シーラカンスの憂鬱

照る日もあれば、曇る日もあるんだし…

『DEEP BLUE』

2005年05月29日 | ドキュメンタリー
約38億年前に点った生命の灯。
途方も無い時間と空間の中で、
生命は、絶滅と進化を繰り返しながら
果てしなく延びる複雑な進化への鎖を次の世代に繋げて行く。

地球の表面積の70%を占める紺碧の海。
生命を賭けた戦いが繰り返される生と死を見守る母なる海。
野生に生きる者たち全てに課せられた弱肉強食の掟。

   生きる為。
   種を残す為。

本能に突き動かされるままの彼らの捕食活動は、
たった今も、深く碧い海の中で行われているのです。

ディープ・ブルー スペシャル・エディション

『DEEP BLUE』
製作年 / 2003年
製作国 / イギリス、ドイツ

以前ご紹介しましたドキュメンタリー作品『WATARIDORI』
彷彿とさせるオープニング・シーンから舞台は海へと移ります。

制作期間7年
ロケ地200ヵ所
撮影時間7000時間という膨大な時間を費やして集められ、
ここに収録された選りすぐりの映像集に圧倒されてしまいました。

現在、
映画やドラマ・アニメーションなどを製作する際に用いられる
CG技術は無くてはならない存在と言っても過言ではないでしょう。
その素晴らしく安定した技術にあまりにも慣れすぎてしまい、
それによって作られた映像に驚く気持ちは、日増しに薄れています。

そうした意味に於いて、
CGを一切使用していない『DEEP BLUE』の映像は、

   「どうやって撮影したんだろう?」

…という
実に新鮮でシンプルな驚きをもたらしてくれます。
同時に、
野生の掟の中の真実の物語を目の当たりにする事で、
改めて「生命」の尊さという刃が、心に痛烈に突き刺さります。

   巨大な体と極小の体。
   捕食する者と捕食される者。
   親と子の切り離す事の出来ない絆。

壮大にして貴重な映像集『DEEP BLUE』の最後に、
このブログのエントリーにもある『史上最大の動物』が登場します。
個体数の減少した現在、泳ぐその勇姿に涙を誘われました。

生命を育み続ける母なる海の真実の物語。
過酷なる自然環境の下に生きる者たちから
凄まじい衝撃と素晴らしい発見を与えられる貴重な作品です。


◆関連リンク◆
   『DEEP BLUE』公式サイト
   東北新社
   『DEEP BLUE』 -goo映画-
   『DEEP BLUE』 -Yahoo!ムービー-
   シーラカンスの憂鬱:『輸入版と国内版の狭間で…』
   シーラカンスの憂鬱:『まだ観ぬ映像集への想い -THE BLUE PLANET-』

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いいですよねー (micco)
2005-06-10 22:21:41
こんばんは。

私もこれは絶対映画館で見なきゃと見に行った作品です。

1つ1つの映像に涙が溢れ、なぜ涙が溢れるのか不思議で仕方なかったのですよ。きっと弱肉強食の世界に心打たれたのかそれとも前世が人間以外の何かで思い出したのか(笑)。



タツノオトシゴをとってはいけない、その為に頑張る女の子のドキュメントがこないだテレビでやっていたのですが、とても難しい問題なのだとここでも考えさせられました。タツノオトシゴにとどまることなく人間はとても勝手な動物なのだと。クールビズ、いいと思いませんか?大事になってからじゃないと気付けない人間はもう卒業したいものです。でもなんとなく他人事に思えてしまう自分もいたりして・・・

全ては全てに生かされてるという事実を忘れそうなときこういったドキュメンタリーを見るとなんとなく熱くなる自分自身に気付いたりしませんか?こんなときばかりじゃいけにんですけどね
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☆勘違いのエゴイズム☆ (coelacanth0707)
2005-06-11 18:03:27
micco様♪

こんにちは☆

いつもコメントありがとうございます。



映画館の大スクリーンで観れなかったのが少し悔やまれますが、

素晴らしい作品に出会えた事に大きな幸せを感じています。



>大事になってからじゃないと気付けない人間はもう卒業したいものです。



micco様のこの言葉に込められた熱い思いが、

改めて、僕の心の鐘を打ち響かせてくれました。



  小さなエゴイズム

  大きなエゴイズム



地球上に君臨する動物の頂点であるかの様に、

勘違いのエゴイズムにまみれた人間に警鐘を鳴らす

一つの作品なのかも知れませんね。

返信する
Unknown (micco)
2005-06-21 18:22:10
「地球上に君臨する動物の頂点であるかの様に、勘違いのエゴイズムにまみれた人間に警鐘を鳴らす一つの作品なのかも知れませんね。」



coelacanth0707様は本当に言葉、知識、感情の引き出しがすごいなーといつも思います!



最近私もこんな難しいかっこいい言い方はできなかったのですが、こういう話をしました。

実家の隣に住んでる中年夫婦の主人はとても意固地な人で、何につけても文句を言う人です。人間に対してだけならまだしも、家の裏の壁にはたくさんの剣山を置き、また食べるといけない?見た目にも怪しい餌がおいてあるんです。猫や動物が大嫌いなようなで近寄らせない為みたいです。でもたくさんの剣山を見たときショックでした。それで私も思ったことは「おまえは何様だ?」と。

土地は自分のものでもそれは人間界においてだけ。猫や犬には土地の境など関係ないし、糞がいやならそれは片付ければいいだけのこと。他があって自分が生かされてるということにも気付けないそのおじさん、エゴの塊です。人間が偉いなんて誰が決めたんだろうって思いますよね。

本当は宇宙は誰か大きい人の胃の中かもしれないのに(笑)。

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☆恐縮してしまいますよォ☆ (coelacanth0707)
2005-06-21 23:32:24
micco様♪

こんばんは☆



>言葉、知識、感情の引き出しがすごいなーといつも思います!



カッコつけているだけです。(涙)

でも、

凄く勿体ないありがたいお言葉で、凄く嬉しいです。

ありがとうございます☆



上記の剣山のお話を読んで、

「そこまでするのに至った理由は何なの?」と思いました。



ただ、

余程の事情があるのかも知れませんが、

その行い自体が第三者に与える影響や

どの様に受け取られるかを考える事の出来ない、

視野の狭い心の荒んだ悲しい人物だと思いますし、

そう思われても仕方がないですよね。



その人物に是非読んで欲しい記事があります。



きら☆きら:「いただきまーす ! 」  作 : 二宮 由紀子

http://blog.goo.ne.jp/yukikozaru/e/b03aa142cafb3aa2d28219e63b3ad9f6



シーラカンスの憂鬱:『存在』

http://blog.goo.ne.jp/coelacanth0707/e/e17160f751feafce93dbb7a487c22a4d
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