったと言えるパターンは
ひとつではないという事だ。
これは特に驚くべきことではないが、多くの議論がある中で
なぜかほとんど指摘されていないことである。
つまりいくつか想定することができるパターンが、ある条件を
満たしているならば、それはライブドアにとっての勝利といえる。


それは、

報道その他によるマスメディアへの露出によって起こる、
知名度の上昇、さらにニッポン放送株取得による資産の
増加等、ライブドアにとっての価値の増加が、
キャッシュの減少をキャンセルしプラスになること、である。

そしてライブドアがニッポン放送株を大量に取得した時、
ニッポン放送の株価純資産倍率は、ほぼ1倍であった。
これはつまりニッポン放送が現在持つ実際の資産価値と
ほぼ同等の値段でニッポン放送を支配できる(買える)ことを意味
しているし、さらに、

これは重要なことであるからもう一度強調したい。

一連の報道その他マスメディアへの露出に対して
ライブドアは一銭も払っていない!(ほとんどない広告を除く)

これはたとえ、ニッポン放送によるフジテレビへの新株予約権
の発行が認められ、ライブドアの持つニッポン放送株の価値が
目減りしても、ライブドアが今回の行動で得る価値は、必ずしも
マイナスにはならないということを意味しているし、また、実際に
新株予約権の発行が認められなかったのだから、当然ライブドア
の勝ちだと言える条件を満たす。


ニッポン放送の経営権を巡って、ライブドアが有利に見えた
としても不利に見えたとしても、ライブドアの企業価値は上昇
し続ける。なぜなら私たち全員がそれを「見ている」からだ。

そして私たちは知るだろう。ライブドアが
誰に対してこのゲームをしかけたのか、を。


やはり「(将棋で言えば)もう詰んでいる」のかもしれない。





つづく。









ライブドアとその周辺の報道等について。~何をもって勝ちか?負けか?

2005-03-14 18:32:01 | Weblog
1戦略


ニッポン放送の支配権をめぐるライブドアとフジテレビの
対決が話題だが、私はニュースの記事やブログ、その他巷で
自然と耳に入ってくるちょっとした議論にいたるまで、
全く重要なことに言及されていないことが気になっていた。

このことは自分にとってはトリビアル(自明)なことの
ように思われたので、ニュースも世間も「わざわざそんな
当たり前のことを議論しても仕方がない」というスタンス
なのかと考えていたが、それにしてもそのことについて正面から
評価、検証している記事を全く目にしないというのも奇妙
なことであると思われたので、ほとんど誰の目にも触れない
かも知れないが、ここに書こうと考えた。


宣伝効果

この一連の騒動の最中、テレビの報道番組やワイドショー
その他バラエティ番組にいたるまで、ライブドアという
単語がいったい何回発せられたのかということ、またそれのみ
ではなく報道番組では特集が組まれライブドアという企業の紹介
や、ニッポン放送株取得にいたる経緯などが何度もていねいに
説明されていること。

それは新聞でも同様である。連日の朝夕刊の一面にライブドア
の文字が踊り関連のニュースが書かれ、経済面では連日特集が
組まれる。
また週刊誌でも同様である。
雑誌などではそれだけではなく報道とは全く関係ない記事でも
ライブドアの話題を扱っている。


もうひとつの要素

さらに無視できない要素(このことはライブドアにとってこのような
戦略をとる際不可欠な要素である)は、堀江社長のタレントとして
の価値である。
もちろん堀江社長の肩書きはれっきとした上場企業の社長であり
タレントではない。
しかし堀江社長の出演するテレビ番組は高い視聴率を記録し、
そのインタビューを載せた雑誌は高い売り上げを記録する。
ここで使った「タレントとしての価値」というのはそのような意味
である。
普通このように視聴率や、売り上げに影響力のあるタレントを
自社の広告に起用すれば、ひとつの商品だけで数千万から数億かかるだろう。
ライブドアはそれが自社でまかなえ、なおかつそのタレントとの関係は
タレントが1つの商品イメージの向上に貢献するというだけの関係ではない。
その影響力のあるタレントがその影響力のすべてを行使して
ひとつの企業をマスメディアを使ってPRし続けるという構図に
なっているのである。


数百億円分の価値がすでに回収されたのでは?

