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MAVICのホイール・システム(2)

2012-11-23 08:16:15 | 自転車用品

 コンプリート・ホイールとしてトータルに考えた場合、やはりMAVICということになるのではと思います。その理由を以下に挙げます。まず第一は耐久性の高さです。Ksyriumの耐久性の高さはMaxtal(マクスタル)という特殊アルミ合金にあります。Maxtalは従来の6106合金よりも重量/強度比が優れ、軽量で優れた剛性を持つMAVIC独自の素材なのです。Maxtal

 また、回転するリムはバランスも大切で、リムの接合が大変難しいのですが、MAVICはいち早くSUPと呼ばれる溶接技法を確立しているのです。ベンディング(曲げ加工)の後、リムのジョイント部分はアーク溶接され、 溶接された継ぎ目は、続いて研磨され滑らかに仕上げられます。その結果として、継ぎ目のないジョイント部はスムースなブレーキングを実現するとともに、ジョイント仕上げと比較して強度が90%も向上し、さらには偏りのない重量バランスを実現しているのです。
Sup
 MAVICのアルミリムは全てリムサイドをダイヤモンドツールで左右平行に高い精度で切削(CNC加工)するUBコントロールが施され、リムとブレーキシューの接触感が一定で、高いブレーキング性能を発揮してくれるのです。但し、SUPはKsyrium以上に、MaxtalはKsyrium Elite以上に採用されている技術となります。Fore_tec

 Ksyrium Elite以上のリムにはFOREテクノロジーが投入され、スポーク穴はリム表側だけにしか開けられていないので、軽量で剛性が高いのが特長。加えてチューブレスホイールのようにリムテープが不要になるのも、大きなメリットです。MAVICのFORE テクノロジーはリムの下部ブリッジに穴を開けるのではなく、素材を溶かしながら内側に押し込んで、ネジ山を造り、そこにスポークニップルを直接ねじ込める構造のため、リムの上部ブリッジは原形を保てるため、リムの金属疲労への耐性が4倍に、リムの剛性が20%向上し、より高いパワー伝導性を実現する画期的な技術なのです。
Ims
 また、Ksyrium Elite以上のホイールにはリムを軽量にするためのISM(Inter Spoke Milling)という技術が使われています。ISMとは”Inter Spoke Milling”つまりスポークとスポークの間を削り込む技術で、MAVIC独自の特許取得済みコンセプトです。リムの内側が波を打ったようになっているのがそれです。このISMによって軽量化されたホイールは低慣性を実現し、登りは勿論、ロードレーサーの多様な速度変化にもスムーズに対応してくれます。実際に試乗した感じでは、WH-6700と比べ、登坂時のギアが1・2枚違う感じでした。Inertia

 低慣性というとぴんとこない方も少なくないと思います。物質は質量が大きいほど慣性も大きくなります(質量の2乗に比例)ので、巡航速度という点では質量の大きいホイールに分がありますが、ゼロスタート時やブレーキング後の加速時にはそれなりのパワーが必要です。また、ブレーキング時にも慣性力は小さいほど止まりやすいという利点があります。TTなどのように高い巡航速度を維持するならホイールはある程度重量があった方が有利かもしれませんが、ロングライドでストップ&ゴーも多くなるシチュエーションなら低慣性なホイールの方が脚にかかる負担は少ないはずです。Zicral

 さらにKsyrium SL以上にはステンレスではなく、ZICRAL(ジクラル)というスポークの重量を軽減しながら剛性を高め、ホイールをより強靭にする特殊アルミ合金が使用されています。この特殊アルミ合金製のスポークにより、Ksyrium SLの重量はKsyrium Eliteより100gほど軽くなっているのです。
 アルミ製のスポークはステンレスに比べて硬いというイメージがあるようですが、試乗した限りでは、MAVICのZICRALスポークは硬いというイメージは全くありませんでした。強度を出すために扁平のきしめん状のスポークを採用していますが、空気抵抗が増しているという感じも全く受けませんでした。
Wh7900_c24_tl
 SHIMANOの場合はカーボンコンポジットリムやステンレス・スポークを細くすることで軽量化をしていますが、MAVICの場合は特殊なアルミと技術力を駆使し、トータルなバランスを保ちながら軽量で低慣性のホイールを完成させているといえるでしょう。

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