サンシャイン通信

サンシャイン・ステート(フロリダ州)発のニュースレター

Veterans Day

2006-11-11 19:12:56 | Weblog
今日11月11日はVetrans Day(退役軍人の日)。
夫は元軍人(ネイビー)。いくつかの戦争から復員して来ました。
毎年、この日になると思い出すのが1990年の夏のこと。
イラクがクウェートに侵攻、夫婦揃って毎日ニュースに釘付けになっていました。
と言うのも当時、夫は空母に乗り組んでいて、状況次第では即ペルシャ湾に
出港になるかも知れなかったから。
でも状況は一向に落ち着く気配を見せず、夫はペルシャ湾に出港。
戦争になるのは確実と思ったので万一に備え、慌てて遺言状をを作りに出かけた時は、
涙が止まりませんでした。
娘を妊娠して間もない頃だったので、努めて明るく日々を過ごそうとしましたが、
翌年の1月、湾岸戦争が勃発。不安な日々が続きました。
夫が帰って来た時、娘は生後3ヶ月近くになっていました。

一昨日(木曜日)、スピーチのクラスがいつもより早く終わりました。
このクラス、授業時間をオーバーすることはあっても、早く終わることはないので
皆、不思議がっていたら「教室を出る前に3分だけ話を聞いて。」と教授。
「土曜日はVeterans Day。単純に大学が休みになる日として過ごしてほしくない。
(今年は土曜日なので前日が振替休日になりました。)
私達のために今までに軍人がはらった犠牲は想像を絶するもの。
感謝の気持ちを忘れずに。そして、彼らをサポートする家族の皆さんの
気持ちも理解してほしい。」と言って、退役軍人を讃える詩を読み始めました。
私は16年前の日々がフラッシュバックして、感極まり泣いてしまいました。
私の隣の席に座っているモニーは数ヶ月前、イラクから帰って来た海兵隊員。
教室のあちこちから“サンキュー、モニー。”の声。
そして泣いているのは私だけでなく、ご主人がネイビーのケリー。
彼女も涙を拭いていました。
教室を出ようとした時、教授に呼びとめられました。
「確かご主人はveteranだったわね?私がこうして日々を平穏に暮らせるのは
ご主人のお陰。感謝しているわ。“ありがとう”と伝えて。」と言いました。

夫の退軍式で当時の大統領、クリントンから送られた
“今まで軍人の妻としてサポートしてくれてありがとう”という内容の
感謝状をもらった時、“これで不安な日々を過ごすこともなくなる”
と安心したのですが、そうではありませんでした。
夫が軍をリタイアして何年も経つけれど、16年前の夫と私のように
イラク等、危険な地域に派遣された軍人や家族の方々を思うと
やはり不安になります。
そして彼らをサポート、誇りに思う気持ちはずっと変わらないと思います。
コメント (6)
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