京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

「キネマの神様」/原田マハ

2012-09-19 | Book

「キネマの神様」/原田マハ

 

主人公の円山歩(39歳)は勤続17年、都市開発会社で土地の再開発事業を
手掛けていて、もともと歩は映画好きで、シネコンのある一大複合施設の
開発を提案・推進した
ことから、その事業計画の担当課長に抜擢される。
しかし誘致・提携を進める外資シネコンとの癒着という濡れ衣を着せられ、
関連会社に左遷されてしまう。 歩は迷わず辞表を提出。

ところが辞表を出したその日、父親が心筋梗塞で入院してしまう。

これは、映画ファン・映画好きにはたまらない作品で、とても良かったです。

初めてマハさんの小説を読みましたが実に読み易い内容で、もしかしたら、
実兄の原田宗典氏より文章力はあるように思います。
以前、彼女の小説で映画化された
『カフーを待ちわびて』は
ほのぼのとした良い映画でした。

これほど映画と映画館(主に名画座)への敬愛を綴った小説は
過去あまりなかったのでは・・・なんて思いつつ。

映画業界が斜陽産業となり、最近シネコンの台頭で名画座と呼ばれる
箱が殆どなくなって来て
しまったのは実に悲しい。
中・高校生の頃はやはり3本立ての大阪は梅田の名画座へ、
大学時代も京都の名画座に足繁く通った。

ここでは、例えば「ニュー・シネマ・パラダイス」&「ライフ・イズ・ビューティフル」
なんて涙・涙の映画の組み合わせや、他にも「プライベート・ライアン」、
「タイタニック」、「アメリ」、「戦場のピアニスト」、「イングリッシュ・ペイシェント」、「フィールド・オブ・ドリームス」、「Shall we ダンス?」、
「七人の侍」、「硫黄島からの手紙」、「ワーキング・ガール」、
「ローマの休日」、」「オール・アバウト・マイ・マザー」、「トーク・トゥ・ハー」、
「天国から来たチャンピオン」、「カッコーの巣の上で」、「テルマ&ルイーズ」、
「アイ・アム・サム」「フォレスト・ガンプ」「ビッグ・フィッシュ」、「ターミナル」
等々、そのタイトル群を読んだだけでも、映画好きにとっては
ウキウキワクワクする秀作ばかり。 この本を読みながら、

それぞれの映画に感動した熱い想いを思い出さずにはいられなかった。

で、とあるマンションの管理人を務めている父親・円山郷直(ゴウ)は、

競馬好き、麻雀好き、そして映画も大好き。
ゴウの「管理人日誌」は、大好きな映画の感想を書いた映画日誌となっており、
歩はその日誌を一心に読む。 また、ゴウの親友のテラシン(寺林新太郎)は
名画座「テアトル銀幕」の館主。 その真ん中にはゴウの指定席が。
(想像するに飯田橋のギンレイホールがモデルなのだろうか・・・。)

やがて歩は高峰好子氏が経営する映画雑誌「映友」に就職。

しかしながら昔のように上手くいかず、父の「管理人日誌」をヒントに
「キネマの神様」というサイトを立ち上げる。 社員や友人に支えられ、
ここから始まるゴウの映画感想と、それに対抗して過激なコメントを入れてくる
アメリカのローズ(伝説の映画評論家)との戦いから、ワールドワイドに
アクセスも
増え、人気のサイトに。 激戦(舌戦)を超えて、やがて二人は
国も言葉の壁も超えて親友に。 
しかしローズは病床に伏してします。 
「生涯で一番好きな映画」のゴウの問いかけに、

その答えはゴウに直接話したいと。とにかく会いに来て欲しいと。
みんなの後押しを得て、ゴウはローズに会いに行くことを決めたのだが・・・。

笑いあり涙あり、なつかしい映画ありで、あっと言う間に読み終えました。
最後はホント大泣きでした。
これは映画の好きな人(ボクのブログには映画好きが多いと思うので)は、
是非読んで欲しい一冊です。 あえてネタバレはしないでおきました(笑) 


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6 コメント

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映画好きには絶対! (kino )
2012-10-04 23:48:45
この本には、私もヤラレました。
一晩でイッキ読みして、翌朝目が腫れました。
ありえない”映画みたいな話”だけど、素敵な物語でした。
映画好きにはニヤニヤが止まらないですよね。
是非是非多くの映画好きに読んで欲しいです。
返信する
再読~ (cyaz)
2012-10-08 11:04:21
kinoさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>この本には、私もヤラレました。
一晩でイッキ読みして、翌朝目が腫れました。
あらら、それは凄い^^

>ありえない”映画みたいな話”だけど、素敵な物語でした。映画好きにはニヤニヤが止まらないですよね。
是非是非多くの映画好きに読んで欲しいです。
本当にそうですね^^
僕もまた時間をおいて読んでみたいと思っています^^
返信する
ワクワクの (雪芽)
2013-04-14 15:54:24
こんにちは。
作品に散りばめられた映画のタイトルにテンション上がります。
それ以上に登場人物たちの映画への思い、愛情に引き込まれました。
映画好きにはたまりませんね。
返信する
映画好きには~ (cyaz)
2013-04-15 08:21:21
雪芽さん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>作品に散りばめられた映画のタイトルにテンション上がります。
そうでしたね^^

>それ以上に登場人物たちの映画への思い、愛情に引き込まれました。映画好きにはたまりませんね。
確かに映画好きにはたまりません(笑)
映画好きの友人に薦めて、みんな読んで感動していましたよ^^
返信する
素晴らしい! (こに)
2018-03-28 08:15:22
いやぁ~本当に素晴らしい作品でした。
出遅れていますが読んで良かったです。
読み終えたのは少し前で、読後「戦場のピアニスト」を観賞しました。
ゴウvsローズ・パッドの対決、ずっと続けて欲しかったなぁ。
返信する
素晴らしい~ (cyaz)
2018-03-28 08:40:59
こにさん、コメントありがとうございますm(__)m

>いやぁ~本当に素晴らしい作品でした。
出遅れていますが読んで良かったです。
いい本に巡り合えて良かったですね!

>読後「戦場のピアニスト」を観賞しました
こちらも素晴らしい作品ですね!
僕も何度も観ています^^

>ゴウvsローズ・パッドの対決、ずっと続けて欲しかったなぁ
そうでしたね~♪
返信する

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