もちろん現在、ニッポン放送株に関するこの一連の行為のみに
対するライブドアのキャッシュフローは数百億円の減少であろう。
しかしこれだけのメディアへの露出を、真っ当に広告料を払って
やろうとしたら、いったいいくらかかるのだろうか?
私は専門家ではないので、正確かつ有意味な数字を算出することは
不可能であるが、いくつか指摘できる事がある。
(そしてこのことは私の目に触れた、いかなる文章、いかなる議論
 の中でもはっきりと主張されていない!)
いくら金を積んだとしても、「新聞の一面で何度も報道されること」を
買うことはできないし、「経済面で何度も特集をくまれること」を
買うことはできない、このことはテレビの報道番組やその他雑誌等に
関しても同じ種類のことが言える。
そしてこれらのメディアへの露出に対して、ライブドアは一銭も支払う必要
がなかったのである!

そしてこの事こそがこの一連の行為に関する、ライブドアの戦略の本質
なのではないだろうか?

例えば大手新聞の朝刊に全面広告を一度出すだけで数千万円、テレビの
ゴールデンタイムにコマーシャルを一回流す(10数秒)だけで数百万円
かかることから容易に想像できるだろう。
ライブドアはすでに、ニッポン放送株取得に対して支払ったキャッシュに
見合う価値の大部分を、マスメディアへの露出(無料)によって
回収済みなのではないだろうか?ということを。
そしてこの、マスメディアへの露出(無料)はこれからもしばらく
続くであろうし、その度にライブドアが手に入れる価値の量は
相対的に増え続けるのである。
なぜなら露出のためにマスメディアに広告を打つ場合に減るはずの
莫大なキャッシュが減らないのだから。

私は望む。計量経済学等の専門家が、「新聞、雑誌、テレビ、等マスメディアが
広告媒体としてどれほどの価値を持っているのか、一連の騒動に対する報道で、
ライブドアが、相対的にどれほどの価値を手にしたことになるのか。」
について量的(具体的な数字を示して)に説明した記事がマスメディアによって
提供されることを。




2何をもって勝ちか?負けか?


このように考えを進めていくと、もうひとつ決定的に重要な疑問が
沸いてくる。
それは、この騒動について世の中でされている議論のほとんど全てが、
まったく的はずれで、要点から大きく乖離しているのではないのか?
という疑問である。


ライブドアは一体誰に対してこのゲームをしかけたのか?

ライブドアがゲームをしかけた相手はニッポン放送だろうか、
それともフジテレビだろうか、あるいはフジサンケイグループ、
もしくは既得権益に群がる年寄りすべて、であろうか?


「(将棋で言えば)もう詰んでいる」のか?

ライブドアのニッポン放送株の大量保有が明らかになったあと、
フジテレビによるニッポン放送株の株式公開買い付けの目標達成や、
ニッポン放送のフジテレビに対する新株予約権の発行差し止め、
といった大きな動きがあった。
前者はフジテレビの一勝、後者はライブドアの一勝とする見方が
一般的であろう。
しかしその前に問題にしなければならないことが全く問題にされて
いないのである。
本当にフジテレビ対ライブドアなのか?という議論である。
確かにニッポン放送株の株式公開買い付けを行っていたフジテレビに
対して、ライブドアがニッポン放送株の大量買付けを行い敵対的買収
をしかけた。というのは事実である。
しかしだからといってライブドアの目的がフジテレビに対抗して勝つこと、
(つまりニッポン放送の経営権を握ること)であるとするのは短絡的で
的外れだと言わざるを得ない。

ではライブドアにとって勝つこととは、何を意味するのだろうか?
どのような状況になればライブドアはこのゲームに勝ったと解釈することが
できるだろうか?


つづく。