櫻井郁也ダンスブログ Dance and Art by Sakurai Ikuya/CROSS SECTION

◉新作ダンス公演2024年7/13〜14 ◉コンテンポラリーダンス、舞踏、オイリュトミー

『コドモのりょうぶん』無事終了!

2012-12-06 | 公演写真&記録(国内) dance works in JP(photo etc)
炎をじっとみつめた。
なぜかな。
胸の中心が楽になってゆくみたい。
やはり、いいな・・・。

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小学校でのソロダンス『コドモのりょうぶん』無事に公演終了です。

床一面に、そして宙空に撒かれた大量の紙。その一枚一枚に子どもが書いた文字。
闇。かすかな光線。
そんな空間のなかで、ダンスをしました。
音楽には、2台のグランドピアノ。
ひとつは見えない場所に、もう一つは、見える場所に。
見えないピアノからは遠い音がきこえます。
見えるピアノからは、聴いたことがない音がきこえます。
どの鍵盤を叩いても、ド、の音しか鳴らないようにした特殊調律のピアノなのでした。
踊るときに初めて聴きたくて、音楽とダンスは互いに完全即興に。
また、今回のステージでは、水を使いました。
床や宙空にインスタレートされた紙は、水に濡らすと、文字が浮かびあがる仕掛け。
なので、ダンスエリアの床は水に濡れていて、光が乱反射しやすいのでした。
さらに、踊りの途中でも、天井から水を降らせました。
雨のような、霧のような、落水の瞬間は刹那ですが美しかった。
そんな視覚的な面白さに加えて、水はダンスの動きや集中力に、独特の影響を与えました。
水の床は、踏ん張りが効かなくて、バランス力も大きく奪われるのですが、そのぶん、慣れは消え、神経は張り詰めて、踊り手の技術や想像力も、露呈されてゆくのです。
物事が思い通りにならない。
何かをやるうえで、非常に大事なのは、制約だと思います。

結果のわからないものに挑戦する生々しい姿を、子どもたちには、見て欲しいと思いました。
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この公演は、アートプロジェクト『鎌倉なんとかナーレ』の一環として行なわれました。
プロのアーティストの作品と、子どもたちの作品が区別なく並ぶ光景は、展覧会とも学園祭ともちがう、独特の雰囲気を感じました。
そんななかで、ダンスの実験的とも言える公演をさせていただけたのは、とても貴重なことだったと心から思いました。
お世話になった皆様、先生方、子どもたちと保護者のみなさん、本当にありがとうございました!!

上の写真は、プロジェクト最後の校庭。ファイヤーストームのひとこまです。

様々な思いを書いた布が持ち寄られ、それが炎を上げて燃えます。
どうして私たち大人は、叱ることさえ出来ないのでしょうか。
どうして私たち大人は、自分が出来ないことを、子どもたちに期待するのでしょうか。
どうして私たち大人は、まず自分たちが変わろうとしないのでしょうか。
どうして私たち大人は・・・。
そんな宣言文が読み上げられ、大人も子どもも、みんなで大声を出しました。
なんでもいいよ。いま言いたいことぜんぶ言っちゃいましょう。そんな呼びかけがアーティストから出されて、
「わああーーーーーーああ!!!」

炎がどんどん燃えて、はげしく崩れて、
火花が遠く散っていきました。

ほんとに、よかったです。

(関連サイト)
※アートプロジェクト「鎌倉なんとかナーレ」会場写真などありデス!
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