教えて!ウォッチャー…退職時の有給消化は違法?(教えて!ウォッチャー) - goo ニュース
いざ転職先も決まり、退職の申し出と同時に余っている有給休暇の消化を求めたら、上司から「有給休暇は仕事の休息に使うものだ。退職時に取得するのは立つ鳥あとを濁さずに反する」と断られた経験のある方は少なからずいらっしゃると思います。
「退職時の有給消化と引継について教えてください」
質問者のsuga8oi8さんは、退職が決まり、有給休暇の取得を申し出たところ、上司からは時節変更権(特に業務に差し支える場合に有給休暇取得日を変 更させることができる権利)を行使するといわれ、挙げ句の果てに社長から有給休暇取得自体を絶対に認めないといわれてしまいました。
また、引き継ぎについても社長決裁が必要で、引き継ぎが完了していないと勝手に見なされて会社を休むと無断欠勤扱いになってしまうのかと心配しています。
「明らかにおかしいですね。懲戒解雇にしてもいいんだぞ!は、明らかに脅しですね。早いところ労働基準監督署に申し出ましょう。間違いなく、理はあなたの方にあります」(kanakyu-さん)
「有給休暇の『時季変更権』は退職時には行使できないことになっています。退職については、民法の規定で退職の意思表示をしてから2週間経過すれ ば、雇用契約が解除されることになっています。会社がそのような態度であれば、2週間後を退職日とする退職届を。引き継ぎも会社が妨害するのであれば引き 継ぎが出来ない旨を書き添えて、配達証明付の内容証明で送りましょう。なお、引き継ぎと有給休暇は関係ありません」(noname#24736さん)
「社長の心象は悪くなるでしょうが、法律上は問題ありません。懲戒解雇にもなりません。有給休暇が認められないことはありません。有給休暇の取得は 退職時には、使用者の時季変更権が出来ないので、労働者の希望通りの取得が可能です。退職についても2週間前に申し出れば、会社の承諾がなくても労働契約 は終了します」(k-eikoさん)
■時季変更権は退職時には適用できない
退職時の有休消化の場合、時季変更権は回答の通り、行使できません。なぜなら、時季変更権はあくまで労働契約期間内に指定した日に変更することができる権利で、労働契約が切れる日、つまり退職日以降に変更することはできないからです。
また時季変更権の行使はその人しかできない重要な業務であったりして、社員の補充ができないで、会社の業務に支障が生じる場合のみ可能で、単に忙しいなどの理由では行使できず、退職する社員にお願いすることくらいしかできません。
質問のケースでは、退職日をずらすことをお願いされ、本人が了承しただけであり、自薦変更権の行使には当たりません。また有休消化を認めないのは明らかに労働基準法違反です。
■引き継ぎをしないと退職できない?あるいは損害賠償請求される?
たいていの就業規則では、労働者は職務に専念し忠実でなければならないと規定してある場合があります。しかし引き継ぎをしないで退職することは、バック アップ体制を普段からとっていなかった会社側に責任があるため、引き継ぎしないからといって退職できないことはありません。
しかし、たとえばパソコンのパスワードを「故意」に変更したりしてパソコンを使用不能にしたり、業務を妨害することを目的に、書類を破棄したりして退職し た場合などは、損害賠償請求される可能性は否めません。質問のケースでは引継書は作成されているので、いくら社長が認めなくても、普通に退職できます。
桜井 規矩之左右(Kikunozou Sakurai)