CozyConer

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霧の天狗岳とついでの車山 日本百名山(3/100)

2008年08月18日 | 登山・ウォーキング

P1030177  8月17日、日曜日、オリンピックムード一色の中、予てから計画していた北八ヶ岳は天狗岳登山の為に、いつものメンバーのボクら夫婦とT氏とで一路奥蓼科温泉郷の渋の湯へ向かった。天気はあいにくの曇り空。晴れてくれないかな、と会話にも余裕がまだあって、渋の湯駐車場へ到着してものんきに朝食変わりのオニギリをほうばっていた。実は晴れなくて良かったのではないか?と下山後の我々の感想なのであった。

P1030166  登山口は何処かね?なんてもたもたしてたもんだから、予定よりも1時間近く遅くのスタートとなったが、しばらくは湿気の多い樹林帯の中をゆっくりと登って行く。それほどな急登でもなく、これならば会話も楽しみつつ快適なトレッキングだな、なんて思っていたのは休憩地点の黒百合ヒュッテまでであった。天気は晴れる様子もなく、時折幻想的な霧が漂ってくる。ちょっと屋久島みたいだ。

P1030185  2時間半程歩くと、視界がぐっと開けて、黒百合ヒュッテに到着した。相変わらずの濃霧で景色は良く見えないが、趣のある山小屋で雰囲気はスバラシイ。ここで少し休憩を取ることにした。売店では、ヒュッテやこれから向かう天狗岳のピンバッチが売っており、後で買おうかな、と軽い気持ちでその場は流したのが失敗。すっかり忘れてしまい、気がついたら下山してしまっていたのだ。なんとか手に入らないものだろうか・・・。

P1030187  そして、ここでの休憩時のサプライズ、なんと小屋の正面に、日本カモシカが現れたではないか。小屋の方々や他の登山者達と「おー、すげー」等と感動を分かち合った。カモシカはコチラの動きにも動ずることもなく、草を美味しそうに食んでいる。身近で見る自然の動物はちょっと怖くもあり、癒されもする。また何処かで逢えたらいいねぇ~。

P1030194  さて、のんびりと30分以上は休憩してしまったのではないだろうか。スタート時間も遅かったので、これからの行程を考えるとちょっとピッチを上げないと時間通りに下山が難しくなる。ところがこのヒュッテを境にして森林限界となり、岩場の急登と道は変貌する。天狗岳は東天狗と西天狗の二つの峰を持つ山で、東天狗まではヒュッテから左回りの中山峠コースと、ボクらが進もうとしている天狗の奥庭コースがある。奥庭側は眺望が素晴らしいとのことだったので何の躊躇もせずに進んでみたものの、急傾斜の岩場に張り付くように両手、両足を駆使してよじ登る。時折吹く突風に吹き飛ばされないよう必死だ。ひとつのピークを過ぎると少し稜線沿いの快適な登山道になるが、ガスっていて景色なんて全然見えない。そうこうしているうちに次のピークが来る。この繰り返しだ。1時間半程あえいだところで、待望の東天狗頂上だ。岩がゴロゴロの頂には先客が居られて、互いに写真の撮り合い等をしてから、早々に次の西天狗へ向かうことにした。

P1030222  30分程で西天狗山頂へ到着。こちらの方が若干標高が高く、2645.8mであるが、三角点は東天狗頂上にあった。岩だらけの東天狗に比べて、西天狗山頂は平で休憩するにはもってこいの場所だ。もう天気の期待は無理だと諦めていたので、さっさと昼食の準備に取りかかることにした。先客の登山者が一人いたが、世間話でちょっと盛り上がって、先にツレが下にいるとのことで降りて行かれた。山頂はしばらく我々のみの貸しきり状態、最高である。

P1020105  本日の昼食はアルファ米とサンマの蒲焼の缶詰を使った「ひつまぶし」である。アルファ米は熱湯を入れてから20分程時間がかかるが、想像していたよりもふっくらと美味しそうなご飯が出来上がった。これにキュウリを細かく輪切りにして、サンマの蒲焼と混ぜて出来上がり。手間はかからないが、ご飯が出来るまでに時間がかかってしまった。保冷剤でプチトマトを冷してきたので、それを摘みながらサンマのひつまぶしをかき込んだ。うまいじゃないの。3人で4人前のご飯だったので、もうお代わり自由ってな感じでたくさん食べてしまった。

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 さぁ、そんなにのんびりもしていられない。早もう13時をとっくに過ぎている。今夜の宿の渋御殿湯には17時までに入るよう言われているのだ。ピッチを上げて行かねばならない。ところが登りで7割方パワーを使い果たした足腰にはこの急坂が応える。ガレ場を滑り落ちないように一歩一歩降りていくことしか出来ない。地図で確認しながら歩いているが、表記上の所要時間からはるかに遅れている。いくつかのルート分岐点で小休止を挟みながら、強行軍で下山していった。軽量のまぁ坊は惰性に任せてぐんぐんと降りて行く一方で、重量級のT氏は一歩を確実に踏みしめて降りてくる。調度その中間にボクが入り、お互いのペースを合わせる役目に自然となっていった。

P1030235  そうこうしているうちに、それぞれ自分のペースを守るのに必死になってしまい、ボクらパーティーの隊列は長くなっていった(って言っても3人だけど)。16時過ぎにどうにか唐沢鉱泉まで到着。ここには宿があり、車で来ることもできる。しかしボクらは渋の湯まで更に移動しなければならない。宿に遅れることを告げようと携帯電話の電源を入れるとかろうじてアンテナ1本立った。チェックインが30分程遅れることを告げて、唐沢鉱泉のステキな宿舎の前で休憩させてもらった。どれどれあとどんな感じだ?と地図を確認したら、なんとショックなことに一山越えなければならない。最後の1時間、気力を振り絞ってどうにか渋の湯まで到達することができた。全行程10キロ弱を9時間半をかけてのロングトレイルとなった天狗岳登山だが、もしこれが綺麗に晴れ渡り、炎天下の中のトレイルだったら、もしかしたらもっと体力を消耗していたに違いない。寒いくらい冷たい風が本当に心地よかった。ご他聞に漏れず、宿では夕食時のビールが全身に染み渡った。硫黄臭漂う温泉は疲れた身体をほぐしてくれる。趣のある宿であった。入浴後、缶ビールを持ち寄って反省会を行う予定が、もうくたくたでオリンピックのテレビを付けっ放しのまま寝入ってしまったのであった。

 で、翌日はなんと昨日の天気がウソのような快晴。それじゃ近いところで百名山をひとつこなしておきますか!ということで、筋肉痛でヨチヨチ歩きではあるが、足腰に鞭打って、霧ケ峰は車山に登ってきた。

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 山頂から八ヶ岳を眺望しようと思ったが、次々来る雲に隠れて、とうとう見ることができなかった。しかしご覧のような素晴らしい景色にしばし登山の疲れも忘れてしまった。この後、T氏をJR中央線茅野駅まで送り届けて今回の企画は終了となったのである。途中、T氏からのメールで、早速車内でビールを飲んでいる、と報告があった。こっちは車の運転中だったので、Oカロリーのコーラにて無事の下山を祝して乾杯をしたのであった。