最近、首から妙なものをぶら下げている幼児が時々来院するようになり気になっていました。
なんでも、それを装着していると感染予防になるとのこと。
といっても、その子どもが風邪を引いて来院しているのですから、効果は知れたもの。
むしろ、つりひもを何かに引っかけて首を絞めるトラブルが起きないか心配です。
またヘンなものが流行ってきたなあ・・・と思っているところに以下のニュースが飛び込んできました;
■ やけどで中止呼び掛け ウイルスプロテクター(2013.2.18 産経新聞)
首に掛けるだけでウイルスや菌を除去できる「空間除菌」効果をうたった「ウイルスプロテクター」を使用した人がやけどを負う事故が発生しているとして、消費者庁は18日、直ちに使用を中止することを呼び掛けた。
消費者庁によると、この商品は中国製で、金沢市の「ダイトクコーポレーション」が1月25日から販売。千葉県で幼児の胸の皮膚が化学熱傷でただれ重傷を負うなど、今月6日以降、6件の事故情報が寄せられた。既に国内で70万個以上、販売されており、厚生労働省が同社に自主回収を指導する予定。
首から下げたプレートの中に、漂白剤に使われる次亜塩素酸ナトリウムの錠剤が不織布に包まれており、汗に触れると成分が溶け出し、皮膚に刺激を与えるとみられる。
※ 参考:「ウイルスプロテクターは直ちに使用中止を」(消費者庁の正式発表)
「次亜塩素酸ナトリウム」は日常的に身の回りにある物質で、漂白剤・殺菌剤として利用されています。
漂白剤の「ハイター」、ほ乳びん消毒用の「ミルトン」がそうですね。
ノロウイルスにも有効な消毒剤としても話題になりました。
そうそう、プールの消毒に使われる、あのニオイです。
しかし、確実な効果を発揮するためには適切な濃度を用いることが必要であり、薄くては無効、逆に濃すぎると人体に害を及ぼします。
基本的に液体で使用し、気体では用いません。希釈液を作成する際にも「マスクと手袋を着用し十分な換気が必要」を注意が喚起されています。
だいたい開放された空間で消毒剤を首からぶら下げてどれだけ効果があるのか疑問です。
あっという間に拡散して、必要な濃度が維持できないからです。
プールの消毒のニオイがぷんぷんするくらいの濃度が必要なのではないでしょうか。
首からぶら下げるという発想は、事故予防と感染予防の両者の視点から「間違い」ですね。
<追記>
ネットで検索すると、同じ効果を謳った「ウイルスガード」や「ウイルスブロッカー→ 名称改め、空気除菌ブロッカー」という製品がヒットします。
日本製であり、こちらの方が先発品でしょうか。
主成分は「塩素酸塩」、薬効は「二酸化塩素」によると記されており、「次亜塩素酸ナトリウム」を主成分とするウイルスプロテクターとは異なり、健康被害も報告されていないようです。
しかしWikipediaの記載によると必ずしも安全性は確保されていない様子、下記のような情報もあり、こちらも検証が必要と思われます。
※ 参考:
□ 「ウイルスブロッカーの危険性」(openブログ)
□ 「二酸化塩素による除菌をうたった商品-部屋等で使う据置タイプについて-」(国民生活センター)
なんでも、それを装着していると感染予防になるとのこと。
といっても、その子どもが風邪を引いて来院しているのですから、効果は知れたもの。
むしろ、つりひもを何かに引っかけて首を絞めるトラブルが起きないか心配です。
またヘンなものが流行ってきたなあ・・・と思っているところに以下のニュースが飛び込んできました;
■ やけどで中止呼び掛け ウイルスプロテクター(2013.2.18 産経新聞)
首に掛けるだけでウイルスや菌を除去できる「空間除菌」効果をうたった「ウイルスプロテクター」を使用した人がやけどを負う事故が発生しているとして、消費者庁は18日、直ちに使用を中止することを呼び掛けた。
消費者庁によると、この商品は中国製で、金沢市の「ダイトクコーポレーション」が1月25日から販売。千葉県で幼児の胸の皮膚が化学熱傷でただれ重傷を負うなど、今月6日以降、6件の事故情報が寄せられた。既に国内で70万個以上、販売されており、厚生労働省が同社に自主回収を指導する予定。
首から下げたプレートの中に、漂白剤に使われる次亜塩素酸ナトリウムの錠剤が不織布に包まれており、汗に触れると成分が溶け出し、皮膚に刺激を与えるとみられる。
※ 参考:「ウイルスプロテクターは直ちに使用中止を」(消費者庁の正式発表)
「次亜塩素酸ナトリウム」は日常的に身の回りにある物質で、漂白剤・殺菌剤として利用されています。
漂白剤の「ハイター」、ほ乳びん消毒用の「ミルトン」がそうですね。
ノロウイルスにも有効な消毒剤としても話題になりました。
そうそう、プールの消毒に使われる、あのニオイです。
しかし、確実な効果を発揮するためには適切な濃度を用いることが必要であり、薄くては無効、逆に濃すぎると人体に害を及ぼします。
基本的に液体で使用し、気体では用いません。希釈液を作成する際にも「マスクと手袋を着用し十分な換気が必要」を注意が喚起されています。
だいたい開放された空間で消毒剤を首からぶら下げてどれだけ効果があるのか疑問です。
あっという間に拡散して、必要な濃度が維持できないからです。
プールの消毒のニオイがぷんぷんするくらいの濃度が必要なのではないでしょうか。
首からぶら下げるという発想は、事故予防と感染予防の両者の視点から「間違い」ですね。
<追記>
ネットで検索すると、同じ効果を謳った「ウイルスガード」や「ウイルスブロッカー→ 名称改め、空気除菌ブロッカー」という製品がヒットします。
日本製であり、こちらの方が先発品でしょうか。
主成分は「塩素酸塩」、薬効は「二酸化塩素」によると記されており、「次亜塩素酸ナトリウム」を主成分とするウイルスプロテクターとは異なり、健康被害も報告されていないようです。
しかしWikipediaの記載によると必ずしも安全性は確保されていない様子、下記のような情報もあり、こちらも検証が必要と思われます。
※ 参考:
□ 「ウイルスブロッカーの危険性」(openブログ)
□ 「二酸化塩素による除菌をうたった商品-部屋等で使う据置タイプについて-」(国民生活センター)