9月はゼーゼーする患者さん、久しぶりに発作を経験した軽症喘息患者さんの受診が目立ちました。
秋は喘息のハイシーズンなので、こんなものかなあ、でもちょっと多いなあ・・・という印象を持っていたところに、以下の記事が目に留まりました。
犯人はエンテロウイルス D68という病原体による感染症の可能性大。
なるほど。腑に落ちました。
昨年の米国の流行(アウトブレイク)では麻痺や神経症状の合併症/後遺症も報告されていますが、日本では今のところ発生報告はないようです。
一部を抜粋します;
■ 気管支喘息様症状の小児入院例からEV-D68が検出
東京都立小児総合医療センターが小児4症例を報告
昨年8月には米国で治癒後に麻痺を生じた例も
(2015/10/2 加納亜子=日経メディカル)
昨年、米国各地で呼吸器疾患のアウトブレイクが発生し、その後にポリオ様の急性弛緩性麻痺を来した入院患者が相次いだことで注目されたエンテロウイルスD68(EV-D68)。2015年9月、東京都立小児総合医療センターへ気管支喘息様症状による呼吸障害で入院する小児患者4人からこのEV-D68が検出されたことが10月1日に国立感染症研究所のウェブサイトで発表された。
報告によると、2015年9月に東京都立小児総合医療センターへ気管支喘息様症状による呼吸障害で入院する患者が著しく増加。喘息様症状の原因を探るため、RSウイルス(RSV)やヒトメタニューモウイルス(hMPV)、アデノウイルス、インフルエンザウイルスなどを疑い、気管内分泌物などを用いてPCR検査を実施したところ、これら通常の呼吸器ウイルスは検出されず、EV-D68が検出された。
その後、EV-D68アウトブレイクを疑い、5人から検体を採取したところ、このうち4人からEV-D68が検出された。報告されたのは、11歳1カ月の女児、7歳1カ月の男児、5歳3カ月の男児、2歳8カ月の男児の4人。このうち2人は気管支喘息の既往歴があったが、吸入薬の投与を必要としていたのは1人のみだった。4人中2人には気管支喘息の既往歴はない。
東京都立小児総合医療センターを受診したEV-D68の4症例は、気管支喘息の既往の有無にかかわらず閉塞性呼吸障害を来していた。同センターは、現時点では「弛緩性麻痺や脳神経異常を呈した症例の報告はないものの、今後の動向に注意する必要がある」とまとめている。
エンテロウイルス感染症は、夏から秋にかけて多く発生し、冬に減少する傾向がある。感染により起こる症状は主に呼吸器症状とされ、軽度の発熱、鼻水、くしゃみといった感冒症状から、気管支炎や肺炎などの下気道炎、喘鳴、呼吸困難まで様々な症状を呈することが知られている(参照記事:エンテロウイルスD68の国内流行に備えよ)。
昨年8月には米国のミズーリ州とイリノイ州を皮切りに、全米でEV-D68による呼吸器疾患のアウトブレイクが発生。2015年1月15日までに中程度から重度の呼吸器疾患を発症し、EV-D68が検出された患者は49州で1153人となった。このうち14人が死亡した。
加えて、米国では、このEV-D68のアウトブレイクの報告とほぼ同時期に、小児が急性弛緩性麻痺や脳神経障害を発症する例が相次いだ。米コロラド小児病院では、アウトブレイクの時期に急性弛緩性麻痺や脳神経障害を生じた12人中5人からEV-D68を検出。これらの神経症状とEV-D68感染との流行に関係があるとして、2015年1月28日にLancet誌電子版に報告していた。
なお、コロラド小児病院の入院患者に生じた神経障害は、弛緩性の四肢の脱力や脳神経障害。発声不全や構音障害、嚥下困難といった球脊髄性の障害、第VI脳神経障害である複視、第VII脳神経障害による顔面下垂などの例も報告されている。
秋は喘息のハイシーズンなので、こんなものかなあ、でもちょっと多いなあ・・・という印象を持っていたところに、以下の記事が目に留まりました。
犯人はエンテロウイルス D68という病原体による感染症の可能性大。
なるほど。腑に落ちました。
昨年の米国の流行(アウトブレイク)では麻痺や神経症状の合併症/後遺症も報告されていますが、日本では今のところ発生報告はないようです。
一部を抜粋します;
■ 気管支喘息様症状の小児入院例からEV-D68が検出
東京都立小児総合医療センターが小児4症例を報告
昨年8月には米国で治癒後に麻痺を生じた例も
(2015/10/2 加納亜子=日経メディカル)
昨年、米国各地で呼吸器疾患のアウトブレイクが発生し、その後にポリオ様の急性弛緩性麻痺を来した入院患者が相次いだことで注目されたエンテロウイルスD68(EV-D68)。2015年9月、東京都立小児総合医療センターへ気管支喘息様症状による呼吸障害で入院する小児患者4人からこのEV-D68が検出されたことが10月1日に国立感染症研究所のウェブサイトで発表された。
報告によると、2015年9月に東京都立小児総合医療センターへ気管支喘息様症状による呼吸障害で入院する患者が著しく増加。喘息様症状の原因を探るため、RSウイルス(RSV)やヒトメタニューモウイルス(hMPV)、アデノウイルス、インフルエンザウイルスなどを疑い、気管内分泌物などを用いてPCR検査を実施したところ、これら通常の呼吸器ウイルスは検出されず、EV-D68が検出された。
その後、EV-D68アウトブレイクを疑い、5人から検体を採取したところ、このうち4人からEV-D68が検出された。報告されたのは、11歳1カ月の女児、7歳1カ月の男児、5歳3カ月の男児、2歳8カ月の男児の4人。このうち2人は気管支喘息の既往歴があったが、吸入薬の投与を必要としていたのは1人のみだった。4人中2人には気管支喘息の既往歴はない。
東京都立小児総合医療センターを受診したEV-D68の4症例は、気管支喘息の既往の有無にかかわらず閉塞性呼吸障害を来していた。同センターは、現時点では「弛緩性麻痺や脳神経異常を呈した症例の報告はないものの、今後の動向に注意する必要がある」とまとめている。
エンテロウイルス感染症は、夏から秋にかけて多く発生し、冬に減少する傾向がある。感染により起こる症状は主に呼吸器症状とされ、軽度の発熱、鼻水、くしゃみといった感冒症状から、気管支炎や肺炎などの下気道炎、喘鳴、呼吸困難まで様々な症状を呈することが知られている(参照記事:エンテロウイルスD68の国内流行に備えよ)。
昨年8月には米国のミズーリ州とイリノイ州を皮切りに、全米でEV-D68による呼吸器疾患のアウトブレイクが発生。2015年1月15日までに中程度から重度の呼吸器疾患を発症し、EV-D68が検出された患者は49州で1153人となった。このうち14人が死亡した。
加えて、米国では、このEV-D68のアウトブレイクの報告とほぼ同時期に、小児が急性弛緩性麻痺や脳神経障害を発症する例が相次いだ。米コロラド小児病院では、アウトブレイクの時期に急性弛緩性麻痺や脳神経障害を生じた12人中5人からEV-D68を検出。これらの神経症状とEV-D68感染との流行に関係があるとして、2015年1月28日にLancet誌電子版に報告していた。
なお、コロラド小児病院の入院患者に生じた神経障害は、弛緩性の四肢の脱力や脳神経障害。発声不全や構音障害、嚥下困難といった球脊髄性の障害、第VI脳神経障害である複視、第VII脳神経障害による顔面下垂などの例も報告されている。