「トランクの中の日本」(小学館)/ジョー・オダネル
先日、「焼き場に立つ少年/ジョー・オダネル」で彼の写真を見てみたいと思い、写真集を探したら、「トランクの中の日本」という本が出ていた。 早速買おうと思い色々調べてみたら、廃本で入手不可。 ネットオークションなども調べてみたが、思ったより高い。 こんなもので利鞘を稼ぐなと思いつつ、ふと思いついたのが図書館だった。 所有することはできないけど、借りて見ることは可能だからだ。 調べてみると会社の近所の図書館に在庫があったので借りることがてきた。 図書館で本を借りるなんて何年ぶりだろう・・・。 おそらく10年ぶりかな(汗)
CSで見た彼の人柄がこの本の中によく感じ取れる。 危険を侵してまでも持ち帰ったフィルムの数々は、嘘のない、紛れもない真実として後世に残せる財産だ。
焼き場に立つ少年
この写真のジョーのコメントをそのまま記述させてもらうと、
焼き場に10歳くらいの少年がやって来た。 小さい体はやせ細り、ぼろぼろの服を着て裸足だった。 少年の背中には2歳にもならない幼い男の子がくくりつけられていた。 その子はまるで眠っているようで見たところ体のどこにも火傷の跡は見当たらない。
少年は焼き場のふちまで進むとそこで立ち止まる。わき上がる熱風にも動じない。 係員は背中のようじを下ろし、足元の燃え盛る火の上に乗せた。 まもなく、脂の焼ける音がジュウと私の耳にも届く。 炎は勢いよく燃え上がり、立ちつくす少年の顔を赤く染めた。 気落ちしたかのように背が丸くなった少年はまたすぐ背筋を伸ばす。 私は彼から目をそらすことができなくなった。 少年は気を付けの姿勢で、じっと前を見つづけた。 一度も焼かれる弟に目を落とすことはない。 軍人も顔負けの見事な直立不動の姿勢で彼は弟を見送ったのだ。
私はカメラのファインダーを通して、涙も出ないほどの悲しみに打ちひしがれた顔を見守った。 私は彼の肩を抱いてやりたかった。 しかし声をかけることもできないまま、、ただもう一度シャッターを切った。 急に彼は回れ右をすると、背筋をぴんと張り、まっすぐ前を見て歩み去った。 一度も後ろを振り返らないまま。
あの少年はどこへ行き、どうして生きていくのだろうか?
来年もまたこの時期にこの本を借りてみよう。 自分自身がこの悲惨な世界で唯一の被爆国である日本人の一人として。
偶然ですが、私の勤める事務所にはこの「焼き場に立つ少年」のポスターがもう長いこと貼ってあります。若い人がこのポスターを見て、自分の子どもと重ねたりして平和について考える機会となっています。本当にすごい写真だと思います。
>偶然ですが、私の勤める事務所にはこの「焼き場に立つ少年」のポスターがもう長いこと貼ってあります。
へぇ~そうなんですか?
それは売っていたものなのでしょうか?
>若い人がこのポスターを見て、自分の子どもと重ねたりして平和について考える機会となっています。本当にすごい写真だと思います。
日本人は絶対にこの写真の意味をその悲惨な事件を忘れてはいけないものだと思います。
撮影した人は今年の8月に亡くなっているのですね。
1枚の写真がこんなに大きな感動を呼ぶとは・・・有難うございました。
>このような写真集があることを初めて知りました。(ーー;)
実は僕も初めてでした。
TVで彼のドキュメントを観るまでは(汗)
>撮影した人は今年の8月に亡くなっているのですね。1枚の写真がこんなに大きな感動を呼ぶとは・・・有難うございました。
ぜひのびぃ太さんも彼の本探して見て下さい!
始めて「焼き場に立つ少年」の写真を知りました。
見ているだけで心にグサっと来るものがあります。
私も近くの図書館の資料検索してみました。
1冊あるようなので借りてみようと思います。
>始めて「焼き場に立つ少年」の写真を知りました。
見ているだけで心にグサっと来るものがあります。
普通じゃない状態下に置かれた少年ということは誰の目にもわかりますよね。
>私も近くの図書館の資料検索してみました。1冊あるようなので借りてみようと思います。
良かったです。 是非この事実を感じて下さい。
一人でも多くの人がふぴこママさんのように図書館に行って借りて直接目にして欲しいものです。ありがとうございます。
今でも強く生きている事を願っています。
戦争は祖父母からの話ししかしらず、
歴史の一部だと思っていました。
でもこの一枚に出会って、そう思っていた自分の愚かさと、
今の自分の子供達の平凡な生活のありがたさを痛感しました。
戦争を知らない私の、もっと戦争をしらない私の子供達に、
この一枚の、この少年の想いのひとかけらでも届くように、
終戦記念日に、少しずつ話をしていこうと思いました。
感慨深いものがあります。
こした犠牲の中で現在の世の中が成り立っているのかと思うと切なくなります。