徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

2016-17年シーズンのインフルエンザ本格的流行が始まりました。

2017年01月25日 08時36分40秒 | 小児科診療
 今週に入り、北関東の当地でもインフルエンザ流行による学級閉鎖があちこちで始まりました。

 迅速検査ではほぼ全員A型で、情報によると、現在流行しているA型は「A香港型」のようです。
 発熱当初、嘔気を伴う患者さんが目立ちます。
 今のところ重症化して入院した患者さんは当院ではゼロ。
 皆さん、手洗いを励行し、咳エチケットをお願いします。

 乳幼児ではRSウイルス感染症もまだ出ています。
 インフルエンザが流行しはじめるとRSウイルスは影を潜めるのがふつうなのですが、今シーズンはちょっと変ですね。

 さて、ご存じと思われますが、毎年流行するインフルエンザを「季節性インフルエンザ」と呼び、今までに人類が経験したことのない新しいタイプを「新型インフルエンザ」と呼びます。

 2009年にブタ由来のインフルエンザが「新型インフルエンザ」と認定され流行したことは記憶に新しいですね。
 大きな騒ぎになりましたが、重症度・死亡数は歴代の新型インフルエンザ(スペイン風邪、香港風邪、・・・)の中では低い印象がありました。
 しかし、
 「まあ、あんなもんか」
 と安心してはいけません。
 ブタインフルエンザは幸いなことに「弱毒性」だったので、被害が少なかったのです。

 これから怖いのは、トリ由来のインフルエンザが新型インフルエンザになること。
 鳥インフルエンザは「強毒性」なので、重症度・死亡率がブタインフルエンザの比ではありません。
 WHOが再度警告を出しています;

■ 鳥インフルエンザ約40か国で新たに報告 WHOが警戒呼びかけ
2017年1月24日:NHK
 WHO=世界保健機関は、養鶏場などでの鳥インフルエンザウイルスの感染拡大が去年11月以降、世界の40近くの国で新たに報告されているとして、警戒を徹底するよう呼びかけています。
 WHOは23日、スイスのジュネーブで執行理事会を開き、チャン事務局長が声明を発表しました。
 この中で鳥インフルエンザウイルスについて、「去年11月以降、40近くの国の養鶏場や野鳥などから高病原性のウイルスの新たな感染拡大が報告されている」と述べ、警戒すべき事態だと強調しました。
 なかでも、アジアの養鶏場などから感染の報告が相次いでいるH5N6型のウイルスのなかには、これまで確認されたものとは遺伝情報が一部、異なるウイルスもあるということです。
 また、中国では2013年以降、H7N9型の鳥インフルエンザウイルスに感染する人が相次いで報告されていて、これまでに1000人以上の感染が確認されています。
 なかには、限定的ながらヒトからヒトへの感染が否定できないケースもあるということで、チャン事務局長は、「兆候を見逃すことは許されない」と述べ、世界各国に対し、警戒を徹底するよう呼びかけています。
 
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