紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

怒る魂が叫ぶ…チャールス・ミンガス・プレゼンツ・チャールス・ミンガス

2007-07-03 23:11:02 | ジャズ・ベース
最初に一言言っておきましょう。
カテゴリーは、「ミンガス」のリーダーアルバムなので、「ジャズ・その他」の項目に入れましたが、「エリック・ドルフィー」が参加しているので、「ドルフィー」の項目に入れようか最後まで考えた結果こうなりました。
このアルバムは、とにかく怒れる「ミンガス」ジャズの最高傑作であります。
「ミンガス」としては、小編成?のピアノレスカルテット演奏ですが、フロント2管が「エリック・ドルフィー」と「テッド・カーソン」ですので、メンバー的には申し分無いですね。
演奏曲は4曲だけですが、非常に内容が濃い4曲ですので、このアルバムを聴かれた方は、きっと満足されると思います。

アルバムタイトル…チャールス・ミンガス・プレゼンツ・チャールス・ミンガス

パーソネル…リーダー;チャールス・ミンガス(b)
      エリック・ドルフィー(as、b-cl)
      テッド・カーソン(tp)
      ダニー・リッチモンド(ds)

曲目…1.フォーク・フォームズ№1、2.フォーバス知事の寓話、3.ホワット・ラヴ、4.汝の母もしフライトの妻なりせば

1960年10月20日 録音

演奏について…アルバム曲中最も有名な曲(演奏)は、ミンガス・ミュージックの代名詞、2曲目の「フォーバス知事の寓話」である。
とにかく力強くグイグイ引っ張る「ミンガス」のベース音に、「ドルフィー」がアルトサックスの絶叫で絡みつく。
曲の所々で、皆でフォーバス知事を揶揄するトーキング・セッションも、曲の高揚と、怒り魂の燃え上がりに一役買っている。

3曲目「ホワット・ラヴ」は、表面的には怒れる「ミンガス・ミュージック」には、やや不釣合いなバラード的な曲調で、特に序奏部分の「カーソン」のブリリアントでメロディックなアドリブには目を見張らされる。
しかし、これはほんの序の口で、本当のクライマックスはこの後やってくる。
それは、曲中から「ミンガス」が「怒り」を心の奥底にあえて閉まって、表現するベース・ソロから始まる。
この後、「ドルフィー」がアルトサックスで熱き「絶叫」を言葉のシャワー如く、雨あられの様に吹きまくる。
それに対して「ミンガス」は、風林火山の動かない山の様に、大きく静かに、しかし野太いベース・サウンド&ソロで応戦する。
この二人の掛け合い・バトル・デュオは、このアルバム全体を通してのベスト1の白眉の名演奏である。

4曲目「汝の母~」は、名曲「オール・ザ・シングス・ユー・アー」を元にディフォルメして書かれた曲だが、原曲の美しさは殆ど分からないと言って良い。
しかし、この曲でもペットの「カーソン」&バスクラ「ドルフィー」のアドリブ・ソロは秀逸で、「ミンガス」も前曲とは異なって、自ら前面に出てきて、非常に攻撃的で熱いベース・ワークで、「ドルフィー」をアシストする。
その二人を更にサポートする「リッチモンド」も、アグレッシヴな演奏で煽りまくり、この曲のフィナーレはカルテット演奏と思えないほど重厚ですさまじい。

オープニング曲「フォーク~」は、4人がフリージャズの演奏の様に、それぞれ自己主張をしたアドリブソロを奏でるが、しかし時代はまだモード&フリーの入口なので、コンボとしての統制はしっかり取れている。
この中でもリーダー「ミンガス」の分厚いベースサウンドが、各人のファイティングスピリットを呼び起こす火付け役になっているのは、誰にも異論の無い所であろうし、さすが名バンドリーダーの貫禄だと認識させられる。



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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ドルフィーすてき! (pooh)
2007-07-04 21:43:39
このアルバム大好きです。
ドルフィーが自由に吹きまくっていてすごーくいい!
ミンガスの音楽性のすばらしさにも感動です。

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