CORRESPONDANCES

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Moulin Rouge contre Folies Bergeres

2013年08月30日 10時58分27秒 | 海外の放送

Moulin Rouge contre Folies Bergeres:
le mercredi 17 juillet 2013 放送

オランピア劇場について詳しく書いたことがある。(Music Cross Talk在)しかしMoulin Rouge とFolies Bergeresを取り上げるのは、初めてかもしれない。この放送まず最初にCora VaucaireのLa complainte de la butte((J. Renoir 、 G. van Paris))が流れる。Cora VaucaireのペイジでCora Vaucaire自身が語っていたが、この曲は映画「フレンチカンカン」の主題歌だそうだ。
参照:フレンチ・カンカン 映画
(パリの名物だったムーラン・ルージュの由来を描いている。)
参照:フレンチ・カンカンとは
参照:カンカンダンス・衣装と踊りと音楽
例えば和服を着た人が、裾をつまんで前を丸出しにする姿を想像すれば、この踊りがどれだけ男性向けサービスに徹しているかがわかる筈だ。最後は逆にお尻を丸出しにする、という終わり方のヴァージョンもあるはずだ。


シャンソンといえば思い出す曲というのは、人によりけりで、一般的なのは、シャンソンといえば「枯葉」「愛の讃歌」、宝塚ファンならばシャンソンといえば「すみれの花咲く頃」「モンパリ」映画ファンならば、おそらく「モンマルトルの丘」「ムーラン・ルージュの歌」ではないだろうか。宝塚歌劇ならコネがある、と祖母が言うものだから、私は幼稚園の頃は将来は宝塚歌劇に入団するつもりでいた。それでその頃から上の6曲を全部知っていたが、映画を見ていないので、告白するがその当時「モンマルトルの丘」と「ムーラン・ルージュの歌」のタイトルが頭の中でごちゃごちゃになっていた。曲の醸し出すイメージが似ていたからかもしれない。どちらも映画の曲でどちらの映画もMoulin Rougeが舞台である。どちらの映画も見ていなかったので、映像としてひらめくものがなかったのだ。ベルギーのブリュッセルで「赤い風車」の映画シナリオ本をプレゼントしてもらった。帰国してずっと後で本を読んで、「赤い風車」のシナリオ本とロートレックのあの映画が同じだとやっと繋がった。
参照:Moulin Rouge (1952).mpg
ロートレックを主人公にするこの映画、胸引き裂かれるほどに暗い救いようのない悲しみに満ちた映画だった。Moulin Rougeなどと言うタイトルなのでイメージとして、劇場のムーラン・ルージュやダンスのフレンチカンカンや、シャンソンの「モンマルトルの丘」を思い浮かべるが、実は全く想像もできない程悲惨な映画であった。この映画にムーラン・ルージュなどというタイトルをつけてはいけない。あんな美しい主題歌を被せてはいけない。幼稚園児だけでなく大人でも混乱してしまう。
Moulin Rouge - Andre Claveau
Juliette Greco - Moulin Rouge
西洋画のファンの方、ロートレックのファンの方は、しかしながらこの映画必見。それからロートレックファンでなくても、シャンソンファンなら、ロートレックは調査しておくべき画家である。ブリュアンやギルベールを描いているからである。私が今いる部屋にもロートレックが描いた黒マント赤マフラーのブリュアンがいる。私は好みとしてはロートレックはあまり好かないのだが、シャンソンファンとして、このポスターを手放す気は全くない。気分が萎えそうな時にもこのブリュアンをみて、シャンソン・ファンとしての矜持を回復している、励まされているのである。もうひとつ、この部屋にはDannyが描いたBarbaraの素描があるのだが、こちらの方はものすごく怖い顔なので、遊びに来た人の評判も悪く、誰か引き取り手はないものかとふと思う時がある。



どちらも観光化しているので、真のシャンソンファンにはさほど興味がない場所かもしれない。「フォーリー・ベルジェール」で私が真っ先に思い出すのは、ゴンちゃんこと上月晃が1975年から3年間、東洋人として初主演した劇場だということだ。ものすごい快挙である。
偶然であるがTVニュースで報じられた上月晃の出棺の場面を覚えている。「ゴンちゃん」の声に送られて、クラクションを鳴らしながら霊柩車が遠ざかっていった。私はひと世代前のズカファンであるので上月晃の現役を知っているわけではないが、何故か身内の死のような深い悲しみを感じた。

追記:2013年8月31日
中国人のお金持ちが世界の観光地に溢れ出ているらしい。ムーラン・ルージュの支配人が観客の中に占める中国人の割合に上限を設けたという記事を最近見た。ほうっておくと連日客席が中国人で埋まるのだそうだ。ムーラン・ルージュの文化的伝統を守りたいという意志の現れなのだろうが、こんなことを日本がすると、人種差別だと非難轟々、内外のマスコミからつるし上げられるだろう。
あなたならこのムーラン・ルージュの支配人の対応を賞賛しますか、
それとも非難しますか?



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