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クリエイト速読スクールブログ
助走の距離と時間
12日月曜日の毎日新聞夕刊2面「特集ワイド」欄で、萩本欽一さん(65)がインタビューされていました。
すでに3日前の記事でいまさらの観があるかもしれませんが、共感するものがあったので部分的にピックアップしておきます。15日現在なら、MSN毎日インタラクティブで全文読むことができます。
ドーンとやってみよう! 欽ちゃん流、若手育成法
◇回り道、大事--成功する子は「損」我慢できる
旅立ちの春を前に、タレントの萩本欽一さん(65)に会いたくなった。コント55号、「欽ドン」「欽どこ」、そして野球チーム「茨城ゴールデンゴールズ(GG)」……。着実に夢を形にする一方で若手を育ててきた人である。【小国綾子】
約30年前、放送作家志望の若者が萩本家に住み込んでいた。ところが師匠が教えてくれるのはマージャンと将棋だけ。若者は「いつ書かせてくれるのか」と焦りつつ、将棋盤の前でひたすら耐えた。5年近くがたったある日、欽ちゃんは突然言った。
「おめでとう。おまえは明日から作家だ。一生懸命、おまえのために仕事を取ってくるよ」
この時、将棋盤に落ちた若者の大粒の涙を、欽ちゃんは今も忘れない。後に「欽ドン」「欽どこ」の構成を手がけ、最近は「王様のブランチ」「SMAP×SMAP」でも活躍中の放送作家、鶴間正政行さん(52)の修業時代のエピソードである。
「『石の上にも三年』と言うけどあれはウソ。3年辛抱すればそれなりのことはできるが、デカイものには当たらない。僕は見込みのある子には5年我慢させた。いつか報われるなんて教えず、損だらけの5年間。でも成功する子はその『損』を我慢できる。あるいは『損』と気付かない。鶴間の時、僕は5年間、『頼む、我慢しろ。今逃げ出すな』と心で祈ってた」
悩める新人君たちへのメッセージ。「20代は損だらけなの。損に気付かないくらい鈍感な方がいい。上司に『たばこ買ってこい』と言われたら『たばこを買うために就職したんじゃない』と腹が立つだろう。でも、それは20代の自分の体に失礼だ。20代って自然に体が動き、自販機に買いに走れる時期なの。考えて行動するな。行動してから考えろ。答えは体が出してくれる」
わかる。でも難しい。だって若者には夢がある。ところが日々の仕事は単調で、夢につながるとは到底思えない。だから、これでいいのか、と迷い始める。
すると欽ちゃん、意外なことを言う。「20代は夢を持っちゃいけない」。次々と夢をかなえてきたあなたが、なぜ?
「20代の現実は厳しい。夢が遠くに見えて、だから、段々とつらくなる。夢を抱くのはやめときな。抱くなら目標。目標ならいつでも捨てられるから。でも夢は捨てられないだろう? 捨てられない夢にこだわり続ける20代はつらいよ。夢は、目標の先にある。夢には一直線に向かうな。回り道が大事なんだ」
似た言葉を2年前、「踊る大捜査線」シリーズで人気の放送作家、君塚良一さん(48)が言っていたっけ。彼もまた、萩本家で修業した一人。当時、シリアスなドラマ脚本を志向していたが、コントばかり書かされた。でも「若いころにコントの勉強をしたおかげで、コメディーも書けるドラマ脚本家になれた。最初から『青春とは』『人生とは』というドラマだけ書いていたら、今みたいなテレビの脚本は書けなかっただろう」。
まさに、回り道の勝利だ。
こんな、かつての弟子の言葉を欽ちゃんに伝えると、師匠は遠いまなざしでぽつり。「あいつは5年どころか『石の上にも10年』。初ヒットのドラマまで10年辛抱したもんな」。顔をくしゃくしゃにして笑った。
3月13日の記事「繰り返すことの意義」には、この特集ワイドに触発されて書いたところがあります。
我田引水は、あまりみっともいいものではありませんが、時間の使い方や辛抱の仕方などは、非常に同感できるものがありました。
いつの日にか成功するための助走の距離と時間は、たっぷりと遣えたほうがよいのではないでしょうか。
資格取得や大学合格など、このプログラムを地味にこなしていった人たちが相当の実績を挙げているわけですから、不安を抱く必要はありません。
楽して、お手軽に、よりも「実績を挙げているプログラム」で粘っこく汗をかいて地力をつけていったほうが、長きに渡ってわが身のためになるに決まっています。 真
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回り道、損、なかなか我慢できるものではないと
思います。
自分が20代の頃にこの話を聞いていたら、
いまごろどうなっていたのかな~?
気になるところではありますが、考えても仕方が
ないことなので、やめておきます。
私の中では「損を我慢する」というのは新しい感覚です。
でも「回り道が大事」というのは、よくわかります。
私も、どんな経験も糧にできる、という考え方ですから。
所用があって、一度読んだところをまた読み返しに行っていました。
既読なのでさらさら読みました。これぞ速読(?)という感じでしたが、帰り着くまでに一週間……決して早くはないですね