あまりブログに真面目なことを書くのは苦手なのですが、今回は真面目で失礼します。
今更ですが、私は「環境教育」隊員として、ここサンゴ礁センターで配属されています。
センターの埠頭にて3重の虹が・・・
「環境教育」という仕事は実際メインではなく、水族館の改良や広報活動を主に行っています。
センターは地元の小学生やその他団体を呼び、水族館ツアーを環境教育事業として時々行っていますが、私の出る幕はほとんどありません。
写真を撮るくらいでしょうか。
パラオの小学生たち。高学年はおとなしいけど・・・
配属先だけでツアーができているので、私の出る幕はないな・・・という感じです。
その他にも、環境イベント(主に子供が対象)は、たま~~~にあるので、その度に何か環境教育の出し物を考えます。
しかし、サンゴ礁センターだけあって、「海洋環境」に関連した環境教育という縛りがあります。
毎年なぜかイベント系に共通のテーマがあり、「気候変動」がテーマであった年がありました。
気候変動・・・海洋環境・・・
なんだか子供たちに教えるには難しいテーマですよね。だからこそ、おもしろく学ばせてあげなくてはいけません。
パラオも、気候変動の影響や人々の生活が、美しいサンゴ礁を蝕んでいっています。
今なお美しいパラオのサンゴ礁
人口の大部分が住むコロール周辺の海
パラオが抱える環境問題は、気候変動によるサンゴ礁の破壊や、台風の襲来、海岸線の変化、海洋汚染、ごみ問題といったものがあります。
しかし、気候変動による影響は、パラオの人が原因なのでしょうか・・・?
やはり我々先進国や大国の人々の生活が、大元の原因であると思います。
日本からやってきた私が、気候変動について何を教えられるのでしょうか・・・
「気候変動」というテーマで子供たち(1~5,6年生)に、3回の授業を持つことがありました。
大変困った私・・・気候変動というテーマが重い・・・・・・。(実際学年に差があるこどもに教えるには難しい・・・。)
こどもたちには楽しく学んでもらいたかったため、ゲームやリサイクル工作をすることにしました。
全てゴミを使ってのマンタの小さな水族館づくり。(スノードームっぽいテイスト)
みんな真剣。
ごみの問題は、実は気候変動に影響を与える一部になってるんだよと、少々無理やりでしたが、こじつけて教えながら工作をしました。
なんとか、うまくいったんじゃないでしょうか。
事前準備。参加人数がギリギリまでわからなかったのでかなり焦っていました。
気候変動がどうこういう話は頭のいい子はすぐにわかってくれたようでしたが、さすがに低学年の子は理解できていないように感じました。
それでも、リサイクル工作をして、ごみを減らしていくことを楽しんでくれれば、それで良かったのです。
そもそもテーマが子供には無茶だし・・・という怒りは置いておいて。
海洋汚染についてのゲームも、気候変動と直接のつながりはないけれど、海洋環境つながりということで許可がおり、実践しました。
知っている人は知っている「川を汚したのは誰?」の「海」バージョン。
こどもたちがワーキャー言いながら水槽(海と見立てる)をどんどん汚していきます。
純粋な子供たちは、ショックを受けます・・・(よしよし。それでいいんだよ。)
で、海をきれいにしていくには、どうしていけばいいかな? ということを考えて意見を言ってもらいます。
このゲームはわりと好評で、ちょくちょくやっています。
配属先とは別の地域イベントでも、環境教育のブースを構えました。
その名も「エコ宣言」 Eco-friendly Declaration!
