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りゅういちの心象風景現像所

これでもきままな日記のつもり

1491m

2012-10-27 02:07:58 |  日 記 


父は山歩きが好きな人で、かつてはしょっちゅうあちこちの山に出かけていました。箱根・足柄はお散歩がてらに歩く。たまに大掛かりな準備をしては「山歩きの師匠」とあおいでいた友人と一緒に、ぷいっと出かける。丹沢のことを訊いてみると、ここではなぜか謙虚になって、「オレは丹沢のすべてを歩き尽くしたとは言えない」と、ちょっとカッコいい風で話をしてくれる。
その父が「おまえ、富士山に行くつもりなら、塔ノ岳には登っておかなきゃ」と何度も言うので、ちょっと気にしていました。



なんでこのごろ山歩きに精をだしているのか?というと、9月に金時山に登ったときに、正直、身体のあまりの重たさに愕然としてしまったからなのです。体重のことならダイエットをするのがストレートですが、それだけが原因ではない。目標は来年夏の富士登山なのだから、あと10ヶ月はある。その間に登ることと、身体を整えておくことをなんとか並行して準備できたらいい。それだけの時間をかければなんとかなるのではないか?そう思っていました。



身近で一番頼りになりそうなガイドが「山歩き厳禁」な身体になってしまったものですから、一緒に歩いていろいろ教えてもらう、ということはできない。ので、もっぱら「話」を聞いています。でも、どうも父の話って言うのは「行けばわかる」という以上の情報は含まれていない。。。それで、ウェブ上の情報を漁って、それなりに理解して。。。というつもりでいたのですけど、実際、自分で登ってみると、いかにそれが甘い考えか、身につまされます。少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。ほとんどゼロの状態からはじめるというのは、それなりに苦しいものだなぁと、思い知らされたのが塔ノ岳でした。行けばわかるかぁ。



ふとしたタイミングで「明日、登れるなぁ」と思いついたので、一人で出かけてみたのです。
「初心者向けにして、本格的な山だ」という話は聞いていた。秦野市観光協会のHPでは「往復で5時間30分」とある。さっちゃんが「そういえば、中学生のときに遠足で登った」とも言っていた。なにより「おまえ、富士山に行くつもりなら、塔ノ岳には登っておかなきゃ」という父の言葉がいつまでも耳元でうるさい。これを機会にサラッと登っておこうと。それで「ああ、登ってきたから」くらいのことは言えるなぁって思ってた。



のですが、これが僕にはえらくきつかった。。。
とにかく、いままでで一番きつかったように思います。



カッコわるい話、頂上までたどり着くのに5時間近くかかってしまったのですから、山頂でのんびり景色を楽しむ時間もない。。。一般的に往復5時間30分といわれているところを、結果的に8時間かかった。あまりにも時間がかかり過ぎです。登りきったのはよかったんだけど、これじゃただ必死に歩いただけ。自分のことながら、いかにも残念だったのです。子どもが遠足で登る山に、簡単に打ちのめされてしまった。



はじめて登るのに、ペース配分とか、どこまで行けば休めるとか、そういう大事なことを理解していなかったこともあるけれど、一人で登る、というのが考えてみればそもそも初めてでした。登り慣れている人のブログなどを読んでいると、5時間半もあれば、もうひとつ、ふたつ、連なっている山々の山頂を制覇できるのだそうで。。。登っていると、この山を走って登っていく人、走って下りてくる人もある!いかにも軽々と。。。彼ら超人と比較するまでもないけれど、自分との標高差を見せつけられたような気分に。ものすごく落ち込みます。なによりも山そのものをイメージできていない自分に愕然としてしまいました。。。弟くんと一緒に登って「これならいけるなぁ」と少し余裕に感じたことも、あれ、一人じゃなかったからなんじゃないか?と。いまさらながらに気づかされました。



富士山には一緒に登るつもりでいるのだけど、せめて弟くんのお荷物にならないようにしないと。。。言い出したのは僕の方だし。


☆          ☆          ☆



登山道はキレイに整備されているので、初心者でも登れるというのは本当です。むちゃくちゃ時間かかったけど、実際初心者の僕でもいちおうは頂上にたどり着けたし。ご夫婦で仲良さげに登られていたり、急に休みが取れたので登りにきたという女の子もいました。
「バカ尾根」と呼ばれるきつい坂が象徴的なのですが、登りきるまでこういった坂が続くこともあって、「富士山に登るなら一度試しに登ってみた方がいい」といわれている。丹沢を登る人たちのあいだでは常識のようなのです。「行けばわかる」というのは本当にあたっていて、わからないことは目の前を登っている人に直接聞いてみるのがいちばん確実ですね。「バカ尾根」を通らない別のルートも複数存在するので、山歩きを楽しみたいということなら、いろんな風景を楽しめるのだそうです。今回はその「バカ尾根」がテーマだったりしたのですが、頂上まであと2kmというところからが、僕にとっては本当につらかった。



県立戸川公園から登りはじめるのはごくごく一般的で、スタート地点の標高が約290m。塔ノ岳山頂が1491mなので、1200mの標高差を登って下りる。富士山だと、富士宮口からチャレンジすると標高差は1350mほどということですから、実際にはこれよりも更に高いことに。低い気圧のこともあるのだから、僕みたいな人が登ろうと決心したからには、相当する準備が絶対に不可欠なのだってことを、イタいほど自覚しました。



なにはともあれ何度か登ってみて、心の方も鍛えなおさないと。




この次に塔ノ岳に登るときには、もう少し楽しみたいなぁと。
その時には、もう少し書けることがあるんじゃないかと思います。






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