桐生市と栃木県日光市を結ぶ第三セクター鉄道「わたらせ渓谷鉄道(わ鉄)」は、ローカル線ならではの鉄道遺産が多く残る。栃木県側の終点となる間藤(まとう)駅(日光市足尾町)から、かつての終着駅で廃線となった足尾本山(ほんざん)駅までは、古びたトンネルや橋など「レトロ」の香りが楽しめる。六日に開かれた廃線跡をたどるツアーに同行し、魅力に触れた。 (藤原哲也)

 参加者四十人と間藤駅前の県道を北に歩くと、すぐに踏切の跡が見えた。廃線跡の入り口だ。

 目の前に枕木とレールが残る大きな橋。渡良瀬川に架かる「第二松木川橋梁(きょうりょう)」で全長六十九メートルある。案内役を務める、わ鉄の樺沢(かばさわ)豊社長のアドバイス通り、線路横の橋げた部分を慎重に進んだ。

 橋を渡り渡良瀬川に沿って線路を歩く。遠くの街並みを楽しんでいると、再び橋が見えた。枕木の間から見える地面に足がすくむ。

 「ツアー前には必ず下見をして安全を確かめる」と樺沢社長。橋の構造や足尾の歴史を解説し、見どころを紹介していった。

 全長二百二十六メートルの「向(むかい)間藤トンネル」では、暗闇を懐中電灯を頼りに前進。壁面に古いレンガが残っていた。手動の腕木式(うでぎしき)信号機は鉄道ファンに大人気のスポットだ。多くの人がカメラを向けた。

 やがて足尾本山駅手前の橋に到着。まだ残る駅舎を遠くに眺め、線路を後にした。

 間藤−足尾本山間は全長一・九キロ。足尾本山駅は銅の製錬所に隣接する貨物専用駅で、旧足尾鉄道として全線開通した一九一四年に開業した。しかし、七三年に足尾銅山が閉山。しばらくして廃線となったが、開業百周年の二〇一四年から廃線跡ツアーを企画すると、たちまち大人気に。平日開催の今回も募集後すぐに定員に達したという。

 今回は新しい試みとして、銅山開発で荒れた足尾の山肌の緑を取り戻すため、国や地元のNPO法人が取り組む植樹活動にツアー参加者が協力。NPO関係者と五本の植樹をした。

 妻と訪れた高崎市の福永恒義さん(71)は「二回目だったが飽きない」。友人と参加した前橋市のパート社員、三浦真由実さん(49)も「廃線跡の雰囲気も味わえて緑化にも協力できた」と満足そうだった。

 樺沢社長は「鉄道遺産はわ鉄にとってかけがえのない魅力。保存に力を入れつつ、沿線の魅力を高め、ツアーもまた行いたい」と意気込んでいた。


廃線跡って、なんだかワクワクするんだよねぇ。

退職後は、傷ついた心を癒すために少し休もうかと思っているから、ちょっと旅にでも出てみようかなぁ。

夢だけどね~。