まず、環境にやさしい5つの行動をお客さんに読んでもらいます。
エコな行動例(簡潔版)
1.車じゃなくて、歩くかチャリンコ
2.お店でビニール袋を断ろう
3.使い捨て商品を使わない
4.使わない時は電気を消そう
5.海にゴミやオイルなどを捨てない
これをできるだけACT(行動)してくれるとアグリーしてもらったら(なんだかルー大柴みたいな説明ですが)
魚の紙にサインをしてもらい、ステッカーをプレゼントします。
デザインはお恥ずかしながら私が。
そして魚の紙をボードにはっていきます。この日だけで200人。ステッカー売り切れました。
さて、効果はあるのでしょうか。
全くわかりません。
しかし、100人中1人でも、心に残ってくれると良いな・・・と願います。
しかし、環境イベントの度に、私は「サンゴ礁をまもろう!」なんて言える立場にないなと、思い悩むことが多いです。
日本人なんだもの。
サンゴ礁の美しいロックアイランドは世界遺産だけども、本当はパラオの人たちのものです。
ダイビングをしていて、ガイドさん(パラオ人)がフィンで思いっきりサンゴを踏んだり蹴ったりしているのを
私に注意する資格はないのです。
パラオのサンゴが死んでいってる原因の1つに、「観光客が増え、海の環境を荒らしている」という話もあります。
しかし、エルニーニョ現象や気候変動、台風といった自然の破壊力に比べたら、微々たるものでしょう。
ああ、もうどうしたらいいのやら・・・(´・ω・`)
問題の規模が地球規模すぎて、一介の協力隊員ではどうにもならない・・・という己の無力さと憤りを感じています。
さて、私が一番憤りを感じているのは、このサンゴ礁センターです。
サンゴ礁センターという、環境の機関であるにもかかわらず、ゴミ出しまくりです。
よくケータリングでご飯を頼んで、会議やら、パーティーやらを行うのですが、
ケータリングのお店は、こともあろうに発泡スチロールのお皿やプラスチックの使い捨てフォークを大量に持ってきます。
それをみな、何も疑問を持たずに、贅沢に使っていき、ポイポイ捨てていきます。
1回で大量のゴミがセンターで発生します。
ちょっとまたんかい・・・(`・ω・´)
私は怒りを覚えました。
使い捨ての食器を大量消費するなんて・・・!サンゴ礁センターのくせに何も環境に配慮してない!!
うちのセンター、環境に厳しい機関です。
パラオ全体がそういう傾向にあり、サンゴ礁センターだけでなく、パラオ全体の問題のように感じます。
現に、同じゴミになるとしても、フォーム皿を紙皿に変えるだけでも相当マシだと思うのですが、
パラオではフォーム皿のほうが紙皿より圧倒的に安いのでありました。
やはりそれならフォーム皿を選んでしまうでしょう。
そしてケータリング会社が、フォーム皿を持ってくるのも原因の一つだと思います。
ここで私は静かに反抗をしてみました。
みんなの前で、マイ箸、マイ・タッパーを持つ!!
ケータリングを呼ぶときはビュッフェ形式が多いです。
皆がフォーム皿や使い捨てフォークを持って並んでる際に、私は1人、マイ箸とマイタッパーで並びます。
すると前後の人が気づきます。
パラオ人「あれ?どうしたの?なんでフォーム皿とフォークつかわないの?」
私「こうするとゴミが出ないでしょ。これはお昼のベントー(パラオ語)が入ってたタッパーで、洗ってきた。こっちは携帯するお箸。」
こう言うといくつかの反応パターンがあります。
パラオ人①「へえー!えらいね!私はお箸が使えないから、マイフォーク持ってこようかな。
②「へえー!えらいね!でも今これしかないからいいや!」
③「私、日本に行ったとき、このフォーム皿をあちこちで見たわよ。日本でも使われてるじゃない。」
④「いいなあ!そのお箸今度買ってきてよ。私もほしい!」
⑤「どうせそれもゴミになるんだよ!」
2~5の答えに私は ・・・・・・(´_ゝ`) なにも言えなくなりました。
サンゴ礁センターは、研究機関としての面が強いため、環境に配慮する意識が欠けているように思います。
調査ばかりで、保護目的に研究はあまりされてないのでは・・・!?と感じています。
まあ、サンゴを植えたって焼け石に水と言いますからね・・・
もうどうすることもできないところにいっちゃってるのかもしれません。
しかし、くやしい・・・ので、なんとか任期が終わるまでに組織の意識改革をしたいところです・・・!!
なにかいい案はないでしょうか・・・!?
考えます!