壮大で哲学的な世界観、胸を打つストーリー、豪華な衣裳とセット、迫力ある群舞、
また何より、これまで磨き上げてきた技術を惜しみなく注ぎ込んだヤン・リーピンの踊り。
もう封印されたと誰もが思っていたヤン・リーピンの孔雀の舞。
日本でも『シャングリラ』や『ヤン・リーピンの“クラナゾ”』の中で披露され、
観た人の心を鷲掴みにした奇跡の舞が、
これまでのどの作品よりもたっぷりと、そしてスケールアップして披露されている。
ソロ、デュエット、トリプル、群舞などあらゆるタイプのヤン・リーピンの舞踊が、
かつてないボリュームで堪能できるという豪華さ。
本作は間違いなく、ヤン・リーピンがすべてを注ぎ込んだ集大成!!
これまで日本で上演されたヤン・リーピンの孔雀の舞は、
孔雀の生態を舞踊へと変換し、芸術に高めたものであった。
本作では、技術と芸術性の高さはそのままに、
移り変わる四季を背景にした深遠なラブストーリーに創り上げた。
豊かな自然の中で生命が生まれ、運命的な出会いを経て恋が生まれ、その愛が豊かに育ち反映をもたらす。
おごそかで祝祭的な愛の物語は、ヤン・リーピンが磨き上げてきた孔雀の舞いのテクニックが、
存分に発揮される。孔雀の舞にふさわしい題材は、愛の物語。
一方でヤン・リーピンは、孔雀の愛がカラスの邪悪な欲望の犠牲になるというストーリーラインも用意している。
それも、カラスを一方的な悪者にするのでなく、美しさと愛に強く憧れる孤独で不器用な存在として描き、
物語を苦く深遠なものにした。
輝き、喜び、希望、美、清純と共に、渇きや陰影、寂しさや激しさなど、愛の全容を舞踊に込め、
全身で踊り尽くす。それによって孔雀の舞は、一層深く観る人の記憶に刻まれるものになった。
四季の歩みを刻み、決して止まることのない時の経過は、この作品の重要なポイント。
それを体現する「時間」の役に抜擢された美少女パフォーマーが、ヤン・リーピンの実の姪であり、
幼い頃からカンパニーの中で育って来た、若干14歳のツァイー・チー(彩旗)。
2時間の上演時間中ずっと、一瞬も止まることなく体を一方向に回転し続ける。
「訓練してこれができるようになったのではなく、私は子供の頃から目が回るということがないんです。
ただ、今のように長く回転していられるようになったのは、
叔母から“他の人が稽古している間、あなたは体力をつけるために回っていなさい”
と言われて毎日練習していたから。
私が回転していた場所は、他と比べて床がくぼんでいるんです(笑)」
こともなげに笑顔で話す驚異的な身体能力とずば抜けた存在感を持つツァイー・チーは
「ヤン・リーピンの後継者」と目されるのも納得。
ストーリーの内容に合わせて自在に緩急をつけ回転する姿は、
血筋を感じさせると同時に、血のつながりがなくてもきっとヤン・リーピンに見つけ出されたであろう才能を感じさる。
◎大阪公演:2014年6月7日(土)・8日(日) 3回
会場:梅田芸術劇場
■お問い合せ キョードーインフォメーション 06-7732-8888(10:00~19:00)
美しい孔雀ダンス 雀之恋- ヤン・リーピン(楊麗萍)
Original Ecology Dance《Spring》 雙人舞:楊麗萍&小彩旗《春》